東芝、1分で80%、数分で満充電の新型充電池を開発

      [2005/03/29]

    今回発表された新型充電池の試作品。大きさは3.8×62×35mmで、容量は600mAh

    東芝は29日、容量の80%を1分間で充電できるという新型充電池を開発したと発表した。リチウムイオン電池の負極材料を改良したことで、急速充電性能を高めたほか、さまざまな特性を向上させた。産業用途向け電池として2006年中の製品化を目指す。

    発表された新型充電池は、正極材料にリチウム化合物を利用するリチウムイオン電池の技術をベースとしているが、負極材料に新材料のナノ微粒子を採用して急速充電性能を向上、1分間で電池容量の80%、その後数分で満充電に達することが可能だという。従来のリチウムイオン電池では、電解液の劣化や電極の膨脹が発生するため、同様の急速充電は不可能だった。

    現在、リチウムイオン電池の負極には主に炭素系の材料が使われているのに対し、今回の電池では、詳細は明らかにされていないが金属系の新材料が使用されているという。新材料のナノ微粒子を均一に固定する技術を新開発したことで、初めてその材料を充電池の電極として利用することが可能になったとしている。

    また、試作したラミネート型電池(600mAh)を利用して行った急速充電サイクル評価では、1,000サイクルの充放電後の容量低下は1%と、繰り返し使用しても性能の劣化が少ないことが確認されたという。この試験は10Cレート充電、放電深度100%という比較的厳しい条件で行っているため、充放電が緩やかな用途の場合、さらに長寿命を実現できる可能性もあるとしている。そのほか、マイナス40℃の環境でも室温(25℃)時の80%の放電容量を維持可能で、低温環境での使用にも適しているという。

    同社では電力・産業向けの応用製品を開発する予定で、具体的には、回生性能の高さを活かした電気自動車や電車などの電源としての利用が考えられる。現在のところ、新型充電池の体積エネルギー密度は1リットルあたり150~250Whで、最近の大容量リチウムイオン電池に比べると小さい。そのため、小型・大容量を要求されるモバイル機器向けの応用は当面本格化しない模様だが、携帯電話やノートPCなどでも高速充電に対する需要は高いと考えられるため、将来の応用分野としては視野に入れていくという。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン