まるでPDAみたいな携帯「M1000」、何ができて、何ができないのか

既報の通り、NTTドコモがビジネスコンシューマ向けFOMA端末「M1000」の開発を発表した。FOMAネットワーク(W-CDMA)に加え、海外で使われているGSM/GPRSも利用可能となっており、海外でも音声通話に加えて、SMSの送受信、データ通信、テレビ電話が可能な「WORLD WING」対応端末の第2弾となる。開発発表のため発売時期は未定だが、6月には発売される見込みで、価格は実売で5万円程度になると見られる。

数字キーなどがばっさりと省かれた"ビジネスFOMA"「M1000」

M1000は、FOMA端末としては独自の位置づけになる。FOMA/GSM/GPRSに加え、無線LAN(IEEE802.11b)、Bluetoothにも対応、さらにPC向けサイトも閲覧できる「Opera 7.5」を搭載しており、Flash Ver.5・JavaScript 1.5を使ったPCサイトもそのまま閲覧できる。また、メールクライアントはPOP/IMAPをサポートし、複数のアカウントを登録できるので、自宅や会社のメールアカウントを登録して利用することも可能だ。

本体下部に通話・終話ボタン、ホームボタン、上部のMotoloraロゴ(スピーカ)の左右にはドライブモードボタン、マナーモードボタン

付属の充電台は大きめ。ちなみにUSBケーブルは端末下部に接続する

本体左右もボタンはシンプル

しかし、iモードには対応せず、iモードサイトの閲覧やiモードメール、iアプリといった従来のサービスが利用できない点が特徴だ。iモードに対応しないため、パケット定額制の「パケ・ホーダイ」は利用できず、FOMAネットワークを使った場合は、料金プラン通りのパケット通信料が必要となる。auは、Operaブラウザを利用した場合のパケット通信料を定額にすることを発表しているが、ドコモ側では、現在のところ定額制の採用はしない方針だ。

契約が急増、絶好調のFOMAだが、携帯電話全体の普及率が高まり、飽和状態になっている、と同社

そのため、新しい方向性を打ち出す必要性がある、として、今回のビジネスFOMAの登場となった

ターゲットは30~40代のITリテラシーが高い層だという

特に強調された「スペシャル機能」はこの5つ

スペシャル機能その1、メール機能。PowerPointやExcelの添付ファイルも表示可能

その2はフルブラウザ。Operaを採用する

機能としては、PDAと携帯電話を融合させたような形で、数字キーはなく、2.9インチ(208×320ドット)透過反射型TFT液晶がタッチパネルとなっており、文字入力や発信の際の電話番号入力もタッチパネルで行う。

文字入力は、50音・ローマ字・携帯電話タイプといったソフトウェアキーボードと手書き文字入力をサポート。手書き認識にはPDAでも採用されているスウェーデンのDecumaを採用、明言はされなかったが、かな漢字変換にはWnnが使用されている模様だ。入力した文節の次の文節を予測する予測変換機能も備えている。

日本語入力(ローマ字)

こちらは携帯電話風

手書き入力はDecumaを採用。認識精度は良好な印象だった

スケジューラ、ToDo、アドレス帳、メールは、PCのOutlook、Lotus Organizerと同期が可能で、メールのみ、Outlook Expressと同期させることもできる。同期は、PCとUSBで接続、モトローラ製の同期ソフトを起動して行う。

スケジューラ。写真左は月間表示、右は1日表示

PCと同期を行う。携帯側で「Desktop Suite」を起動

接続ボタンを押すとPCと接続する。自動で接続することはない

接続中……

PCと同期が終了。画面上部のアプリケーションがPC版のDesktop Suite

さらにWMV/MPEG-4の動画が再生可能で、本体を横にして大画面を生かした視聴も可能。音楽ファイルはMP3/WMA/AACをサポート、着信メロディとして設定することもできる。

ムービーを表示


これは音楽プレイヤー。MP3のIDタグなども認識できる

ちなみに、AAC対応ということで、iTunesと連携するiTunes携帯としての利用が期待されるところだが、ドコモによれば、Outlookなどと連携する機能以外のファイルは、別アプリケーションを作成しても同期することはできない、ということだった。同様に、音楽配信サイトからダウンロードするなどしたDRM(著作権保護機能)付きの音楽ファイルの再生についても「できないと思っていただいた方がいい」(同社)。外部メモリには、SanDiskの超小型カード「TransFlash」を採用、スケジュールなどのデータ以外はこれを使うことになりそうだ。

フルブラウザのOperaはバージョン7.5を搭載、Flash、JavaScriptを使ったサイトを閲覧することも可能だ。PCサイトを携帯電話の画面に最適にレンダリングし直したり、拡大縮小して表示したり、端末を横向きにして表示するなど、さまざまな表示方法が可能なほか、タブ形式での閲覧も行える。


