産総研、愛知万博にカード型情報端末「Aimulet GH」提供

    大塚実  [2005/02/01]

    産業技術総合研究所(産総研)は、今年3月25日に開幕する愛・地球博(愛知万博)において、無線ICタグを使った統合情報支援システムを提供する、と発表した。テーマ館「グローバル・ハウス」にて提供されるもので、利用者は入館時にカード型端末を貸与され、各展示にて音声による説明を受けることができる。

    カード型情報端末「Aimulet GH」

    このように耳に当てて利用する

    今回、産総研が開発したカード型情報端末「Aimulet(アイミュレット) GH」は、内部に2つの機能を持つ(ちなみに、"Aimulet"という名称は、お守り・魔除けを意味する"amulet"(アミュレット)に、"intelligent"、"interactive"、"愛・地球博"の「i」を挿入したもの、とのこと)。

    1つ目の機能は、自動音声ガイドサービスを受けるためのもので、音声信号を受信するための太陽電池パネルとイヤホンが組み込まれている。シンプルなインタフェースが特徴的で、各展示の前で利用者がすることは、ただカードを耳にあてるだけ。ボタンを押す、ダイヤルを回す、などの操作無しで、各展示ごとの音声コンテンツを聴くことができるのだ。

    音声信号の伝送には赤外線が使われているが、この赤外線の強さが音声の波形により変化しており、太陽電池に接続されたイヤホンで元の音声が再現される、という仕組みになっている。バッテリが不要というメリットがあるほか、太陽電池にフィルタを取り付けることで波長の選択も可能なので、グローバル・ハウスでは英語用・日本語用の2種類のカードが提供される予定だ。

    このイヤホンから音声が聞こえる。太陽電池面を正面に向ける必要があるため、右耳専用になるとのこと

    赤外線光源。上段と下段で波長が異なる。肉眼で見えたのは上段のみだが、カメラでは両方発光しているのが確認できる

    またもう1つの機能は、無線ICタグによる位置情報の取得だ。Aimulet GHには、東京特殊電線が開発したアクティブ型無線ICタグシステム「MEGRAS(メグラス)」を搭載。最長約10mの距離での認識が可能なもので、館内150カ所にレシーバを設置、利用者の流動解析などの運営支援に役立てる。なお今回のシステムでは、無線ICタグには利用者の個人情報は登録する必要がないので、プライバシー侵害の懸念は無いとしている。

    説明会の会場でのデモ。2つのレシーバが同時に検出している状態で、境界付近に人がいると推測できる

    天井付近に設置されたレシーバ。グローバル・ハウス館内には、これが150カ所設置されるという

    流動解析や音声コンテンツ配信のための基盤ソフトウェアとしては、産総研の協奏計算アーキテクチャ「CONSORTS(コンソーツ)」が利用される。CONSORTSは、自律的なソフトウェアが分散・協調して情報処理を行う「マルチエージェント技術」を応用したもので、柔軟なサービスの連携や多様なデバイスの利用が可能。今回のシステムでは、どの展示に人気があるか、会場のレイアウトをどう変えれば混雑が緩和されるか、といった解析を行うことができるとのこと。

    システムの概要

    「MEGRAS」の特徴。1秒ごとの発信で電池が1年もつ

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