NVIDIA、GeForce Go 6800の国内説明会を開催 - GF6世代のPCIeモバイルGPU

    石川ひさよし  [2004/11/15]

    NVIDIA Mobile Computing Solutions General ManagerのRob Csongor氏

    NVIDIAは、先日発表されたモバイル用のGeForce 6世代GPU「GeForce Go 6800」の国内説明会を開催した。

    GeForce Go 6800

    GeForce Go 6800は、GeForce 6世代のハイエンドモバイルGPU。GeForce 6シリーズの機能がモバイル向けに搭載されることはモバイルコンピューティングにとって重要な意味を持つという。その特徴はモバイル向け初のDirectX Shader Model 3.0と64-bit HDR(High Dynamic Range)対応、NVIDIA PureVideoテクノロジによるプログラマブル・ビデオ・プロセッシング、省電力機能PowerMizer 5.0テクノロジ、PCI Expressによる実装規格MXMへの対応など。これらの機能により"画期的なワットあたりのパフォーマンス"を実現するとしている。それぞれのテクノロジに関してはNVIDIA Mobile Computing SolutionsのGeneral ManagerであるRob Csongor氏が解説した。もちろんデモンストレーションに用いられたのはGeForce Go 6800を搭載したノートブックPCだ。

    GeForce Go 6800の主要な機能

    GeForce Go 6800の仕様

    まずはグラフィックパフォーマンスから。GeForce Go 6800は、GeForce 6800をベースにほぼ同等の機能を備える。ピクセルシェーダーは12パイプ、メモリは128または256bit接続のDDRまたはGDDR3、メモリ容量は256MBだ。ただしインタフェースはPCI Expressネイティブであり、この点で別設計であることが伺える。そのパフォーマンスはFuturmarkの3DMark03で7,500~11,000以上。最初に示されたスコアは7,697。モバイル向けとしては破格のスコアだが、このスコアはまだコアが275MHz、メモリがDDRの300MHzで測定した値という。クロックは製品にあわせ、柔軟に対応できる。DDRタイプの定格ではコア300MHz/メモリ300MHzで動作するとされているのでまだまだ余裕がある。さらに、GDDR3タイプでは最大コア450MHz、メモリ600MHzとされており、このタイプでは11,000 3DMarksというデスクトップ並みの性能を発揮できるという。また、Doom3であれば、1280×1024ドットのハイディテールでfpsは53.1とされる。

    GPUをクラス・世代別にパフォーマンス比較したグラフ

    1280×1024ドット環境下において、Doom3も快適なパフォーマンスを示す

    Shader Model 3.0に対応したこともパフォーマンスとクオリティに貢献する。インスタンス、HDR、バーチャルディスプレースメントマッピングといったSM3.0の機能が紹介された。これらのSM3.0機能を用いることで、よりクオリティの高いシーンを少ないポリゴンで表現できるようになる。

    SM3.0デモ:たくさんの木々がレンダリングされているが、その葉ひとつひとつを作りこんでいては膨大なデータになる。このシーンはインスタンスを用いて葉を複製。ひとつひとつの葉にはポリゴンは割り当てられておらず、劇的にポリゴン数を減らしながら、クオリティの高いシーンが表現できるというデモ。インスタンスという用語はプログラミングなどでも用いられるが、ひとつの親を持つ依存関係のグルーピングされたものと考えればいい。

    例えば実際の人間の眼で見た表現により近い白潰れした太陽にはHDR表現が、さざ波の立つ海はたった1枚のポリゴンから凹凸を表現できるバーチャルディスプレースメントマッピングが用いられている。画面はFar Cry。Far Cryは最新パッチでSM3.0に対応する。 (C)2003 Crytek Studios. All Rights Reserved. Published by Ubi Soft Entertainment. Far Cry, Ubi Soft, and the Ubi Soft logo are trademarks of Ubi Soft Entertainment in the U.S. and/or other countries.

