「要望にすべて応えたクリーンナップ」 - デジタル一眼レフ「EOS 20D」

キヤノンは、有効画素数820万画素のCMOSセンサーを搭載したデジタル一眼レフカメラの新製品「キヤノン EOS 20D」を発表した。「EOS 10D」の後継機種となり、画素数を上げたほか、高速連写/起動などの基本スペックを向上。さらに画像処理エンジン「DIGIC II」搭載、EF-Sレンズ対応などを実現した。発売は9月下旬から、価格はオープンプライス。実売想定価格は、本体のみで19万円前後、「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」とのセットが21万円前後、「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」とのセットが26万円前後。

EOS 20D(EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM装着時)

本体背面

撮像素子には有効画素数820万画素の新開発CMOSセンサーを搭載。センサーサイズは22.5×15mmのAPS-Cサイズで、10Dとほぼ同等サイズのため、焦点距離はレンズ表記焦点距離の約1.6倍になる。センサーの画素サイズは10Dよりも小さくなったものの、上位モデルである「EOS 1D MarkII」にも搭載された第2世代オンチップノイズ除去回路を内蔵したことで固定パターンノイズやランダムノイズが低減され、ISO3200時でも10Dよりノイズが少ない、という。またシャッタースピード1秒以上の長秒時露光時に働くノイズリダクション機能も新たに搭載している。

画像処理エンジンには1D MarkIIと同じ新映像エンジン「DIGIC II」を搭載する。従来のDIGICと比べて数倍の高速処理が可能とされており、より高精度なホワイトバランス、高輝度域で約1/3~1/2段分の広ダイナミックレンジを実現しているそうだ。さらに1D MarkIIと同じ3枚構成のローパスフィルターによる高精細で自然な色再現も実現しているという。

新開発のCMOSセンサー

またDIGIC IIの高速処理に加え、CMOSセンサーの特長を生かした4チャンネル読み出しにより、8.2メガのフルサイズ画像での高速連写を可能にした。キヤノン純正CFカード(512MB)使用時で、JPEGラージ/ファインの画像なら5コマ/秒・23コマまでの撮影を実現。10Dが同条件で3コマ/秒・9コマまでだったので、大きく高速化を果たしている。

高速化ではほかに起動時間は10Dの2.2秒から0.2秒に、レリーズタイムラグは同90msから65msに、ファインダー像消失時間は140msから115msにそれぞれ短縮された。

AFポイントも10Dの7点から9点に拡大。中心に高精度F2.8対応中央横センサーとF5.6対応中央(縦/横)クロスセンサーを、その周囲にF5.6対応周辺センサーを配置したことで、高速・高精度なAFを実現した。

本体背面には、ジョイスティックタイプの「マルチコントローラー」を搭載しており、9点の測距点から任意の1点を簡単に選択できるほか、マルチコントローラーはホワイトバランス補正や拡大再生時のスクロールなどの操作時にも活用できる。

専用のバッテリーグリップ BG-E2も用意。単3形乾電池×6での駆動にも対応

シャッターユニットもAPS-Cサイズ専用に新開発された小型のもので、シャッタースピード1/8000秒、ストロボ同調でも1/250秒を実現したほか、小型ユニットによって本体の小型化にも貢献している。

本体サイズは、小型シャッターユニットや本体構造のコンパクト化により10Dから約5.7(W)×2(H)×3.5(D)mmの小型化、約105gの軽量化を実現。ボディの外装は10Dと同様マグネシウム合金を採用している。そのほか、EOS Kiss Digitalから採用されたデジタル一眼レフカメラ用のレンズマウントEF-Sにも対応した。

本体内部構造。またフラッシュは10Dよりも高い位置までポップアップするようになった

○10Dとの比較

モデル20D10D
撮像素子22.5×15.0mmCMOS22.7×15.1mm CMOS
有効画素数820万画素630万画素
レンズマウントキヤノンEFマウント(EF-S含む)キヤノンEFマウント(EF-S除く)
AF方式TTL-CT-SIR方式
測距点9点7点
連続撮影最高約5コマ/秒・23コマまで(JPEGラージ/ファイン)最高約3コマ/秒・9コマまで
ISO感度ISO100/200/400/800/1600/3200(感度拡張)
ホワイトバランスオート/太陽光/日陰/くもり/白熱電球/白色蛍光灯/ストロボ/マニュアル/色温度指定/ホワイトバランス補正/ホワイトバランスブラケティングオート/太陽光/日陰/くもり/電球/蛍光灯/ストロボ/マニュアル/色温度/色温度補正
シャッター速度1/8000秒~30秒、バルブ、X=1/250秒1/4000秒~30秒、バルブ、X=1/200秒
ファインダーペンタプリズム/アイレベル式・視野率上下/左右95%・倍率0.9倍ペンタプリズム/アイレベル式・視野率上下/左右95%・倍率0.88倍
液晶モニタ1.8型TFT液晶 11.8万画素
内蔵ストロボE-TTL II自動調光・ガイドナンバー13(ISO100相当・m)E-TTL自動調光ストロボ ガイドナンバー13(ISO100相当・m)
記録媒体CFカード TypeI/II
電源バッテリーパックBP-511A/BP-514/BP-511/BP-512×1バッテリーパックBP-511/BP-512×1
撮影可能枚数約700枚(ストロボ50%発光)約500枚(ストロボ50%発光)
本体サイズ(W×H×D)144×105.5×71.5mm149.7×107.5×75mm
質量(本体のみ)685g790g

