米国からアジアの映画館へ、デジタルシネマをスピード配給する環境整備中

湯木進悟  [2005/03/16]

シンガポール情報通信開発庁(IDA: Infocomm Development Authority)は、米国からアジア各地の映画館に、光ファイバーなどのブロードバンド回線を利用してデジタルコンテンツを配給する「Cross-Continent Digital Content Transmission(CCTx)」プロジェクトのパイロット実験に成功したことを明らかにした。

IDAは、業界団体のシンガポールIT連盟(SiTF: Singapore infocomm Technology Federation)において、デジタルメディアとブロードバンド技術の普及を目指すDigital Media Chapter(DMC)と、南カリフォルニア大学(USC: University of Southern California)のエンターテインメント工学センター(ETC: Entertainment Technology Center)の協力を得て、官民一体で同プロジェクトを進めているとされ、今回の発表は、現在米国ラスベガスで開催中のShoWest 2005において行われた。

Thomson Technicolor、GlobeCast、StarHub、Dell、Texas Instrumentsなどのメーカーが技術提供などを行ったとされるパイロット実験では、米国ロサンゼルスよりシンガポールの1-Net Data Centreへと、光ファイバー回線などを利用して、実際に「Elektra」「The SpongeBob SquarePants Movie」「StarWars Episode 3」の3本のデジタルシネマを配給することに成功したという。配信されたデジタルシネマのファイルサイズは合計3.3GBに上り、配給先のシンガポール国内でスムーズに上映することができたようだ。

ETCのCEOであるCharles S. Swartz氏は「世界的にデジタルシネマを普及させていく上で、CCTxのような配給システムを国際的に確立することが重要になってくる」とコメントして、まずはロサンゼルス-シンガポール間でデジタル配信に成功したことの意義を強調した。DMC会長のPak Lum Mock氏は「今後もパートナーシップの拡大によって、アジア各地にビジネスチャンスを広げていきたい」と語っている。

今後の方針としては、より多彩なコンテンツをCCTxで配給して、字幕翻訳などのサービスにも対応させることで、アジア各地の映画館に、低価格かつスピーディなデジタルシネマ配信を行える環境の整備が目指されるという。

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