小型で高速なオープンソースのJava仮想マシン SableVM 1.12公開

    杉山貴章  [2005/07/07]

    SableVMプロジェクトは4日、オープンソースのJava仮想マシンであるSableVMのバージョン1.12をリリースした。SableVMはJava仮想マシン仕様第二版をC言語で実装したバイトコード・インタプリタであり、LGPL(GNU Lesser General Public License)のもとで公開されている。SableVMの特徴は、双方向オブジェクトレイアウトやスピンロックの無い弱いロックなどといった新しい技術を導入することで、効率が良く、小型で高速なJava実行環境を実現している点にある。クラスライブラリとしてはGNU Classpathの修正版を使用している。

    今回のリリースでは、SableVM SDKと呼ばれる開発キットが発表された。SableVM SDKはJavaプログラムの開発環境をセットにしたいわばJDKのSable版のようなもので、次のコンテンツから構成される(括弧内は対応するjavaコマンド)。

    • SableVM: Java仮想マシン(java)
    • jikes: Javaコンパイラ(javac)
    • gjdoc: JavaDoc生成ツール(javadoc)
    • fastjar: Jarアーカイバ(jar)
    • cp-tools: その他の補助ツール(javap, javahなど)

    VM本体であるSableVMはSDKに含まれるが、それ自身も1.12にバージョンアップしたことで主に次のような修正が加えられている。

    • ソースへlibffiとlibpoptを追加
    • GNU Classpathを0.16にアップデート
    • AIXをサポート
    • Cygwinをサポート(ただしSableVMのみでSDKは未対応)
    • その他、様々なバグを修正

    SableVMはC言語で記述されているため多くのUNIX環境およびCygwin環境上で使用できる。今回Sable SDKがリリースされたことで、ユーザにとってより使い易いツールになったと言えるだろう。

    J2SEのオープンソース実装を目指したApache Harmonyプロジェクトの提唱に代表されるように、最近ではJava言語におけるコアな部分を完全なオープンソースで実装しようという動きが再び活発になってきている。すでに十分な実績を持つSableVMはその代表的な存在の一つであると言えるだろう。

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