安いだけで買わない!? 携帯電話の新興市場にもブランド・性能など重視志向

湯木進悟  [2005/06/15]

フィンランドのNokiaは、今後のさらなる携帯電話普及が予測される新興市場諸国におけるユーザー意識などを分析調査した最新レポートの発表を行った。価格よりもブランドイメージや利用性能を重視する傾向が強まっているようだが、依然として携帯電話の高い利用料金が普及への大きな障壁となっている様子も浮き彫りになった。

同社は、南アメリカ、東南アジア、アフリカ、中東、中央ヨーロッパ、東ヨーロッパ地域の携帯電話市場を、急速に伸びている「New Growth Markets」と位置づけて、今後の利用拡大に注力する戦略を掲げているようだ。今回のレポートは、調査会社のSynovateが、昨年9~11月にかけて、ウクライナ/ロシア/インド/インドネシア/アルゼンチンの都市部で生活する8,000名以上の男女を対象に実施したアンケート調査に基づくとされ、週明けにフィンランドの首都ヘルシンキで開催された「Nokia Connection 2005」展示会にて発表されたという。

同レポートによれば、調査対象となった5カ国で現在提供されている携帯電話サービスに対する顧客満足度は高く、インドおよびインドネシアでは、現状に満足しているとの回答が全体の9割を上回ったとされている。どの携帯電話会社が提供するサービスを利用するか、その選択の基準となったポイントとしては、利用料金の安さよりも、電波状況の良さなど、快適な通話環境や音質を重視するとの回答が最も多くなったという。また、携帯電話機の選択基準としても、低価格であることより、メーカーブランド、電話機本体の性能などを重視するとの回答が多かったとされる。

一方、今後の収益性の確保としては、引き続き音声通話の利用増が最有力とされているものの、コンテンツサービスの利用者も徐々に伸びてくると見られている。国ごとに興味深い違いも出ているようで、ロシアでは天気予報、インドではスポーツ、インドネシアではゲーム、アルゼンチンではニュースに関する携帯電話コンテンツが、それぞれ最も人気を集めているという。

同社ネットワーク部門の上級副社長を務めるWalid Moneimne博士は「一般的な予測とは裏腹に、New Growth Marketsにおけるユーザーは、携帯電話サービスに対して、非常に早い時期から高いクオリティを求める傾向が明らかになっている。低価格で利用できることは重要な条件となるものの、携帯電話のメーカーブランド、デザイン、性能、快適な通話品質が、もっと強力な選択基準として挙げられている」とコメントした。同博士は、New Growth Marketsの急成長が引き金となって、2010年までには世界の携帯電話ユーザー数は30億人を突破するとの予測を出している。

Nokia Connection 2005で発表を行うWalid Moneimne博士

なお、携帯電話を利用していない人の約半数は、高い利用料金ゆえに使えないとあきらめていると答えたとされ、さらなる低価格サービスの実現が、新規ユーザー獲得速度の増大に不可欠な要素ともなっているようだ。

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