NTTデータ、遊休PC資源提供でポイント還元「cell computing βirth」開始

      [2005/02/16]

    NTTデータは、インターネット型分散コンピューティングコンピューティングプロジェクト"cell computing βirth/セルコンピューティング バース"を開始した。

    ユーザがPCを使っていない時間のCPU能力などのPC資源を、インターネットを通じて統合し、仮想的なスーパーコンピュータとして利用する「cell computing」により、一般家庭のPCも含む参加のもと、大規模計算研究プロジェクトを実施するもので、企業、組織と個人が「発見」と「創造」で結ばれ、問題意識の共有、研究成果の利用、商品購入への意識が高まる「場」の提供を狙う。

    今回は、慶應義塾大学、東亞合成との間でゲノム解析に関する2つの大規模計算研究プロジェクトを開始する。

    プロジェクトに参加するには、メンバソフトをダウンロードし、インストールし、登録するのみで参加可能。必要なPC環境は、対応OSは、Windows 2000/XP、メモリ128MB以上、HDD容量1GB以上(ソフトの容量は別途必要)となっている。プロジェクト進行状態や、メンバ、チーム毎のランキング表示などもできる。

    参加者で地域ごとに競うこともできる

    コミュニティWebサイト"CELLTOWN"が用意される

    同社では、参加者がPC資源を提供することで得られるポイントを使用して、同社のコミュニティWebサイト"CELLTOWN"内で、好きなキャラクタを作成し、家を持ち、様々なアイテムを購入し、参加者同士でコミュニケーションをとれるなどといったサービスも提供する予定。将来的には参加者に利益を還元する仕組みを作り、ビジネス化も念頭に事業を推進する。同社のcell computingプロジェクトリーダの鑓水訟氏氏は、「将来的には、個人が他のユーザーのPC資源を利用して、画像のレンダリング処理など行えるようなシステムも考えている」と述べた。

    同社では、すでに2002年12月から約4ヶ月間、バイオとナノテク分野で、一般のPC参加により約12,000台のパソコンでのcell computingの実証実験を行っている。

    BOINC - 分散コンピューティング・システム

    今回の分散コンピューティングプロジェクトでは、カリフォルニア大学で開発されたオープンソースソフトウェア「BOINC」を用いている。グラフィック画面表示ソフト、Webシステムとの連携、"BOLERO+"、"CHRONOS"などの必要なソフトウェアの移植開発等をNTTデータが行った。

    BOINCは、地球外知的生命体の探索を目指すSETI@homeや、オックスフォード大学で行われているClimateprediction.net等の大規模分散コンピューティングプロジェクトにも利用されているという。

    2つの大規模計算研究プロジェクト - ゲノム解析

    まず、実施される大規模計算研究プロジェクトは、

    • 「ゲノムスーパーパワーを見つけよう!/自然免疫系遺伝子領域解明プロジェクト」
      (主体:慶應義塾大学医学部分子生物教室 清水信義教授)
    • 「ゲノムのパズルを解こう!/ヒトゲノム染色体間法則性解明プロジェクト」
      (主体:東亞合成名古屋研究機構新製品開発研究所)

    の2点。

    自然免疫系遺伝子領域の共通性を解明する

    前者は、生物の主要な自然免疫系遺伝子領域(抗菌ペプチド)を取り巻くDNA領域(30万塩基)と、ヒトを含む脊椎動物、無脊椎動物、植物のゲノムとの類似度をBOLERO+によりスコア化、解析し、生物種を越えて保存されている自然免疫系遺伝子領域の共通特性を解明し、新しいゲノムスーパーパワーの発見に繋げようとするもの。こちらのプロジェクトは4月いっぱいまでに完了する見込み。


    白い線がホットスポット領域を表し、虹色の信号はフーリエ変換した結果

    後者は、ゲノム染色体間の並びの法則性(規則性)を解明する試みで、ヒトゲノム染色体(24本)の順列(24の階乗:24!=6.20448402×1023=6千垓)の中に、周期性が高いものが存在するのかを探索する。2002年にサイエンス誌にBailey氏らが発表した、ヒトゲノム染色体上の非常に類似した重複領域に挟まれた大きなホットスポット領域(169箇所)について、内24箇所が遺伝子病と関連があるとされているとし、染色体24本の順列(24!)を作成、それぞれの順列データ毎に、高速フーリエ変換処理を行い、最も周期性の高い順列を見つける。遺伝子病解明・予防に貢献する基礎データを得ることを目的としている。こちらのプロジェクトは特に期限は設けない模様。

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