楽天、カード事業を本格化、国内信販を買収

大川淳  [2005/03/10]

左から、楽天の三木谷浩史会長、国内信販の中村欣治社長、みずほコーポレート銀行の斉藤宏頭取

楽天は、クレジットカード「KCカード」を発行する総合信販会社の国内信販を子会社化、カード事業に本格参入する。電子商店街・楽天市場を活かした独自カードを発行、ショッピングクレジット、カードローン事業などを推進する。同社は、国内信販の発行済み普通株式の55.5%を、6月1日をめどに総額120億円程度で買収するとともに、国内信販の議決権を100%保有する持株会社ケイ・シーホールディングスの、第三者割当による優先株式45億円を引き受ける意向だ。

国内信販は10月に「楽天KC」に社名を改め、「楽天市場」、総合旅行サイト「楽天トラベル」などの決済手数料収入を見込み、ショッピングクレジット機能の導入、東北楽天ゴールデンイーグルス(楽天イーグルス)や、ヴィッセル神戸などのファンクラブ会員を対象としたクレジットカード機能付き会員カードの発行、会員向けの多様な金融サービスの提供など、楽天グループのさまざまなサービスと連動した金融事業を展開する。

今回の国内信販買収により、楽天は、ネットショッピングとクレジットカードの連携を深める。たとえば、独自カードを使用すればポイントを2倍にする、などといった施策が考えられる。同社の三木谷浩史社長は「昨年、プロ野球に新規参入できたことにより、楽天のブランドが浸透した。国内信販の良さを残しつつ、インターネットという新しい領域とブランド力を活用し、国内有数のクレジット会社にしていきたい」と述べている。

楽天市場のほか、旅行関連サービスなど、グループ全体の取扱高の累計は、2004年で3,000億円を超えており、電子商取引と親和性が高く、さまざまな収益につながるクレジットカードの本格展開は、今まで同社の課題だった。2004年8月からは、三井住友カードとの提携による「楽天カード」を投入、発行枚数は13万枚に達している。

一方、国内信販は現行、九州地区が主力ながら、カード発行枚数は164万枚、取扱高は5,597億円の実績(いずれも2004年3月期)をもっている。ここで自前のカードを用意することにより、グループ内の各種サービスとの相乗効果を向上させ、金融関連事業のいっそう強化を図る。「楽天カード」の位置づけは、今後、三井住友カードとの協議により決める。

国内信販は、資本基盤の充実化と事業範囲の全国化を目指し、昨年後半から、外資系を含め、数社を念頭に提携を検討しており、カード事業推進を模索していた楽天とも思惑が一致した。国内信販のメインバンクであるみずほコーポレート銀行の斉藤宏頭取は「両社の提携で業務が広がる。みずほグループとしても喜ばしい」と語った。

「楽天KC」は、来年に株式上場を目指す方針で、楽天の三木谷社長が会長に、国内信販の中村欣治社長、楽天の国重惇史常務・楽天証券社長が副会長に、国内信販の関榮一副社長が社長に就任する。

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