キヤノンから35mmフルサイズ16.7M pixel/4fpsの「EOS-1Ds Mark II」登場

  [2004/09/22]

キヤノンは、同社デジタル一眼レフカメラ(DSLR)のハイエンドモデル「EOS-1Ds Mark II」を発表した。価格はオープンプライス、市場想定価格は90万円前後、11月下旬の発売となる。

EOS-1Ds Mark II。EOS-1D Mark IIとほぼ同じボディとなるが、ペンタ上の切れ込みが少し違う。カメラバッグに入れたときに区別が付きやすいようにという配慮だ。レンズは別売りのEF24-70mm F2.8L USM

EOS-1Ds Mark IIはEOS-1D Mark IIをベースとして、新開発のフルサイズCMOSセンサを搭載する。同社カメラ開発センター副所長の大原経昌氏は「狙いは、最高画質を追求したプロ用デジタル一眼レフ」と、EOS-1Ds Mark IIの位置付けを語り、DSLR No.1の高画質、快速・快適な撮影、基本機能とEOSシステムの充実を実現するべく開発されたとする。

背面液晶は2.0型

ボディはマグネシウム合金を採用、Canonロゴは彫り込みに白入れとなっている

フラッグシップ第2世代 - さらなる高画質

新開発の35mm判フルサイズCMOSは、記録画素数が16.7メガピクセル、画素ピッチ7.2ミクロンとなり、第2世代のオンチップノイズリダクション・第2世代のオンチップマイクロレンズの搭載でさらなる低ノイズ・高画質化を図っている。マイクロレンズの改良などにより、受光感度もアップし、最高感度はEOS-1DsのISO 1250からISO 1600となった。最低感度はISO 100。拡張モードではそれぞれISO 3200/ISO 50も実現する。

新開発の35mm判フルサイズCMOSは、記録画素数が16.7メガピクセル、画素ピッチ7.2ミクロン

EOS-1Ds Mark IIは、感度アップを実現しながら「EOS-1Dsと比較してもさらなる低ノイズ化をはかった」(大原氏)という。拡張モードのISO 50/ISO 3200については「50はダイナミックレンジが狭く、3200はキヤノンの基準からするとノイズが多い」(同社)とする。しかし、それ以外の感度ではEOS DIGITALの第2世代として低ノイズを実現しているという。

EOS-1Ds Mark IIは、EOS-1D Mark II/EOS 20Dと同じくDIGIC IIを搭載、ノイズ以外の面でも高画質化を図ったという。生成される画像は、「デフォルトでは-1D Mark II同様、エッジ強調などを掛けないレタッチ前提のナチュラル画像」(大原氏)としながら、普及の進むダイレクトプリントも視野に入れ、シャープネス・コントラストを高めることもできる。「画像特性の設定範囲は幅広い」(同氏)。カラーマトリックスの設定やホワイトバランスの設定などもEOS-1D Mark II同様の柔軟な設定が可能だ。A/D変換はEOS-1Dsと同様に12-bitとなる。

快速・快適

EOS-1Ds Mark IIは、16.7Mピクセルの記録画素数を持ちながら、CMOSからの8チャンネル同時読みだし、並列A/D変換により、4fpsの高速撮影が可能となった。さらに、JPEG ラージ記録時の連続撮影可能枚数は32枚と、EOS-1Dsの3倍以上となっている。RAWデータでの記録時も4fps/連続11コマの撮影が可能となっている(ともにキヤノン純正512MB CFカード使用時)。

連続撮影可能枚数

記録画質 JPEGラージJPEGスモールRAW
EOS-1Ds Mark II 3212211
EOS-1Ds 101010

また、メディアの書き込み速度もEOS-1Ds比2倍と高速化されており、RAWデータでの記録時などで、バッファメモリフルからのクリア時間が高速化された。バッファメモリを全てフラッシュしきる前から順次シャッターを切ることが可能だ。

