ボーダフォン、最大14.4Mbpsの高速データ通信HSDPAを試験開始

 

ボーダフォンは、第3世代携帯電話用(3G)用の高速データ通信システム「HSDPA」(High Speed Downlink Packet Access)の実験用無線免許を取得、フィールド試験を開始した。HSDPAはW-CDMAを高速化する規格で、3.5Gとも呼ばれ、通信速度の向上と通信の安定が期待されている技術。実環境での技術評価を行うことで、商用システムの導入促進を狙う。ボーダフォンのHSDPAの試験は、Vodafoneグループ全体としても初めて。

HSDPAは、W-CDMA陣営の標準化団体3GPPのリリース5仕様で定義。電波の状態が悪いときには、安定性の高いQPSK(Quadrature Phase Shift Keying)という符号化方式を利用、電波状態が良好なときは高速な16QAM(16 Quadrature Amplitude Modulation)に自動的に切り替えることで、従来のW-CDMAが同一セル内では均一の速度だったのに対し、高速化、安定化が図れる。W-CDMAの基地局に大きな改造を加えなくても利用できる点もメリットとされている。

理論上の下り最大速度は14.4Mbpsで、W-CDMAの384kbpsと比べて37.5倍という高速化が実現する。CDMA2000陣営のCDMA2000 1x EV-DOも高速化技術だが、それでも最大2.4Mbpsだ。総務省の公開しているデータによれば、条件がよい場合の最大スループットは14Mbps程度、屋外の走行実験では2~8Mbps程度の範囲に分布しており、大幅な速度向上が見込まれている。

総務省は昨年7月に、HSDPA導入に向けた無線設備規則の一部改正案などを総務相の諮問機関である電波監理審議会へ諮問、9月には導入適当の答申が出され、9月29日には規則が改正されていた。すでに電波監理審議会は、昨年5月の段階で、高速化の鍵となる16QAM方式の変調方式の導入を適当と答申しており、HSDPA導入に対する制度上の障害はすでになくなっていた。

今回ボーダフォンでは、Ericssonのシステムを用い、2GHz帯の周波数を利用する。東京都江東区とその周辺でフィールド試験を実施し、導入に向けた技術評価を行う。現時点では、商用サービス導入の時期などは未定だが、できるだけ早い段階での導入を目指す考えだ。

HSDPAに関しては、NTTドコモが2005年度中の導入を目指して研究開発を続けているほか、イー・アクセスもHSDPAを使った携帯電話事業の参入を目指している。

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