フルブラウザのOpera。表示精度は高い。ブラウザ左下にタブが表示されている

ズームは10%刻みで選択できる

ズームで20%まで縮小。さすがに文字は全く読めないが、全体の雰囲気は分かる

画面を横にして表示できる。全画面表示も可能だ

メール機能では、POP/IMAPに対応し、さらに添付ファイルの閲覧も可能。ビジネスでよく使われるMicrosoft Word/Excel/PowerPoint、PDF、HTML、MHTML、JPEG、PNG、GIF、BMP、WMF、TXT、ZIPが表示できる。同日発表のインターネット接続サービス「mopera U」を使えば、メールを自動受信することも可能だ。

無線LANは、同社のMzoneなどの公衆無線LANサービスを利用できるほか、もちろん自宅や会社などに設置された無線LANを使ってネットワークにアクセスすることもできる。海外ローミングにも対応しており、iPassなどの海外の公衆無線LANサービスも使える。

海外では、音声通話、テレビ電話、データ通信、SMSが使える国際ローミング「WORLD WING」に対応、その国に最適なネットワークに自動で切り替わる。

Bluetoothはバージョン1.1をサポート。GAP/GOEP/OP/SPP/DUN/HSP/SDAP/HFPの各プロファイルに対応しており、Bluetoothヘッドセット、ノートPC/PDAを使ったダイヤルアップ接続、プリンタでの印刷などがワイヤレスで利用できる。またUSBポートも備えており、バージョンは2.0。USB・Bluetoothキーボードが利用できるかどうかについては、ドコモも「不明」との答えだった。USBは、マスストレージクラスには対応しないそうだ。

OSにはSymbian OS 7.0を搭載。C++、Java MIDP 2.0で開発されたアプリケーションをサポートしており、アドインソフトとしていろいろなアプリケーションを導入できる。モトローラ側がSDK(開発環境)を無償配布する予定。

M1000は、アプリケーション用に最大19MBのメモリを備え、アプリケーションの同時起動、アプリケーション間の連携も可能だ。ドコモでは「M1000活用サイト」(仮称)を公開してアプリケーション開発をサポートするほか、作成したアプリケーションは、個人が自由に配布、ダウンロードして使うこともできるそうだ。

そのほか、ウイルスをチェックするマカフィー「セキュリティスキャン Light」を搭載、ウイルス定義ファイルの更新は手動だが、更新はパケット通信料も不要だという。データの同期、フルバックアップ、設定リセット、初期化といった機能に加え、端末を落としたときなどのために、遠隔から端末の使用をロックしたり、データを消去したり、といったことも可能だ。

ドコモは、今回のM1000を、ビジネスユース、プライベートユース、いずれに対しても訴求を図る考えだが、特に法人向けに注力する方針で、「ビジネスFOMA」とのキャッチコピーを提示する。

C++/Javaでアプリケーションを開発できることから、業務アプリケーションとの連携も考えられ、実際、すでに日本IBM、富士通、オラクル、NECなど13社のSI事業者がM1000向けにアプリケーションを開発、提供する予定だという。ドコモでは、M1000によって、モバイルソリューションプラットフォームが提供できるとしている。

M1000の投入を受けて、6月から開始するのがFOMA向けのモバイルインターネット接続サービス「mopera U」だ。FOMA網を使ったインターネット接続に加え、Mzone、NTT東西のフレッツ回線が利用可能なサービスだ。迷惑メール対策やメール自動受信、Webメールなどのメールサービス、Webのデータ量を圧縮する「圧縮・高速化」、パケットフィルタリング、ウイルスチェック、有害サイトブロックなどのセキュリティ機能も提供される。

「Uスタンダードプラン」は、月額525円でFOMAのインターネット接続機能を提供、さらにU「公衆無線LAN」コース、U「Bフレッツ」コースがそれぞれ月額525円。U「フレッツ・ADSL」コースが月額315円、メールウイルスチェックが月額157.5円、などとなっている。

M1000の主なスペック

通信方式W-CDMA、GSM/GPRS、無線LAN(802.11b)
OSSymbian OS 7.0/UIQ 2.1
サイズ117×59.5×21.5mm
質量約168g(スタイラス含む)
音声通話時間(W-CDMA)約120分
テレビ電話通話時間(W-CDMA)約80分
待受時間(W-CDMA)約200(静止時)/約110(移動時)時間
音声通話時間(GSM)約280分
待受時間(GSM)約200時間
ディスプレイ約2.9インチ(208×320ドット) 透過反射型TFT液晶65536色
カメラ背面:有効画素数131万画素CMOSカメラ、正面:有効画素数31万画素CMOSカメラ
入力インタフェースタッチパネル with Haptics
外部インタフェースUSB2.0、Bluetooth 1.1
メーラSMS、インターネットメーラ(POP3、IMAP/SMTP、ファイル添付、PUSH対応)
ブラウザOpera 7.5
電子辞書国語4万2000語、英和6万5000語、和英3万6000語
VPNIPsec VPN(movian VPN 4.0)

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