韓国文化観光部ら「ゲーム白書」発刊 - 市場は拡大、PC房のニーズは低下

佐々木朋美  [2005/07/11]

韓国政府の文化観光部と財団法人の韓国ゲーム産業開発院は6日、「2005 大韓民国 ゲーム白書」を発行した。ゲーム市場や技術の動向からゲームユーザの傾向まで、総合的な状況をまとめた同書により、今の韓国ゲーム市場が明らかになった。

これは350の国内ゲーム業者と、1550のゲーム関連サービス業(PC房、アーケードゲーム房、ビデオゲーム房)に対して調査を行い、60人以上の専門家が執筆と編集にあたったものだ。ちなみにビデオゲーム房とは、PlayStationが置いてある店舗のことを指している。

拡大するゲーム市場

同白書によると、2004年の韓国のゲーム全体の市場規模は4兆3156億ウォン(約4315億円)で、3兆9387億ウォン(約3938億円)だった昨年と比べ9.6%の成長を見せている。韓国で人気の高いオンラインゲームは、市場規模1兆186億ウォン(約1018億6000万円)で、7541億ウォン(約754億円)だった昨年から35.1%の急成長を見せている。この傾向は今後も継続して続き、2007年までに毎年20%以上の成長を見せると同白書では分析している。このほか1617億ウォン(約161億7000万円)のモバイルゲーム市場が1458億ウォン(約145億円)だった昨年より10.9%成長した以外は、ビデオゲーム、PCゲーム(オフライン)、アーケードゲームともにマイナス成長となっている。

パソコンや携帯電話さえあれば自宅でもプレイできるオンラインゲームおよびモバイルゲーム市場の拡大は、各ゲームセンターにも直接影響を及ぼしているようだ。市場規模が583億ウォン(約58億3000万円)のビデオゲーム房と、1兆6772億ウォン(約1677億2000万円)のPC房の成長率はそれぞれ-10.3%、-0.8%と規模を縮小している。一方、ゲームセンターに行かなければできないアーケードゲーム市場は9351億ウォン(約935億1000万円)と、42.9%の拡大を見せている。

こうした結果に対し、韓国ゲーム産業開発院担当者は「韓国ではオンラインゲーム市場はもともと大きいが、家庭にもブロードバンドや高性能パソコンが普及したため、わざわざPC房に行く理由がなくなってしまった。またユーザがPC房に滞留する時間も短くなっている。そのためPC房では、1時間あたりの料金を値下げするなどして客を呼び込もうとしているが、時間商売のため状況は苦しいようだ。さらにPC房の数が飽和状態に達したため、淘汰されている状況であるとも言える」と分析している。

日本への輸出も目立つ、ゲーム輸出入の規模

ゲーム産業輸出規模は、毎年増加傾向だ。2004年は3億8769万ドルで、昨年の1億7274万ドルに比べ倍以上に拡大した。輸入も同様に増加しており、昨年の1億6645万ドルに対し、2億510万ドルを記録している。輸出ゲームのジャンルでは、2億9050万ドルのオンラインゲームが大部分を占めており、逆に輸入では1億1312万ドルのビデオゲームが半分弱を占めている。

重要輸出地域としては、中国(39.5%)、日本(24.9%)、台湾(17.9%)の順で構成されており、昨年50%を占めていた中国への輸出は減っており、中国1国だけへの集中から、中国・日本・台湾が3大輸出相手国という状態に変わってきている。日本では以前と比べ韓国産のオンラインゲームをよく目にするようになったが、それが今回の数値に現れているといえるだろう。

業界はオンライン、モバイルゲームに注力傾向

2005年2月時点で韓国ゲーム製作協会に登録されていた企業数を見てみると、ゲームメーカーは2567社で、昨年の2059社より508社増えている。これらの企業が注力しているプラットフォームの比重は、オンラインゲームが43.1%ともっとも多く、続いて30.9%の携帯電話用ゲーム、16.4%のアーケードゲームと続く結果となっている。さまざまな3Dゲーム対応端末が発表され、キャリアが3Dゲームサービスを開始している、今の韓国の状況を考えると、今後、韓国市場で携帯電話用ゲームがさらに活発になるとも考えられる。

韓国ゲーマーの実態は

韓国のゲームユーザの姿も浮き彫りとなっている。以下は同開発院が今年3月に、9歳から49歳までの人1500名を対象に行った調査から明らかになったものだ。調査によると、平均ゲーム利用時間でもっとも多かったのは28.1%の1~2時間未満で、次いで30分~1時間未満(26.5%)、2~3時間未満(16.4%)となっている。好んで利用するプラットフォームは、オンラインゲームが68.3%を占め1位、2位にPCゲーム(18.7%)が続く。残りは携帯電話・携帯用ゲーム(6.6%)、ビデオゲーム(4.6%)、アーケード(1.9%)とそれぞれ1割以下にとどまっている状態で、韓国市場ではパソコンを利用したゲームが不動の強さを誇っていることがわかる。

好きなゲームのジャンルを男女比で見てみると、男性がもっとも好むのは戦略シミュレーションゲームで、28.7%を獲得している(女性は6.5%)。男性にはロールプレイングも人気が高く、女性13.3%に対して男性27%という結果が出ている。一方、女性がもっとも好むのはオンライン上でのボードゲームで、男性20.8%に対し、女性55.9%を占めているほか、経営や育成ゲームも割合人気で、女性7.7%、男性1.4%という結果が出ている。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

    人気記事

    一覧

    イチオシ記事

    新着記事

    特別企画

    一覧