P2Pソフト開発会社は責任を有する - Grokster裁判で米最高裁が判決

      [2005/06/29]

    米連邦最高裁判所は27日(現地時間)、米映画製作会社METRO-GOLDWYN-MAYER(MGM)とP2Pソフトウェアを配布する米Groksterとの間で争われていた訴訟に判決を出した。Groksterは、同社が配布するソフトウェアのユーザが著作権を侵害していることを知りながらも、同ソフトの配布を続けていたとされており、最高裁はGroksterの責任を認める判決を下した。実際に著作権を侵害したユーザに対してではなく、ソフトウェアを配布している会社に責任を求める判決が下ったことで、各界に様々な波紋を呼んでいる。

    最高裁は、Groksterがユーザから著作物のダウンロードに関する質問メールを受け取り、回答と手引きを行っていたことを指摘、Groksterは著作権侵害を直接確認していたとした。また、同社がP2Pソフトウェアの配布を開始した時には、社内関係者が著作物のダウンロードを薦める内容の告知をし、著作権侵害を誘導した証拠もあるとした。

    この訴訟は、私的録画をめぐり、ソニーとウォルト・ディズニー、ユニバーサル・スタジオの間で争われた、いわゆる「ベータマックス訴訟」と並べて語られることが多い。ソニーが発売したベータマックス方式の家庭用ビデオを使用し、ユーザがウォルト・ディズニー、ユニバーサル・スタジオのTV番組を録画することは、著作権の侵害にあたるとして争われた裁判だ。同訴訟では、ソニーが直接的に複製権を侵害していないとしても、ユーザが複製権を侵害していることを知りながら販売を続けるのは違法だ、との原告側の主張に対し、著作権を侵害しない利用法がある限り技術そのものを禁止することはできないとして、ソニーが勝訴している。しかしながら、今回最高裁が明らかにした判決では、著作権を侵害していない使用を示す証拠があったとしても、侵害を促進するような声明や振る舞いが見られるならば、責任を有するということになる、と米大手の知的財産法律事務所の1つ、Brinks Hofer Gilson & LioneでCopyright Practice Group長 を務めるJosephV. Norvell氏は指摘している。

    この判決は各界に衝撃を与えている。音楽産業や映画産業の関係者は、米報道機関に対して、今回の判決に賛同する意をコメントしているが、IT産業に従事する人々は、この判決によって技術革新が先送りにされるのではないか、と懸念する声を上げているようだ。

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