耐水・耐衝撃性能を備えた携帯電話として、2000年2月に登場したauのタフネス携帯電話「G'zOne」。その後2001年8月発売の「C452CA」までシリーズは継続したが、折りたたみ型携帯電話のブームに押されて、それ以降新製品はリリースされなくなった。そのG'zOneが4年ぶりに復活した。「新たなる最強伝説が始まる。」という触れ込みだ。
KDDI、沖縄セルラー(au)は、JIS保護等級7相当の耐水性能と、通常の携帯電話よりも優れた耐衝撃性能を備える折りたたみ型携帯電話「G'zOne TYPE-R」(カシオ計算機製)を7月下旬から発売する。「CDMA 1X」対応で、発表されたばかりの新サービス「安心ナビ」も利用可能な高機能端末となる。価格はオープン価格だが、実売価格は現在のCDMA 1X携帯電話よりも高くなる見込み。
G'zOne TYPE-Rは、オンロードからオフロードまで走行できるデュアルパーパスバイクをモチーフにした流線型のデザインを採用。大振りなきょう体は従来のG'zOneのままだが、折りたたみ型になり、液晶と数字キーの大型化を実現した。
2年以上前からプロトタイプを作ってきた、という今回のTYPE-R。折りたたみ型が主流となり、ストレート型の開発中止を余儀なくされたG'zOne開発陣が、折りたたみ型を開発しようとして苦心したのが、ヒンジという可動部に水が入り込むのをどう防ぐか、ということだった。TYPE-Rは、ヒンジへの浸水を防ぐことはあきらめ、ヒンジから液晶部と本体部への浸水を防ぐ仕組みを作り上げ、折りたたみ型ながら耐水性能を持たせることに成功した。
耐衝撃性能を確保するため、ヒンジ部・サブ液晶周りにウレタン素材、メイン液晶側にはマグネシウム合金、バッテリ部には丸型埋め込み式スクリューロックを使用、落下時の衝撃を吸収する自動車のバンパーのような「カスタマイズプロテクター」を装備するなど、従来のG'zOneで培った技術や新機構を取り込んだ。
G'zOneは液晶周りの丸型ベゼルが特徴的だったが、TYPE-Rは背面液晶でそれを継承。デジタル時計4種、アナログ時計1種が用意されて時刻が見やすくなっているほか、側面のモードボタンを押すことで、ストップウォッチ、カウントダウンタイマー、電子コンパスといった機能が利用できる。
KDDIも開発元のカシオも、とにかくデザインへのこだわりを強調する。バイクのDUCATI 749をモチーフとし、タンクやブレーキディスクローターを再現。ボディカラーも、レースのフラッグをテーマにした「グリーンフラッグ」、エンジンの回転数を表す「レッドゾーン」、アスファルトに黒く残るタイヤの跡を意味する「ブラックマーク」と、こだわりのある名付けだ。
各色で異なるボタンキーのLED、多層コート、レーザーマーキングといったように、ひたすら外観に注力。そもそも、「コンセプト中心に設計した。このデザインに入る機能を検討したらCDMA 1Xになった」(同社)というほどだ。auでは現在、2.4Mbpsの高速伝送、ダブル定額対応といった高機能端末としてのWIN端末を強化しているが、今回のTYPE-RのサイズにはWINの機能は納められなかったのだという。
そのほか、待受画面やメニュー画面などを本体デザインと統一させてFlashで表現。自動車のメーターのようなメニュー画面や、通話中やメール送受信時の操作アニメーションが全体で一つのストーリーとして表現されるなど、独特の世界観を構築している。
メイン液晶は約2.2型のQVGA液晶で、本体サイズは約52(W)×104(H)×28(D)mm、約143g。有効画素数128万画素カメラを備えており、カシオ得意の「ベストショット機能」を搭載する。
機能としては、家族などの居場所を簡単に把握できる「安心ナビ」やBREWアプリ、Flash、EZナビウォークなどに対応。登録した相手と簡単に通話やメールができる「ペア機能」、大きな文字で表示する「でか文字」、通話時間やメール送信回数などを制限できる「ティーンズモード機能」、電池残量警告が出た後もメール本文やアドレス帳、スケジュールなどが確認できる「エクステンションモード」、1つのボタンで約80dbのブザー音を鳴らす「ホットブザー」といった豊富な機能を備える。
「デザインは、ネジなどのディテールまでこだわった」とau商品企画本部プロダクト統括部長の酒井清一郎氏。大画面のカラー液晶、大きいキーパッドが望まれ、それを実現する折りたたみ型が主流になる中、耐水・耐衝撃性を実現するためには「(どうしても浸水する)ヒンジがアキレス腱」(酒井氏)だった。ヒンジからほかの部分に水が入り込まないようにゴムパッキンを新たに開発するなど、2年以上の歳月を費やし、ようやく日の目を見たTYPE-R。同社では特殊な、奇をてらった端末ではない、と強調。日常生活(オンロード)からアウトドア・スポーツシーン(オフロード)でも使えることで「利用シーンを広げる」(同社)ための携帯電話だとする。酒井氏は「アウトドア・モータースポーツ志向の人にはたまらない」携帯電話としつつ、オンからオフまでをカバーする「クロスオーバータフ」をコンセプトに、あらゆる層に訴求していきたい考えだ。
なお、TYPE-Rの「R」は、"業界に革命を起こす革命児"として「Revolution」、"タフネスボディのデザインテーマ"として「Racing」の2つが挙げられ、さらに4年ぶりの復活となることから「Revival」も加えたい、と同社は話す。
ちなみにJIS保護等級7相当とは、常温・水道水・静水という条件で水深1mの水槽に静かに本体を沈めて約30分間放置しても、本体内部に浸水せず、通常通りの電話として利用できる耐水レベルだ。耐衝撃性能については具体的な数値はないが、auの内部基準の検査よりも厳しい検査をしている、という。
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