    これらのSM3.0への対応は、ポリゴンに頼らない表現を可能とし、特にノートPCのようにデスクトップPCと比べ比較的に非力なCPUである場合などでさらなる効果を生む。また、ライバルGPUに対し1ランク低いCPUを使ったとしてもそれを超えるスコアを出すことができるという。そして、もうひとつより高解像度でゲームをプレイ可能となることも指す。よって、クリスマスシーズンには、デスクトップに迫る高解像度、ハイディテールなゲームをノートPCでプレイ可能になるとアピールしている。

    もうひとつ、ビデオ再生時により高画質に再生できるよう搭載されているのがPureVideo技術だ。コアチップに内蔵されたビデオプロセッサとソフトウェアにより、固定されないプログラマブルなビデオ処理が可能となる。日本のPCベンダー各社も、トレンドとしてビデオ再生時の高画質化回路の搭載をアピールしているが、PureVideoも同様の効果を狙ったものだ。よりビビッドなカラー表現はもちろんのこと、HD-MPEG-2デコード・アクセラレーション、WMV-HD HWデコード・アクセラレーションなど複数の動画再生支援機能を備え、デ・インターレースや3:2プルダウン補正、デジタル処理による解像度変換など、PC上でTV画質の動画再生が可能になるとされる。また、GPU側で処理されることで、CPU負荷も引き下げるメリットもあるという。ただし、ハードウェアは対応済であるものの、ソフトウェア側は今後発表されるドライバをもって利用可能になるとされる。

    PureVideoの実装で高画質でのHD再生を可能とする

    主な機能をまとめたスライド

    3:2プルダウン補正の効果を表すスライド。撮影時と再生時のレートの違いにより発生するダブリのあるコマ。例えば連続する5コマのうちのうしろ2コマがこのようにダブってしまうのだが、PureVideoではこれを補正する機能が搭載されており、違和感の無い滑らかな再生を可能とする。そのほか、縦方向/横方向のデ・インターレース処理や、黒や白などつぶれが発生しやすい色もくっきりと表現する階調補正(クロは90階調、白は25階調)が機能などが搭載とされる。

    次は省電力機能のPowerMizer 5.0。今回はクロックゲーティングの制御細密度の向上や電圧スケーリングのステップ数の増加、そしてより動作電圧の低いGDDR3メモリのサポートなどがあげられる。もっとも現状では採用はしばらくDTR向けノートPCのみになりそうだ。GeForce Go 6800は、PCI Expressでの提供のみという。モバイル向けチップセットでPCI Expressを採用した製品は2005年を待たねばならず、現在購入できるGeForce Go 6800搭載ノートPCは、Intel 915チップセットなどを採用した製品となる。この手の製品では熱設計も余裕があり、PowerMizer 5.0の真価はもう少しThin&Smallなノートでなければ体感しづらいことだろう。同社はThin&Smallノートでも搭載可能であるとしており、先に述べたGPUパフォーマンスにより、Pentium Mと組み合わせた状態でもワットあたりのハイパフォーマンスが期待できるという。

    当面はDTR向けが主流。CPUも強力なものを搭載できるため、GeForce Go 6800と組み合わせたパフォーマンスは3DゲームやシアターPCなどで期待できそうだ。

    そして、最後はMXMの採用。GPUをモジュール化し、交換可能とするほか、設計コストの削減などに寄与するものだ。現在では台湾ベンダーを中心に採用例が30以上あるとされており、来年に控えたPCI Express対応モバイル向けチップセットの発表と同時に対応製品が本格出荷されるのではないかと予想される。MXMカードを見てみると、GPUを中心にBGAパッケージのDDRメモリが裏表両面に実装されている。そしてインタフェースの切り欠きなどはPCI Express x16を思わせる。

    MXMカードを持つRob Csongor氏

    MXMのGeForce Go 6800カード

    GeForce Go 6800は、日本メーカーでの採用はまだ発表されていないが、海外ではSagerやAlienware、Falcon、Prostarなどから発売されている。今回発表と同時に出荷済みであることも明らかにされており、製品登場までの期間がこれまでになくスムーズなことにも努力したとされる。

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