バッファメモリフルからのクリア時間

記録画質 JPEGラージRAW
EOS-1Ds Mark II 4037
EOS-1Ds 2349

撮影時以外の操作レスポンスも向上した。起動時間がEOS-1Dsの1秒から0.3秒となり、撮影画像の表示なども高速化されているという。同社では、起動の高速化はユーザが撮影を行うまでに最低限必要なことだけを起動シークエンスに組み込むようにしたこと、シークエンス自体も見直し、本体機能を司るプロセッサも高速なものとしたこと、といった努力の積み重ねで0.3秒の起動が実現しているとし、スリープからの復帰も速くなっているという。

また、バッテリは従来と共通としながらも撮影枚数を大幅に増加、常温で1,200枚、0℃の低音で約800枚(ともにCIPA準拠)と、ともにEOS-1Ds比約2倍を達成している。

EOS-1D Mark II譲りの高い基本機能

EOS-1Ds Mark IIは、EOS-1D Mark IIで進化した機能を継承し、画像記録系ではメモリスロットは2スロット(CF/SD)、画像バックアップ、ホワイトバランスの補正機能、カラーマトリックスの任意設定、Exif 2.21対応などの機能を備える。

「EOS 1D MarkIIのシャーシに高い技術を詰め込み、いいカメラに仕上がったと思う」(大原氏)

再生系では背面ディスプレイに23万画素/2.0型の液晶モニタを採用、ヒストグラムのRGB表示、1.5~10倍の拡大表示にも対応した。ビデオ出力・USB 2.0インタフェースも備え、撮影画像をTVモニタに出力して見たり、PictBridge対応プリンタでカメラダイレクトプリントを行うことも出来る。

カメラの機械系もAFユニットやシャッターユニットにEOS-1D Mark IIと共通の部材を多く採用、高速・高精度のAF、最短40msのレリーズタイムラグ、撮影作動耐久20万回のシャッターユニットなどを実現した。なお、ファインダ周りのパーツは特に変更はなく、スクリーンは標準でEc-CIIIを装備する。

EOS-1Ds Mark II/-1D Mark II/-1Dsのファインダ表示、液晶ディスプレイ表示の比較

EOS-1Ds Mark IIでは、E-TTL II対応の自動調光機能を搭載、EOS 20Dと同時に発表された580EXの色温度情報通信などの機能を含め、EOS DIGITAL対応新世代アクセサリのフル機能にアクセスできるという。

進化するDigital Photo Professional

EOS-1Ds Mark IIには、RAWデータ現像用ソフトウェアとして「Digital Photo Professional Ver 1.5」が同梱される。DPP Ver 1.5では、現行のVer 1.1に比べてトリミング機能などの新機能が加えられるほか、処理速度のさらなる向上が実現されている。

Ver 1.5で新規搭載されるトリミング機能は、EOS-1Ds Mark IIの高画素化に伴い、従来中判や大判といったフォーマットが多く利用されてきた式場・写真館といった市場への本格的な進出をにらんだものだ。

トリミングのアスペクト比は4×5、6×6といった中判・大判フォーマットに合わせたものがあらかじめプリセットされている。同社では、16.7メガピクセルの記録が可能となったことで、クロップを行っても十分な解像度が実現可能となることを見込んで搭載したとしている。

また、従来整数表示であったヒストグラムなどの横軸がAdobe Photoshopなどと同様に対数表示となり、適正露出時にヒストグラムの山が中心に来るようになった。従来は適正露出時で山が左に寄っていた。

ラインナップを増やすEOSシステム

EOS-1Ds Mark IIと同時にワイヤレスファイルトランスミッタ「WFT-E1」を発表された。WFT-E1は、EOSシステムとしては初となる無線LANによる撮影画像データ転送ソリューションで、IEEE802.11b/gに対応、WPA-PSKによるセキュリティ機能を有する。Ethernetによる有線IP接続も可能だ。価格は140,000円(税別)、発売はEOS-1Ds Mark IIと同時となる。

