携帯電話に不具合があった場合の端末交換時に、すでに購入済みの有料コンテンツが引き継げず、補償もされないことは納得できない、などと国民生活センターに寄せられた相談に対し、同センターの消費者苦情処理専門委員会小委員会は、携帯電話事業者に損害を賠償する責任があるとする助言を取りまとめた。キャリアは約款で、そうした場合の補償の免責を主張しているが、同委員会は、消費者契約法に抵触し、免責条項は無効としている。
今回の助言は、(1)携帯電話端末に不具合があった場合、キャリアは修理・交換する義務がある(2)著作権法で守られたコンテンツを、たとえ端末の交換であってもキャリアが勝手に引き継ぐことはできない(3)有料コンテンツは、著作権保護機能により消費者はバックアップなどができない--という前提でまとめられている。
報告では、不具合による端末交換で有料コンテンツを失うという損害を被った場合、キャリアの債務不履行(不完全履行)または民法第709条の不法行為にもとづく損害賠償請求が可能、と指摘。
また、多くのキャリアは契約約款で、端末交換などに伴うデータ損失についての免責を定めているが、今回の報告では、この免責条項が消費者契約法に照らし合わせて無効だと判断した。
その結果として、報告では、賠償額について、コンテンツを取得するために支払った情報料とパケット通信料が必要としている。
今回の問題は、著作権保護の観点から、有料コンテンツを消費者がバックアップなどをすることができず、著作権法上は、キャリアが勝手にコンテンツを引き継ぐこともできないことで発生している問題だ。
報告では、キャリアがコンテンツを引き継ぐことは、(1)消費者自身がコンテンツのバックアップを行い、そのうえで移し替えることは著作権法の私的複製と見られる(2)消費者には、コンテンツのバックアップが技術的にできないので、キャリアが引き継ぎを行うことは、消費者の権利行使の代行にすぎない--といった考え方を展開し、キャリアによる引き継ぎは著作権法上許される行為であると結論づける。
ただし、報告では、今回の問題のような場合はキャリアによる引き継ぎを認めるよう、著作権法の改正を求めており、同センターでも、改正に向けた情報の1つとして文化庁に今回の報告を提出している。著作権法改正については、日本知的財産協会、情報通信ネットワーク産業協会も要望を出しており、今後の動向が注目される。
なお、キャリアの約款における免責条項については消費者契約法に抵触する、として、同センターでは業界団体に対して各キャリアの約款の改定を要望、すでに一部のキャリアはそれに従った取り組みを始めているという。
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