デジタル一眼レフカメラの市場が拡大している中、同社のシェアをさらに拡大するために投入される製品とされており、同社デジタル一眼レフカメラの「クリーンナップを担う製品」(キヤノン販売 常務取締役 コンスーママーケティングカンパニープレジデント 芦澤光二氏)と位置づける。また、同社は20Dの開発にあたり、10Dユーザーなどからの要望を積極的に取り入れて開発を行ったとしており、要望された内容についてはその多くに対応しており、未対応の要望が「すぐに思いつかない」(同社)レベルにまで要望の解消を図ったそうだ。

同社では今年のデジタル一眼レフカメラ市場を242%増の40万台、来年は65万台に達すると見ており、その中で50%のシェア確保を目指していく意向で、人気のKiss Digitalと、ハイアマチュアから一般ユーザーまで幅広い層をターゲットとする20Dでシェア拡大を狙う。

〇EF-Sレンズも2製品が新登場

Kiss Digitalに続いてようやくEF-S対応モデルが登場するが、それに合わせて初めてEF-Sレンズが単品で発売される。今回発表されたのは、「EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM」「EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM」の2製品で、APS-Cサイズの撮像素子に最適な光学系とメカ構造を採用、画面サイズに合わせてイメージサークルを小径化、レンズ最終面から撮像面までの距離を短くしたショートバックフォーカス光学系を採用して小型・軽量化が実現している。

EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM

EF-S10-22mm F3.5-4.5 USM

EF-S17-85mm F4-5.6 IS USMは、5倍ズームの標準レンズ。焦点距離が1.6倍になる20D/Kiss Digitalに装着したときの焦点距離は27~136mm(35mm判換算時)になる。EFレンズ初という両面非球面のガラスモールド非球面レンズ×1を採用した12群17枚構成のレンズで、レンズ配置とコーティングの最適化でフレアやゴーストの発生を最小限に抑制、高画質を実現しているという。

さらに手ブレ補正機能を搭載。シャッタースピードで約3段分の補正効果を備えるほか、フルタイムマニュアルフォーカスにも対応する。そのほか、最短撮影距離0.35m(ズーム全域)、円形絞り、インナーフォーカス、リングUSMと高速CPU、最適化されたAFアルゴリズムによる高速AFなどの機能を備える。本体サイズは78.5(最大径)×92(全長)mm、475g、フィルタ径は67mm。発売は9月下旬で、価格は87,000円。

EF-S10-22mm F3.5-4.5 USMは、APS-Cサイズのデジタル一眼レフで超広角撮影を可能にするレンズで、35mm判換算時で16~35mmの焦点距離を実現。ガラスモールド×2・レプリカ×1という2種類の非球面レンズとスーパーUDレンズ×1を備えた10群13枚構成。上記EF-S17-85mm F4-5.6 IS USM同様、フレアやゴーストの発生も最小限に抑制されており、同社によれば、EF16-35mm F2.8L USMに匹敵する高画質を実現している、という。サイズもEF16-35mm F2.8L USMに比べて全長で13.2mm、質量で215g、それぞれ小型軽量化した。

そのほか、円形絞り、高速AF、フルタイムマニュアルフォーカス、最短撮影距離0.24mなどの機能を備える。本体サイズは83.5(最大径)×89.8(全長)mm、385g、フィルタ径は77mm。発売は11月下旬で、価格は98,000円。

また、Kiss Digitalのセットレンズとして登場、単体発売は行われていなかった「EF-S18-55mm F3.5-5.6 USM」も単独で販売されることになった。発売は9月下旬で、価格は30,000円。

最上位の外部ストロボも後継が登場

アクセサリでも、同社の外部ストロボ「スピードライト 550EX」の後継となる「同 580EX」が登場した。同シリーズ最大となるガイドナンバー58(ISO100・m)、超高輝度3LED構成のAF補助光ユニット14mmの画角にも対応する内蔵ワイドパネル、キャッチライトパネル、14種類のカスタム設定、セレクトダイヤル採用などによる操作性の向上、左右180度まで回転する発光部、約25%短縮されたリサイクルタイム、といった大幅な機能向上が図られた。

スピードライト 580EX

またカメラ側から画面サイズのデータを受信、認識する「画面サイズ対応自動ズーム制御」、ストロボ光の色温度情報をカメラに伝達する「色温度情報通信」という2つのデジタル一眼レフ対応機能を搭載する。なお、色温度情報通信は20Dと1D MarkII(ファームアップで対応予定)のみで利用できる。発売は10月下旬で、価格は55,000円。

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