ワイヤレスファイルトランスミッタ「WFT-E1」

5~6MBのJPEGラージで撮影したデータの転送に要する時間は、IEEE 802.11gでの接続時4~5秒、Ethernetでの接続時3秒強という。ただし、アドホック接続の場合、IEEE 802.11bでの接続に限られ、転送速度はIEEE802.11gでの接続に比べて約1/2~1/3となる。

設定の簡略化のためのユーティリティソフトウェアが同梱され、CFカードに設定を書き込んでカメラに読み込ませることが出来る。バッテリにはEOS 20Dなどと共通のBP-511Aを採用する。EOSとの接続インタフェースにはIEEE1394のほか、USB 2.0も採用、同社では、EOS-1Dシリーズのほか、EOS 20Dにも対応したいとしている。ただし、EOS 10Dなどへの対応予定はないとのことだ。

キヤノンがEOS-1Ds Mark IIで狙う中判・大判市場

同社カメラ事業部事業部長の籾山喜久雄氏は、2004年下期のDSRL市場規模が昨年の3倍弱に当たる230万台程度まで拡大すると予測、引き続き強く伸びていることを指摘し、「アテネではほとんどがデジタル一眼レフが使用されていた」(同氏)と、コンシューマに限らずプロ市場でもDSRLへの移行が顕著であることを指摘、「最重要視しているプロ市場で確固たる地位を築いていきたい」とする。

同氏は、2004年を同社として「EOD DIGITALの第2世代を投入、ますます支持を広げてきた」と振り返り、市場動向として「従来大判・中判カメラが多く使用されてきたウェディングなどでもDSRLの使用が広まっている」と分析、「中判・大判までをカバーするキヤノンの技術を結集させた最高峰の一眼レフカメラ」としてEOS-1Ds Mark IIを投入することで、これまで同社が本格的に手がけてこなかった式場・写真館といった新規市場への進出も狙う。

ニコンD2Xとの比較

ニコンD2XEOS-1Ds Mark II
レンズマウント ニコンFマウントキヤノンEFマウント(EF-S非対応)
撮像素子 DXフォーマットCMOS(通常時レンズ表記の約1.5倍、クロップ高速時レンズ表記の約2倍の焦点距離レンズに相当の画角)35mm判フルサイズ単板CMOSセンサー
有効画素数 約12.4メガピクセル 約16.7メガピクセル
AF 11点AF、うち9点はクロスセンサ 45点エリアAF、うち7点はクロスセンサ、中央AFフレームではF8でのAF撮影が可能
秒間撮影枚数 5fps4fps
連続撮影枚数 未公表JPEG ラージ : 32枚(JPEG 画質8)、RAW : 11枚
ISO感度 ISO100~800相当ISO100~1600相当、およびISO50、ISO3200相当の感度拡張が可能
ファインダー アイレベル式ペンタプリズム、視野率約100%、倍率約0.86倍アイレベル式ペンタプリズム、視野率約100%、倍率約0.7倍
シャッタースピード 30~1/8,000秒、bulb、X=1/250
液晶モニタ 23.2万画素2.5型約23万画素2.0型
記録媒体 コンパクトフラッシュカード(Type I/II対応)、マイクロドライブ対応コンパクトフラッシュカード(Type I/II対応)、マイクロドライブ対応、SDメモリーカード
外部インタフェース USB 2.0 (Hi-Speed/Mini-Bコネクタ)IEEE 1394、カメラダイレクト用USB 2.0
電源 Li-ionリチャージャブルバッテリーEN-EL4、ACアダプタニッケル水素電源パックNP-E、ACアダプタ
撮影可能枚数(CIPA準拠) 約2,000コマ 約1,200コマ
本体サイズ 約157.5(W)x149.5(H)x85.5(D)mm約156(W)×157.6(H)×79.9(D)mm
本体質量 約1,070g 約1,215g

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