コニカミノルタフォトイメージングは、今まで展示のみを行っていた、ボディに光学手ブレ補正機能を内蔵したデジタル一眼レフカメラ「α-7 Digital」を正式に発表した。ボディ内に手ブレ補正機能を内蔵したため、あらゆるレンズで補正効果が得られる。11月中旬から発売を開始、価格はオープンプライス(実売想定価格は20万円弱)。
α-7 Digitalは、同社の一眼レフカメラ「α-7」の流れを受け継ぐデジタル一眼レフカメラで、2月に米国で開催されたカメラショー「PMA 2004」で開発表明が行われ、正式発表が待たれていた。
最大の特徴はボディに内蔵したCCDシフト方式の手ブレ補正機能。シャッタースピードで約2~3段分の補正効果があるとされており、CCD自体が手ブレを検知して補正するため、レンズを問わず手ブレを補正できる点がメリットとなる。従来、同社がコンパクトデジタルカメラに搭載してきた手ブレ補正機能「Anti-Shake」と同じ機構だが、「コンパクトデジタルカメラからCCDサイズが3倍に、補正のためにCCDを動かす距離が4倍に、CCDを動かすスピードが4倍になった」(同社)とのことで、設計には非常に苦労したという。
マウントはミノルタAマウントに対応。すべてのαシリーズ用交換レンズが装着できる。それらすべてのレンズで手ブレ補正効果があるとされ、同社によれば、この手ブレ補正機能の開発と、すべてのレンズでの検証にほとんどの開発期間が費やされたそうだ。
撮像素子は23.5×15.7mmのAPS-Cサイズ・610万画素CCDで、実際の画角はレンズ表記焦点距離の1.5倍に相当する。一般的に手ブレしないシャッタースピードは「1/焦点距離」とされており、α-7 Digitalの場合、たとえば焦点距離300mmのレンズでは35mm判換算で450mmになり、約1/500秒のシャッタースピードが必要になる。α-7 DigitalのAnti-Shakeを使えば、1/60秒~1/125秒でも手ブレの少ない撮影が可能になるわけだ。
画像処理エンジンには専用の「SUPHEED II」を搭載。画像補間能力の向上により高感度域でもノイズの少ない撮影が可能なほか、高速処理も実現している。画像処理技術としては「CxProcess III」を採用。旧コニカと旧ミノルタがそれぞれ保有する写真技術を結集して印象的な色再現、自然な解像感、透明感のある美しい写真が実現できる、という。
ボディは前カバーと底面にマグネシウム合金を採用。その他は炭素繊維入りエンジニアリングプラスチックを使用しており、耐久性・信頼性を確保しつつ、重厚なボディに仕上げた。
操作系ではα-7と同様にダイヤル&レバー方式を採用。「アナログからデジタルへのなめらかな移行」が開発コンセプトに掲げられており、露出補正ダイヤルと露出モードダイヤル、ホワイトバランスモードレバーの搭載など、従来の操作系を継承させた。
背面の液晶モニタは2.5型20.7万画素と大型高精細なものを搭載しており、撮影画像のチェックがより正確に行えるようになったほか、撮影時のカメラ設定や撮影情報などを表示する「ナビゲーションディスプレイ」機能を搭載。大きな文字でわかりやすく表示する上、縦位置撮影時には自動的に縦表示に切り替わる配慮がされており、撮影時の使いやすさを向上させている。
ファインダーには光学ペンタプリズムを採用、フォーカシングスクリーンには定評のある「スフェリカルアキュートマット」を使用しており、明るさとピントの合わせやすさを両立した。ファインダー倍率は0.9倍、視野率は95%。
撮影機能としては、高い動体追随性能を備えた中央クロス9エリア8ラインのAFセンサ、高速画像処理と大容量バッファによるRAWモードで約3コマ/秒・9コマまで、JPEGラージ・エクストラファインで同12枚までのハイスピード連写、コントラスト・彩度などの画質調整、色温度設定、白トビしてしまうような領域で微妙な階調を再現することもできるゾーン切り替え機能などを搭載。
そのほか、ISO感度はAUTO/ISO100/200/400/800/1600(3200に拡張可能)、ホワイトバランスはオート/昼光/日陰/曇天/フラッシュ/白熱灯/蛍光灯/カスタム/色温度設定、シャッタースピードは30秒~1/4000秒・バルブ、ガイドナンバー約12(ISO100・m)の内蔵フラッシュ、などを備える。
電源は充電式リチウムイオン電池×1で、撮影可能枚数は約400コマ(CIPA準拠)。本体サイズは150(W)×106(H)×77.5(D)mm、約760g。
