NVIDIAは23日、先日のSIGGRAPHで発表されたメインストリーム向けの最新GPU「GeForce 6600シリーズ」製品および、2枚のGPUをリンクさせることでスケーラブルにGPU性能を向上させるテクノロジ「SLI」を国内で披露した。
同社デスクトップGPU担当プロダクトマネージャーであるジェイソン・ポール氏の製品説明によると、GeForce 6600シリーズは、GeForce 6800シリーズと同様の表現力(Shader Model 3.0)を有し、処理能力を拡張できるSLIに対応(GeForce 6600GTのみ)、そして最新のゲームタイトル「Doom 3」に対応している点が特徴とされる。
GeForce 6600は既報のとおり、GeForce 6シリーズのメインストリーム向けカードであり、描画性能・製品セグメントとしてはハイエンド製品のGeForce 6800シリーズの下に位置づけられる。GeForce 6600シリーズは、PCI Expressネイティブ設計されたGPUであり(つまり、PCI ExpressのGeForce 6600シリーズはHSIを利用していない)、製造ラインにはTSMCの110nmプロセスを採用する。このあたりもGeForce 6800シリーズとの違いがあるが、メインストリーム向け製品ということもあり、メモリ接続バスは128bit接続、ピクセルパイプラインは8本までと、それぞれ半減される。同社が提示する製品ラインアップはGeForce 6600GTおよびGeForce 6600の2つ。このうちGeForce 6600GTは、GPUの並列化技術「SLI」に対応しており、このSLI時の性能はGeForce 6800に迫るとされる。
Doom 3の世界を余すことなく表現できるというGeForce 6600シリーズでは、リアリスティックな表現にUltraShadow IIで生成される陰影表現がドラマチックな追跡シーンを演出できる、という。Doom 3では1024×768、32bit、4xAA、8x異方向性フィルタ、あるいは1600×1200、32bitモードで42フレーム/秒という処理能力を持つとされる。Shader Model 3.0対応予定のゲームも「EverQuestII」や「Far Cry」をはじめ、今後次々と登場する予定となっており、最新ゲームを最高のグラフィック表現で楽しめるメインストリーム向けカードとしてGeForce 6600シリーズは見逃せないだろう。
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Doom 3を高画質で快適に楽しめるメインストリーム向けGPUがGeForce 6600GT |
競合製品との性能比較。Doom 3では3倍とされるほか、GeForce 5700からのアップグレードにも有効 |
そのほか、Shader Model 3.0やSLIの影となって見逃しがちだが、GeForce 6600のポイントとして、これからのトレンドになるであろう、ホームシアターPCでの動画再生の品質を向上させるための技術が搭載されている点も挙げられる。動画再生関連の機能に目を向けると、デインタレーシング、インヴァース 3:2プルダウン、モーション・エスティメーション・エンジン、WMV9 アクセラレーションなどの機能があり、TV映像などをPCで再生するために生じるブレなどを補正、表示すると説明されている。なお、この機能はForceWareドライバでサポートされる予定であり、今後登場するバージョンで機能をオンにできるとのことだ。
注目のSLI技術については同社アジア・パシフィック テクニカルマーケティングマネージャーであるオング・ツェー・リン氏が解説を行った。これも既報のとおり、GPUを並列化することで、スケーラブルに処理能力を向上させるためのもの。1本目のSLI対応GPUをPCI Express x16に、2本目(同じメーカー、同じ製品とされる)のSLI対応GPUをx16レーン形状のx8もしくはx4以上に挿し、両GPU間を高速デジタルインタフェースで結ぶことによって利用可能となる。なお、この高速デジタルインタフェースについては現在FIX作業中であり、その仕様は明らかにされていない。GeForce 6600GTのカード側には実装されるが、しばらくは仕様の策定待ちになるだろう。
デモンストレーションはSUPERMICROのデュアルXeonマザーボード(Xeonは1基)とSLI対応のGeForce 6800を用いて行われた。SLIのロジック自体はNV4x系のチップに実装されており、現在SLIを利用可能とされているのはGeForce 6800シリーズとGeForce 6600GTの2つ。GeForce 6600GTは9月中旬~10月頃に、SLIに対応したGeForce 6800シリーズは年末に登場する予定だ。
SLIで高速化できる仕組みは、「ダイナミック・ロード・バランシング・アルゴリズム」に秘密がある。1シーンを、描画処理内容から適切な負荷バランスで上下に分割し、それぞれのシーンをそれぞれのカードが描画、2つのシーンを合成して出力するという仕組みだ。同社が買収した3DfxのSLI(Scanline Interleave:スキャンラインごとに別のカードでレンダリングする)とは似て非なる点、その弱点を克服した点が強調された。SLIでは、処理性能を理論値としては2倍、現在テストしているなかでの最高値(GeForce 6800 Ultraを使用)としては1.87倍にまで高めることが可能になったと説明した。また、より高解像度で出力する際にも、SLIは有効であると付け加えた。
ところで、現在SLIを利用できるマザーボード(PCI Express x16およびSLIに適合する位置にPCI Express x16形状のx8を搭載する製品)は非常に限られており、しかもそれはワークステーション向けのXeonシステムである。同社では、数多くのマザーボードベンダーと交渉中であるとし、数カ月以内により多く、より価格を抑えた(コンシューマニーズに合った)製品を提供できるようにしたいとコメントしている。加えて、同社は明らかにしていないものの、チップセットも製品に持つNVIDIAであるから、自社の機能を活かすためのチップセットプランは容易に想像できるところで、こちらも期待したいところだ。
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NV40系GPUにはSLI用のロジックが組み込まれている |
SLI動作の仕組みがよく分かるデモンストレーション。赤部分と青部分をそれぞれ別のGPUでレンダリングし、最終的に合成して出力される。これがシーンに合わせてダイナミックにロードバランシングされる |
このSLI対応マザーボードが無い状況下でSLIのメリットをどのようにアピールしていくかが重要と見られるが、オング・ツェー・リン氏は、ゲームで扱うデータ量が日々増大している点を挙げる。つまりこのデータの増大に柔軟に対応できる点がSLIの利点というわけで、同社の説明としては、まずGeForce 6600GTでゲームを楽しみ、数カ月の後に(新しいゲームが登場したなどの理由で)よりパフォーマンスを欲した際にSLIで性能を増強するといったステップアップグレードの構図を想定している。
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