デジタルカメラで撮る天体写真 - 12月の流星群、1月のホウキ星を撮ろう

      [2004/11/29]

    ソニーマーケティングが主催する「ITエンターテインメントセミナー」で、天文研究家の浅田英夫氏らを講師に招き、デジタルカメラで天体写真を撮る講座が、同社・あさだ考房・ミックインターナショナルの共同企画で行われている。

    浅田英夫氏

    機材一式

    講座が行われたセミナールーム

    オリオン座、ふたご座、冬の大三角形……1年のうち、最も星が美しく見られる季節が冬。27日に行われた講座「デジタルカメラで撮る天体写真~それでも地球は動いている~」(銀座校/定員10名/4,725円)では、参加者に米ミード・インスツルメンツのETXシリーズ天体望遠鏡、VAIO type Rなど、各種機材を貸し出し、サイバーショットPシリーズを使用して天体写真を撮影する方法や、「なぜ星は瞬くのか」といった天文知識などがレクチャーされた。

    浅田氏が撮影した月

    ハイテク天体望遠鏡が星を自動追尾

    倍率による見え方の違い

    口径による見え方の違い

    浅田氏はまず、望遠鏡を選ぶにあたってのコツとして、いくつかの注意点を解説。集光力が高いほど、遠く、暗い星が良く見えることから、望遠鏡の性能は「口径の大きさで決まる」、「倍率には限界がある」とし、また、多くのお父さん世代には覚えがありそうだが、大きなものは組み立てや片付けが嫌になりやすいため、「コンスタンスに使える、そこそこの大きさのものを買うことが大事」と話した。

    講座で使用したのは、米・カリフォルニアにある天体望遠鏡専門メーカー、ミード・インスツルメンツの軽量コンパクトモデル「ETX60-AT」(口径60mm・焦点距離350mm・口径比F5.8)。本体を2本の支柱で支えるオーソドックスなフォーク式タイプで、エレクトロニクス機能に優れながら、安価で購入できるという。また、同製品は、天体データベースが内蔵されたリモコン型コンピュータ「オートスター」(日本語)を標準で装備。(1)本体を北向き・水平に設置(アバウトでOK)、(2)日付・時刻を入力することで、今回ならカペラ・デネブといった今の季節に一番明るい星を探索し、位置を把握。その上で(3)見たい天体を選択すると、ユーザーが設定した星に向かって自動的に方向転換・追尾する。

    ETX60-AT

    オートスター

    これらの動作は、一昔前の民生用天体望遠鏡なら手動で行っていただけに、参加者からは感嘆の声も。ただ、浅田氏は、望遠鏡の操作時には「力任せにクランプ(ネジ)をまわさないで」と注意し、「私も初めて使った時は、ガタガタにしちゃって、使えなくなっちゃった」と失敗話を披露、受講者を楽しませながらも丁寧にレクチャーした。

    見たい星を設定すると、自動的に星を探索・追尾

    夜でも操作しやすい

    PCとデジカメで、天体写真を簡単撮影

    RS232CはUSBに変換

    オートスターとPCの日時を一致させる

    また、多数の星を見るときに便利、ということから、講座では、Internet Explorer上で稼働するソフトウェア、ETX-AT用「ミードナビゲーター」を使用。天体望遠鏡本体とPCをRS232Cで(もしくはUSBに変換させて)接続し、双方の日時を合わせておけば、観測する星を「おすすめ!」や「名前探す」「星座で探す」などの項目からワンクリックで設定し、天体望遠鏡と同期させることができる。

    様々な項目から観測可能な星座や星雲を選択できる

    そして、それらで観測した星を撮影するデジタルカメラに、浅田氏は、フルオートの200万画素とマニュアル撮影が可能な500万画素の「サイバーショット」を用意。また、カメラをETX60-ATに取り付けるためのオプションとして、汎用デジタルカメラをほぼカバーするという「デジタルカメラアダプター」を準備した。ただ、「究極のデジタルカメラはカメラ付ケータイ」で、「月ぐらいなら撮れちゃう」んだそう。実際に浅田氏が撮った月の写真を示し、あとはモバイルPCさえあればいつでも野外で天体観測ができると話した。

    デジタルカメラアダプターで取り付け

    撮影の際の注意点は、夜景の撮影方法とほぼ同じ。フラッシュはたかない、最も高い解像度に設定する、ブレを防ぐためにセルフタイマーを使用することを基本に、月の場合は、フルオートの撮影で、感度もIS0100程度がよく、また、惑星の場合は、マニュアル撮影で、ISO400、遠景モード、絞りは最小もしくは開放状態、シャッタースピードはバルブモードでノイズリダクション効果があるものが良い、とした。

    12月の流星群、1月のホウキ星を探せ

    天体観測の楽しさについて語る浅田氏

    流れ星の撮影は難しい、とのこと

    そのほかにも浅田氏は、天体の基礎知識をレクチャー。「星が瞬くのは、大気が揺れているから。これをシンチレーションといい、望遠鏡でも星がゆらゆらと揺れて見え、口径が大きいほど影響を受けやすい」といった知識や、流れ星の正体は「氷と塵でできた、ハレー彗星を代表とする"ホウキ星(彗星)"が撒き散らした塵」で、「これが猛スピードで地球の大気に飛び込んで来たもの」。また、毎年同じ頃に流星群が見られるのは、「同じ軌道を365日かけて周回する地球が、毎年同じ時期に彗星が残した塵の軌跡"ダストトレイル"を通過するため」と詳しく解説し、「ぜひこれを機に天体観測に出かけて欲しい」と話した。

    というのも、12月13日から14日にかけて、年間三大流星群「ふたご座流星群」が極大を迎えるため。特に今年は「12日が新月で明かりが乏しく、最良の条件」(同氏)と言われている。さらに、2005年1月中にはマックホルツ彗星が地球に接近すると予想されており、これに合わせ、同講座は同年1月28日に再度開催されることになっている。

    なお、天体望遠鏡は、「ETX70-AT」(口径70mm・焦点距離350mm・口径比F5)でも、発売から3年半以上たった今、実売価格は5万円前後。モバイルPCユーザーなら、本体を買ったその日から野外天体観測が楽しめそうだ。

    まさにお手本(左)どおりといえる彗星の天体写真(右)

    毎年、同じ頃にダストトレイルを通過する地球

    ふたご座流星群の放射点はこのあたり

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