企業が使うオフィス製品は、現在マイクロソフトのMicrosoft Officeが最大のシェアを確保している。しかしMS Officeは、もっとも高額なパッケージだと5万円を超え、他の製品に比べて高い、使わない機能が多すぎる、などといった問題点を挙げるユーザーも存在している。そんな中、最近は、オープンソースで開発される「OpenOffice.org」が登場、企業ユーザーにおいても、MS OfficeとOpenOffice.org、どちらを使うべきか迷っている場合もあるだろう。
マイクロソフトは、OSのLinuxやWebブラウザのFirefox、そしてオフィススイートのOpenOffice.orgなどといったオープンソースソフトウェアの台頭で、それらに対抗することを余儀なくされており、オープンソースソフトウェアに比べて、同社製品にどういったメリットがあるかを繰り返し訴えている。
今回マイクロソフトは、報道関係者向けにOffice製品の企業ユーザーに対するメリットなどを説明、オープンソースソフトウェアへの優位点を訴えた。今回は製品の機能ではなく、MS Officeからの乗り換えにおいて、どういったコストとリスクが存在するか、といった点が説明された。
MS Officeは高いか--。そんな問いに対して同社は、ライセンス価格は必要なコストの一部だと主張する。コストには、(1)移行にかかるコスト(2)サポートコスト(3)トレーニングコスト(4)管理・障害時の対処・メンテナンスにかかるコスト--の4点がある、と同社。さらにリスクも考慮に入れる必要があり、互換性・再現性の問題、企業内ユーザーの再教育、企業内サポートの負荷増大--といったリスクが考えられるという。
具体的には、今までMS Officeを使ってきた企業で、ライセンス価格が無料のOpenOffice.orgに移行しようとした場合、ライセンス価格自体は無料であっても、「メニューが1つ変わっただけでユーザーは迷う」(同社)ため、ソフトを新しくすると、使い方などを教育し直さなければならず、結局そのためのコストが増大する、というのが同社の主張だ。
何らかの障害が起きたときに、それに対処するためのコストについても、同社は十数年来Office製品を提供し続けてきた実績と、Web上の30万件以上の技術情報や高い顧客満足度を得ているサポートなど、「必要なサポートをいつでも提供」(同)している点を強調する。
互換性・再現性の問題について、今回同社は、MS Officeで作られたファイルをOpenOffice.org 2.0のベータ版で開き、さらにMS Office形式で保存した場合の見え方の違いをデモ。デモでは、一部の表現に問題が生じており、それ自体は大きな問題ではないものの、特に日本ユーザーは「(見え方が)90%同じでもダメで、100%同じでないと納得しない」(同社)ことから、移行の際にはそれを手で修正する必要などがあり、やはりコストがかかる、とする。なお、ファイルの互換性について同社では、たとえばWordではWord文書をXML形式で保存するためのWordMLの仕様を公開しており、それを使えば同じ見た目で表現できる、としている。
一般的にIT投資の効果は、コストを抑えて生産性が向上するのが理想とされる。同社は、「もう生産性は大して上がらず、飽和してしまっている。コストはかからない方がいい」と考えてオープンソースソフトウェアを検討している人がいると指摘し、ライセンス価格だけで選ぶべきではないと主張する。
そのほか、Office Updateによる簡単な更新プログラムの提供、Windows XP SP2などに代表されるセキュリティの強化、クラッシュ時のエラー報告や自動回復機能、年間5,000億円にも上る研究開発費の投入などがMS Officeの優位点として挙げられた。ちなみに同社によれば、クラッシュ時のエラー報告を集計した結果、1つのアプリケーションにおけるクラッシュを分類すると、報告されたクラッシュの上位1%が、全クラッシュの半数を占めているそうだ。これはだいたいどのアプリケーションでも共通で、同社はこのデータを、アプリケーションを開発するパートナーに提供している。
また、同社は日本語入力や日本語編集機能、ワープロ文化に受け入れられる操作性の実現といった日本市場のニーズに合う製品や機能の開発を、長年日本人開発スタッフが担当してきた点も強みとして示す。
同社では、こうした優位点や移行に伴うコストなどを、移行を検討している顧客に提示し、顧客が同社製品を選択するよう促している、という。
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