MSに対する欧州委員会の是正命令は有効、第一審裁判所が判断

Yoichi Yamashita  [2004/12/23]

欧州第一審裁判所のBo Vesterdorf判事は22日、米Microsoftが求めていた是正措置の執行延期請求を却下する判断を下した。これによりMicrosoftが、欧州委員会から命じられたMedia Playerを含まないバージョンのWindowsの提供、Windowsに対応するサーバソフトを構築するためのAPI公開などに応じる可能性が出てきた。

欧州委員会は今年3月、5年以上にわたる調査の結果、パソコンOS市場において、Microsoftが独占的な立場を利用して、競争と技術の発展を阻害していると判断。EU競争法に違反しているとして、Microsoftに対し、4億9700万ユーロの制裁金の支払い、欧州域内でMedia Playerを搭載しないWindowsの90日以内の提供、Windowsと相互接続するためのインタフェース情報の120日以内の開示などを求める命令を下した。

これに対しMicrosoftは、欧州委員会が決定した是正措置は自社の知的財産を損なうものになるとして控訴。最終的な判断が下されるまで3~5年かかると見られており、Microsoftは第一審裁判所に対して、是正措置の執行保留を命じる中間判決を出すように請求していた。

この間、Microsoftは4月にSunと和解、そして11月には独禁法問題に関連して、Novellと業界団体のComputer & Communications Industry Association (CCIA)と和解合意に達した。結果、欧州独禁法問題で苦情を申し立てている企業はReal Networksを残すのみとなった。

Vesterdorf判事は、現状を見極めるために両陣営の意見を聴取。その上で、「是正措置から深刻で回復できない損害を被る」というMicrosoftの主張は証明されなかったとして、同社が求めていた中間判決の請求を却下した。

Microsoftはすでに制裁金の支払いに応じており、今回の判断は同社に経済的な影響は与えない。Media Playerの分離やAPIの公開について対応を迫られることになる。第一審裁判所の判断に対する声明の中で、同社は「グレードを下げたバージョンのWindowsのリリースを強制することは、消費者に対してだけではなく、競争や過去30年にわたるIT革命のバックボーンとなったテクノロジの統合に害を及ぼすことになる」と主張。今後、命令を精査した上で、対応策を決定するとしている。

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