半導体集積回路の学会として著名なISSCC(International Solid-State Circuits Conference)2005の開催記者会見が29日、都内で開催された。ISSCCアジア地区委員長の飯塚邦彦氏、ISSCC実行委員長のTim Tredwell氏、ISSCC広報委員長のKenneth Smith氏、ISSCCアジア地区副委員長のJinyong Chung氏より挨拶があり、引き続いて各テクニカルプログラムについて担当委員より解説があった。
ISSCC2005は来年2月6日より米サンフランシスコ・マリオットホテルにて開催される予定だ。投稿論文数、採択論文数とも過去最高を記録、半導体分野の成長を裏付けていると述べる。
ISSCCアジア地区委員長の飯塚氏によると、今回のISSCCの特徴は、台湾からの論文の爆発的増加、韓国情報通信大臣のDaeje Chin氏によるオープニング基調講演、中国本土からの初の発表論文、になるという。台湾の採択論文数は15本と、ISSCC2004の際の5本から3倍増となっている。これは、台湾が国を挙げて半導体設計技術の向上に努めているからだという。このように、今回のISSCCではアジア地区のパワーアップが目立つという。なお、日本については採択論文数は44本であり、韓国の17本とともに前回のISSCCと論文数に変化はない。
組織別採択論文数について見てみよう。前回のISSCC2004ではIBMの10本を最高に、以下Intelが9本、InfineonとSamsungが7本となっているが、今回のISSCC2005では、IBMの13本を最高にTexas Instrumentsの12本、そして国立台湾大学が8本と躍進し、以下STMicroelectronicsが7本、となっている。国内ではNECが昨年に引き続き6本が採択されているほか、日立製作所も6本を発表する。SamsungやIntelも今回は6本の発表となっている。
| 組織別発表論文数 | ||
|---|---|---|
| 順位 | 組織名 | 採択論文数 |
| 1 | IBM | 13 |
| 2 | TI | 12 |
| 3 | National Taiwan Univ. | 8 |
| 4 | STM | 7 |
| 5 | Hitachi | 6 |
| 5 | NEC | 6 |
| 5 | Samsung | 6 |
| 5 | Analog Devices | 6 |
| 5 | Intel | 6 |
| 10 | Matsushita | 5 |
| 10 | Columbia Univ. | 5 |
| 10 | MIT | 5 |
| 10 | UCLA | 5 |
| 10 | Univ. of Toronto | 5 |
| 15 | Fujitsu | 4 |
| 15 | Toshiba | 4 |
| 15 | KAIST | 4 |
| 15 | HP | 4 |
| 15 | Philips | 4 |
それでは興味深いトピックをいくつかご紹介しよう。まず、最も注目されるのはIBM、SONY、東芝による第1世代Cellプロセッサの発表だ。Cellに関して合計5本の論文発表が予定されている。概要によると、このCellプロセッサは90nm SOIプロセスで製造されるマルチコアプロセッサであり、8つのストリーミングプロセッサコアが1チップに搭載されているSoCとなっている。電源電圧1.3Vで動作し、動作速度は4.60GHz、動作温度は85度に達し、チップ間インターコネクトは6.4Gb/sの通信速度を持つという。関係者によると、ISSCCでは動作サンプルが出来ていない論文は通らないそうで、従ってこのCellは既にサンプルが動作していると言うことらしい。
この他、IntelはMontecitoと思われる、2つのデュアルスレッドコアと26.5MBキャッシュを搭載した90nmプロセスのItaniumに関する論文を5本発表する。Sun MicrosystemsもデュアルコアSPARCプロセッサを発表する。こちらは第3世代SPARCコアを改良し、デュアルで搭載した第4世代のSPARCプロセッサであり、90nmプロセスで製造され、1.1Vにて1.8GHzで動作する。
その他のトピックスとしては、三洋電機が1.56μmという世界最小の画素サイズを実現したCCDを発表、またMITが、開口率100%を実現する3次元構造のメガピクセルCMOSイメージセンサを発表する。国立台湾大学からは1チップのH.264/AVCリアルタイムエンコーダを発表、108MHzで720p HDエンコードを実現、2,048並列の整数動き検出器を実装する。NECは、3つのARMプロセッサコアを1ダイに搭載した600MIPSの省電力モバイルプロセッサを発表する。東芝は、10mの距離で無線給電を行うセンサネット用の整流回路を発表する。また、広島大学、慶応大学はインダクティブカップリングを用いたワイヤレス通信による3次元集積システムを発表する。セイコーエプソンは、フレキシブル基板上に形成する回路について、パラメタのばらつきやすい性質を非同期式アーキテクチャで回避する研究成果を発表する。
このように、全般に興味深い話題が多く、今回のISSCCも盛況が予想される。上記のトピックスを含め、詳しくはISSCC2005にて発表される内容に期待したい。
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