「受付嬢と窓際族の結婚」? - ドコモ、世界初のAM内蔵ケータイ「RADIDEN」

    小山安博  [2005/08/31]

    NTTドコモは、世界初という、AM/FM/TVの3バンドチューナー搭載携帯電話「RADIDEN(ラジデン)」を開発した。AMチューナーを内蔵した携帯電話自体も世界初だといい、ラジオをよく聴くユーザーをターゲットとする。今回は開発発表であり、具体的な発売日などは未定だが、9月から10月ごろの発売で、価格はオープンプライス、実売価格はは15,000円前後になる見込みだ。

    RADIDEN。携帯電話側(写真左)だけ見ると普通の携帯電話に見えるが、裏返すと(写真中央)こちらは完全なポータブルラジオ。携帯電話のメニュー画面はpremini-II/IIS相当(写真右)

    今まで、FMチューナーを内蔵した携帯電話は多くリリースされてきたが、AMチューナーの搭載には解決すべき課題が多く、これまでAMラジオを携帯電話で聴くことはできなかった。特にAMは、周波数特性上、ノイズの影響を受けやすく、携帯電話内部の回路が発する周波数成分からノイズが出やすい。同様に、アンテナも大きくしなければならず、携帯電話端末内におさめることが難しかった。

    今回、ソニーとソニー・エリクソン・モバイルコミュニケーションズが小型の3バンドチューナーを共同開発。技術が成熟して小型化が可能になった第2世代携帯電話(PDC)のmova端末であれば、端末を大型化しなくても、ノイズの影響を受けにくい基板配置で3バンドチューナーを搭載できた。

    RADIDENは、ポータブルラジオを使う40~50代のビジネスマンをコアターゲットとする。ドコモによれば、ポータブルラジオの利用者は男性が中心で、そのうち40代以上が7割を占めているそうだ。また、この年代の男性にとってラジオは、青春時代によく利用した「ノスタルジックなイメージ」(ドコモ)のあるメディアであり、そうした人々に訴求力があると見る。

    本体はpremini-II/IISをベースにしたストレート端末で、端末の表面はpremini-II/IISとほぼ同等の見た目の携帯電話。端末を裏返すと、一般的なポータブルラジオの見た目という、「デュアルフロント」デザインを採用した。

    ラジオ側は、40代以上でも使いやすいように、機能をシンプルにし、使いやすさを追求。携帯電話側のディスプレイとは別に、ラジオ専用の液晶ディスプレイを備え、一発で選局できる7つのボタンを本体上部に配置。ラジオの再生は、端末のスピーカーや、付属のスイッチ付きイヤホンでも行える。スピーカーとイヤホンの切り替えは、端末側面のスイッチで切り替える。

    基本的にラジオと携帯電話の機能は切り離されており、auの「EZ FM」のように、ラジオでかかっている楽曲名を表示したり、着うたとしてダウンロードしたりといった連携機能は搭載されていない。ラジオ聴取中に電話がかかってきた場合、ラジオの音声はミュートされ、通話終了後には自動的にラジオが復帰する仕組みは備えられており、ラジオ聴取中にiモードやメールを使うことも可能だ。ラジオと携帯電話の電源も区別されており、本体側面のスイッチを使えば、ラジオだけ電源をオンにし、携帯電話の電源は切る、という使い方も可能だ。

    携帯電話とラジオの機能をあえて分離することで使い方をシンプルにするとともに、携帯電話で使うキーの文字色を白に、ラジオで使うキーはアンバーにして分かりやすいインタフェースを心がけ、誰でも使いやすいシンプルな端末を求めたという。

    本体側面。文字色が白なので、こちらは携帯電話用のキー

    逆側の側面。文字色はアンバーなので、こちらはラジオ用のキー

    携帯電話部分の機能は、ベースになっているpremini-II/IISとほぼ同等。液晶はpremini-S比で約2.2倍の明るさにした1.9型160×128ドットで、デフォルトの文字サイズを16ドットに大型化した以外、ソフトウェア的な変更点は特にないという。

    携帯電話のキー

    3バンドチューナーを内蔵した代わりにカメラ機能は省かれているが、カメラ付き携帯電話が社内に持ち込めないビジネスパーソンを考慮したそうだ。

    RADIDENは、preminiやDOLCEなどと同様、コンセプトモデルの位置づけ。TBSラジオ、日本放送、文化放送のAMラジオ局3社が事務局となり、3年前からドコモとの開発プロジェクトをスタートさせ、技術的課題を解決し、今回の発表にこぎ着けた。

    AM局側では、携帯電話にAMラジオが内蔵されたことで、さらにリスナー層の拡大を見込み、局側は「待ちに待った」製品だと期待を表明する。ポータブルラジオは家電量販店では目立たない売り場で売られ、携帯電話は量販店の入り口で大々的に売られている現状をふまえ、ニッポン放送パーソナリティの垣花正氏は、RADIDENを「受付嬢と窓際のおじさんの結婚のようなもの」と表現した。

    また、今回のRADIDEN開発を期に、全国の民放AMラジオ47局は、初めての統一キャンペーンを実施する。「あなたに伝えたい~言い出せなかった"ありがとう"」と題し、リスナーからの投稿を受け付け、11月には全国統一の特別番組を制作する。

    キャンペーンは9月5日から開始。キャンペーンキャラクターは歌手の松田聖子さんで、自身が作詞・作曲した「しあわせな気持ち」(9月21日発売)がキャンペーンソングとして採用されている。

    キャンペーンキャラクターは歌手の松田聖子さん。デビュー当時からラジオのパーソナリティの仕事に携わっており、当時のリスナーたちの心をつかんでいた、らしい

    なお、今回のキャンペーンに投稿した人の中から、抽選で30名にRADIDENがプレゼントされる。

    左からTBSラジオ・中村尚登さん、文化放送・野村邦丸さん、松田聖子さんを挟んでニッポン放送・うえやなぎまさひこさんの各パーソナリティ

    キャンペーンに参加する全国民放AMラジオ47局

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