米eBay、中小企業向けのショッピングサイト立ち上げ支援サービス開始

    Junya Suzuki  [2005/06/26]

    世界最大のオンライン取引サイトを運営するeBayは6月23日(現地時間)、中小企業や個人商店などが、簡単に独自のショッピングモールを持つための支援サービス「ProStores」を開始したと発表した。同サービスの利用で、カテゴリなどのカスタマイズや独自ドメインを使った個人インターネット商店の運営が容易になる。もともとはオークションサイトとしてスタートしたeBayだが、最近では同サービスの利用者に対して大々的に商品を売り出す個人や中小企業が多数登場しており、そうした需要をさらに取り込むための戦略だと思われる。

    eBayのProStoresは、店賃や手数料を徴収する楽天などのビジネスモデルに近い。eBayでは4種類のサービス・パッケージを用意しており、月額6.95ドルからビジネスをスタートできる。手数料として販売額の0.5~1.5%を徴収するが、代わりにセキュアなショッピングカート・システムのほか、大手発送業者などによる代行発送サービスも利用できる。そのほか、2005年10月3日までに同サービスを申し込んだユーザーには、2006年1月1日まで手数料が無料になる特典がある。

    また同日、eBayが「PowerSeller」と呼ぶ同社サイト上で大量の商品を取り扱っているユーザー向けに、「Reseller Marketplace」という新サービスも発表している。Reseller Marketplaceでは、メーカーが過剰在庫や整理商品、修理品などを持ち込むことで、PowerSellerのようなユーザーが安く商品を大量に仕入れることが可能になる。eBayでは、比較的ライトユーザー向けのProStoresと、ヘビーユーザー向けのReseller Marketplaceの両方のサービスを提供することで、幅広い層の取り込みを狙っている。

    オンラインオークションをビジネスの根源とするeBayは、現在米国においてこの種のオンライン商取引サイトを運営する企業としては最大規模のものになりつつある。決済代行を行う米PayPalのサービスとあわせ、多くのユーザーがeBayを利用している。eBay自身も業容の拡大に努めており、直近では6月1日に大手価格比較サイトのShopping.comを買収した。また既存ユーザーに対するサイト利用のてこ入れ策として、eBay Universityのように販売ノウハウを提供する教育コースを用意したり、eBayやPayPalを使ったアプリケーション開発支援のためのプログラムを立ち上げている。さらに顕在化するフィッシング(Phishing)のようなオンライン詐欺行為に対抗するため、Microsoft、PayPal、Visaなどと共同でWholeSecurityが運営するPhish Report Networkというフィッシング対策の取り組みにも参加している。

    順風満帆に見えるeBayだが、強力なライバルの登場が顕在化しつつある。通信社の米ReutersやNew York Timesなど複数の媒体の報道によれば、米Googleがオンライン決済システム開発に取り組んでいることを、同社CEOのEric Schmidt氏が認めたとしている。Googleでは現在、AdSenseやAdWordsによる広告表示システム経由のみでその売上を得ているが、独自の決済システムを持つことで、個々のユーザーを相手にした小額決済の有料サービスの提供も可能になる。Googleは検索以外のサービスの可能性を模索しており、近い将来にeBayやPayPalなどの事業者と競合することも考えられる。

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