コニカミノルタフォトイメージングの宮地剛社長は、同社でカメラ事業部長も兼務。陣頭指揮を執って開発を続けてきたそうで、「全力投球してきた」と述べる。旧ミノルタの持っていたカメラ・メーター技術、高精度測光・露出技術といったカメラ技術と、旧コニカの写真技術、感光材料技術といったフィルム技術が融合、「コニカミノルタしかできない一眼レフカメラができた」と自信を示す。
宮地社長は国内のデジタルカメラ市場が成熟、生き残りをかけ戦いが始まっていると指摘。生き残るためには独自の技術と企画力が不可欠として、それを具現化したものがα-7 Digitalだと強調する。同じような意見はカシオ計算機の鈴木洋三常務も主張しており、デジタルカメラメーカーの競争は今後さらに激しくなりそうだ。
同社では今回のα-7 Digitalを武器に、エントリークラスをのぞいた中上位機種で3割の市場シェア獲得を目指し、「(キヤノン、ニコンに並ぶ)3強を目指す」(宮地社長)考えだ。
| モデル | α-7 Digital | EOS 20D |
|---|---|---|
| 撮像素子 | 23.5×15.7mm CCD | 22.5×15.0mm CMOS |
| 有効画素数 | 610万画素 | 820万画素 |
| レンズマウント | ミノルタAマウント | キヤノンEFマウント(EF-S含む) |
| AF方式 | TTL位相差検出方式 | TTL-CT-SIR方式 |
| 連続撮影 | 約3コマ/秒・15コマまで(JPEG L-ファイン) | 最高約5コマ/秒・23コマまで(JPEGラージ/ファイン) |
| ISO感度 | ISO100/200/400/800/1600/3200(感度拡張) | |
| ホワイトバランス | オート/昼光/日陰/曇天/白熱灯/蛍光灯/フラッシュ/カスタム/色温度設定 | オート/太陽光/日陰/くもり/白熱電球/白色蛍光灯/ストロボ/マニュアル/色温度指定/ホワイトバランス補正/ホワイトバランスブラケティング |
| シャッター速度 | 1/4000秒~30秒、バルブ、X=1/160秒(手ブレ補正OFF)・1/125秒(手ブレ補正ON) | 1/8000秒~30秒、バルブ、X=1/250秒 |
| ファインダー | ペンタプリズム/アイレベル式・視野率上下/左右95%・倍率0.9倍 | |
| 液晶モニタ | 2.5型TFT液晶 20.7万画素 | 1.8型TFT液晶 11.8万画素 |
| 内蔵ストロボ | ADI調光/P-TTL調光・ガイドナンバー12(ISO100相当・m) | E-TTL II自動調光・ガイドナンバー13(ISO100相当・m) |
| 記録媒体 | CFカード TypeI/II、SD/MMC(アダプタ使用時) | CFカード TypeI/II |
| 電源 | 充電式リチウムイオン電池 NP-400×1 | バッテリーパックBP-511A/BP-514/BP-511/BP-512×1 |
| 撮影可能枚数 | 約400枚 | 約700枚(ストロボ50%発光) |
| 本体サイズ(W×H×D) | 150×106×77.5mm | 144×105.5×71.5mm |
| 質量(本体のみ) | 760g | 685g |
α-7 Digital発表に合わせ、新しいレンズも発表された。「コニカミノルタ AF ズーム 17-35mm F2.8-4(D)」「コニカミノルタ AF ズーム 28-75mm F2.8(D)」の2本で、いずれも発売は11月中旬から、価格はそれぞれ68,500円(税別)、56,000円(税別)。
いずれも非球面レンズ、ADガラスを内蔵、円形絞りを採用しており、美しいボケ味を実現している。距離エンコーダを搭載し、レンズ内情報を活用して、内蔵フラッシュと外部フラッシュの調光が行えるADI(Advanced Distance Integration)調光にも対応する。
RAW現像ソフト「コニカミノルタ ディマージュ マスター」は、画像の整理、分類、レタッチ、RAW現像、プリントまでを行える。11月下旬の発売で、価格は18,500円(税別)。
新たに開発した三次元ルックアップテーブル色変換方式RAW現像エンジンを搭載、より正確な色再現を可能にした。各種色空間の設定やICCプロファイルによるカラーマネジメントにも対応する。
そのほか、画像を複数並べてヒストグラム同時表示、ホワイトバランス比較ツール、フォーカスチェックツールなどを用いて、数値的、視覚的にベストショットを選択することができるなど、各種の機能を備えた。
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