欧州議会(European Parliament)は7月6日(現地時間)、欧州連合(European Union:EU)諸国でソフトウェア特許を認めるかの投票を行い、729議席のうち648の有効票で同特許を認める法案を否決したと発表した。「Computer-Implemented Inventions(コンピュータを使った発明)に対する特許」と定義された同法案は、立法化を目指す議会とFFII(Foundation for a Free Information Infrastructure)に代表される各種ロビー団体とのたびたびの衝突もあり、採決や修正を繰り返しながら、状況が二転三転していた。今回の決定で、3年近くにもおよぶソフトウェア特許の議論に一応の終止符が打たれた形になる。
ソフトウェア特許とは、特許法で保護される発明の適用対象として、コンピュータ上のソフトウェアまでを含めることを目的に、立法化が進められていたものである。これにより、コンピュータ上で動作するプログラムや、そのアルゴリズムといったものが特許として認められるようになる。米国などではビジネスモデル特許などとともに、すでにこうしたソフトウェア保護を目的とした特許が認められており、それに続く形で欧州でも立法化が進められており、その成り行きが注目されていた。
ソフトウェア特許が有効になると、開発したプログラム資産が保護されるようになる一方で、公正な競争が阻害される要因になるとして、プログラム開発者などを中心にした民間団体が立法化阻止を狙って大規模な反対運動を展開していた。特に、大企業が大資本をバックに大量に特許を申請することで、中小ソフトウェアや個人プログラマなどがソフトウェア特許の被攻撃対象となる可能性が指摘されている。また有形の発明とは異なり、ソフトウェアやそのアイデアに関する特許は審査の基準もあいまいで、悪名高いAmazon.comの「ワンクリック特許」のように、適用範囲が無限に広がってしまうような特許が審査を通過してしまう恐れもある。
こうした理由もあり、一時採決されたソフトウェア特許法案は度重なる民間団体の反対運動を受け、何度も修正と採決を繰り返しながら議論が重ねられてきた。今回、同法案をEU諸国で有効にするための指令(Derective)が反対多数で否決されたことで、3年にもおよぶ議論はいったん収束した形となる。同様の議論は1990年代にも行われており、やはり民間団体の反対運動で採択が中止となった前例がある。今後また、近い将来に議論が再燃する可能性があるだろう。
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