将来はHDDを置き換え? SanDisk、世界最速メモリカード、MP3プレイヤーなど

米SanDiskは、業界最速のデータ書き込み速度を実現したメモリカード「SanDisk Extreme III」や同社初の携帯型オーディオプレイヤー「Digital Audio Player(DAP)」「SanDisk Sansa e100」などの新製品を発売する。全て3~5月にかけて発売し、価格はいずれもオープンプライス。

創業者のEli Harari氏

SanDiskの製品群

世界最速メモリカード

メモリカードの新製品「SanDisk Extreme III」は、コンパクトフラッシュ(CF)とSDメモリーカード、メモリースティックPRO(MS)の3種類が用意され、CFとSDでは20MB/s以上、MSでは18MB/s以上の書き込み・読み込み速度を実現。セ氏マイナス25度から85度までの条件でも動作する。同社のCEO兼創業者のEli Harari氏は「サハラ砂漠でも南極でも」と表現、過酷な状況でもカードが動作することを強調する。

過酷な気温下でも使用できるExtreme IIIシリーズ。データリカバリツール、トラベルケースが付属する

Extreme IIIの高速化の肝「ESP技術」

カメラメーカー関係者によれば、デジタルカメラの動作保証温度が0度以上なのは、メモリカードがそれ以下の温度下での動作保証をしていないから、という理由もあるそうだ。Extreme IIIを使うことで、低温下でメモリカードが使えなくなる、といったような不安はなくなりそうだ。

容量はCFで1/2/4GB、SDで1GB、MSで1/2GBの各製品が登場する。3月には販売を開始する予定だ。価格はすべてオープンプライス。現行製品の「Ultra II」シリーズの同容量製品よりはやや高めになる見込み。

SanDisk初の携帯型音楽プレイヤー

MP3プレイヤーの「Digital Audio Player(DAP)」と「SanDisk Sansa e100」は、同社として初の携帯型音楽プレイヤー。DAPは最大で1GBのフラッシュメモリを内蔵、単4形乾電池×1で15時間の連続再生が可能だ。FMチューナー、音声録音、液晶ディスプレイを備えており、PCとの接続にはUSB2.0端子を使用する。メモリ容量256MB/512MB/1GBの3モデルが用意される。発売は3月、実売想定価格は、256MBモデルが1万円弱、512MBモデルが14,000円程度、1GBモデルが22,000円程度になりそうだ。

SanDisk初の携帯型音楽プレイヤー「DAP」(写真左)、「Sansa e100」。昨年10月からDAPを先行して発売している米国では、価格の安さから人気を得て、昨年第4四半期で同クラス製品の中でナンバー1の売り上げだったという

e100は、DAPの機能に加えて本体側面にSDカードスロットを搭載。容量512MB・1GBの2モデルが用意され、内蔵メモリに加えてSDカードに保存した音楽も再生できる。DAPを含めて、発売は4月以降で、実売想定価格は同容量のDAPよりやや高くなる見込み。

その他の新製品

PSPなどのゲーム機をターゲットとしたカラフルで半透明なデザインのMS Duoも3月に発売予定。容量は128MB/256MB/512MB/1GBの4製品。若年層のゲームユーザーを意識してデザインも考慮した。発売は3月で、実売価格は現行モデルと同等程度が見込まれる。
今回のPMA 2005でも出展されたUSB端子搭載のSDカード「SanDisk Ultra II SD PLUS」も日本で発売予定だ。普段は通常のSDカードとして利用できるほか、中央部分を折るとUSB端子が現れ、PCとUSBポート経由で接続することも可能。容量は512MBと1GBが用意され、5月から出荷を開始する。価格は同容量のUltra IIシリーズよりも高くなりそうだ。

SDカードを半分に折りるとUSB端子が現れるUltra II SD PLUS

TransFlash(写真左)。写真右のminiSDカードと比べるとその小ささが分かる

そのほか、長さ15mm、幅11mm、厚さ1mmという超小型のメモリカード「TransFlash」における新たな展開が発表された。NECが今年後半に、世界市場向けに発売する携帯電話にTransFlashを採用することが明らかになった。すでにKyocera Wireless、LG Electronics、Motorola、Samsungなども採用を明らかにしており、現時点で14の対応端末が出荷されているそうだ。現在携帯電話のメモリカードとして主流のminiSDカード/メモリースティックDuoよりもさらに小型のため、端末の小型化などが期待できるだろう。SDカードアダプタを経由すれば、SDカード対応のさまざまな機器でも利用できる。現在は64MBから256MBがラインナップされている。SanDiskによれば、NECの国内向けFOMA端末にも採用されることになっているそうだ。

HDDを置き換えるメモリカード、2008年には転送速度100MB/sに

「メモリカード1MBあたりの単価は1セントになる」。Harari氏は未来をそう予測する。技術革新で関発コストが下がり、販売価格が下落することで、メモリカードの「使用方法が劇的に変化する」(Harari氏)。現在のメモリカードの1MBあたりの単価は10セントだそうで、1GBでは100ドル程度になる。これが1MBで1セント、1GBで10ドルになったらどうなるか。

今まで、たとえばデジタルカメラで撮影して、撮った画像はメモリカードに保存、PCに取り込んだあとはカード内の画像を消して再利用していた。低価格化することで、再利用するのではなく、たくさんのカードを持ち歩くようになる、とHarari氏。メモリカードが消耗品になる、と指摘する。同様に、USBメモリも低価格化、大容量化が図られ、10GBで100ドル以下というレベルになるという。

そして今から5年後。フラッシュメモリは20GBで150ドル以下になり、ノートPCに使われるようになる、というのがHarari氏の予想だ。HDDの代わりに省電力のフラッシュメモリを使うことでバッテリの駆動時間が延長でき、「20~40時間駆動できるようになる」(同)。

HDDも大容量化・低価格化が進むが、「部品コストから5,000円以下は難しい」(同)ため、「大容量化・低価格化したフラッシュメモリで消費者の95%は満足する」(同)。HDDは、フラッシュメモリ以上の大容量を求めるニッチなマーケットで残る、というのがHarari氏の見解。それでは、実際にフラッシュメモリは1MBあたり1セントになるのか。「私は物理学者なので、それが可能だと信じている。技術が進めばそれが可能だ」(同)。

SanDiskは、メモリの製造で東芝と提携。三重県四日市市に2つの工場「Y1」「Y2」を保有しているが、新たにY3工場も開設。「おそらく世界最大の半導体メモリ工場」(同)だそうで、この工場で世界の需要の30%をまかなえるという。Y3では300mmウエハの製造ラインを持ち、今年下期には90nmプロセス、来年には70nmプロセス、2007年には55nmプロセスまで微細化を図る予定だ。その上で、2008年には、書き込み・読み込み速度を100MB/sまで拡張するそうだ。

メモリカード1枚あたりの容量は増大し、1MBあたりの単価は下がっている

四日市市のNANDメモリ製造工場。東芝とSanDiskがそれぞれ50%ずつ出資している

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