MSN、Blogサービス「MSN Spaces」を開始 - 日本でこそ開花するサービスを

  [2004/08/04]

トラックバックやシンジケーション、RSS配信などの機能を備え、簡単な操作で日記サイトなどの構築ができるBlogサービスは、ISPを初め多くのサービス事業者が提供しており、国内でも一般化してきている。そうした中、マイクロソフトがポータルサイトのMSNにおいてBlogサービス「MSN Spaces(MSNスペース)」を開始する。携帯電話向けコミュニティサービス「魔法のiらんど」を運営するティー・オー・エスと提携、日本発のサービスとして提供を行う。10日からはベータサービスを開始、秋には正式サービスを開始する予定だ。

「WebサイトへのアクセスとEメールが中心のコミュニケーションは、いろいろな意味で限界が来た」。マイクロソフトの古川享・執行役最高技術責任者兼米Microsoftコーポレートバイスプレジデントはこう語る。従来のサイトを訪問したり、Eメールの返事をする、といったインターネット上の双方向性ではなく、新しいタイプの双方向性が必要とし、そのツールがBlogなのだという。

マイクロソフトの古川享氏

Blogの特徴

古川氏によれば同社は元々、MSN HotmailやMSN Messenger、国内開発の名刺管理ソフト「Office InterConnect 2004」などの「ヒトをつなげる」取り組み、開発者向けのMSDN、サポートサービス「答えてねっと」、学生向けの開発支援サイト「theSpoke」といった「コミュニティを育む」取り組みを実施してきた。それに対してBlogは、RSSによるプッシュ型配信、モバイル対応、トラックバック(双方向リンク)、サイト連携を実現するシンジケーションといった機能に加えて高い操作性を備えており、個人が中心となっての情報発信、質の高いコミュニティの自然形成といった新しい価値を形成している、という。同社が実現を目指す方向の延長線上にBlogが存在、これをサービスとして導入することで、同社はさらに「ヒトをつなげる」「コミュニティを育む」ことの実現を目指す。

マイクロソフトの今までの取り組み

XMLが実現する世界の一つにBlogが存在する

古川氏はBlogについてメールとWebサイトの中間に位置する、と指摘。「日本でこそ開花するサービス」と強調する。同社によれば日本は米国に比べ、Webサイトなどの「メンバーコミュニティ」への参加者が約2倍いるそうだ。「発信する人も読む人も多いカルチャーがある」(マイクロソフトMSN事業部サービス部コミュニケーションサービスグループ 丸岩幸恵ディレクター)。さらに、携帯電話のインターネット対応率にいたっては8倍以上となっており、9割の携帯電話がインターネットに対応している。そして「他国にはない現状」(丸岩氏)というのが、平均1時間の通勤時間だ。電車通勤では、乗り換えなどで手の空く時間が細切れであり、そうした短時間のインターネット利用に、携帯電話が使われている。こうした背景から、丸岩氏は携帯電話対応のBlogサービスが日本で成功するとした。

日本でこそBlogは開花する、としてMSNスペースは日本から発信される

そのため、今回のMSNスペースは、ティー・オー・エスと協業して国内で企画され、米本社の開発チームと協力して開発が進められた。「日本語化しただけでなく、日本からのアイデアを盛り込んで作り上げている。日本発のアイデアを世界に広めていくムーブメントとして位置づけてもいい」(古川氏)という。

10日から開始されるベータサービスでは、ファイル容量10MBを提供。PC・携帯電話からの閲覧、更新が可能で、順次パーソナライズ、デザインテンプレート、Windows Media Playerとの連動、Mac OS Xのサポートなどが追加されていく予定だ。丸岩氏は、PCからは長いエントリの記入やトラックバックなどの作業を、携帯電話からは簡単な投稿や携帯電話で撮影した写真の投稿、Blogの閲覧、コメントの投稿といった使われ方を想定しており、それぞれの使われ方に見合ったユーザーインタフェースに気を使ったという。もちろん、携帯電話、PCそれぞれ単体でも利用可能だ。

またMSNの他サービスとの連携も検討されているようで、特にHotmail/Messengerとは早い段階で連動させる意向だ。

MSNスペースでのユーザーシナリオ

サービスが成功するためには、豊富な機能とMSNサービスとの連携、安全性を提供、ユーザーが集まり、コンテンツが増える好循環を目指す

さらに、ティー・オー・エスの完全子会社である「iPolice(アイポリス)」がBlog内容を確認。犯罪に関わるものやプライバシーの侵害、その他問題のあるような投稿などを監視、警察との連携や投稿の削除といった安全性の確保やユーザーサポート支援の提供も目指す。

MSNスペースの画面

携帯電話でアクセスしたもの。携帯電話はNTTドコモ、auの端末に対応。正式サービス時にはボーダフォン端末にも対応予定だ

携帯電話でも写真を閲覧できる

MSNスペースは正式サービス後も無償で提供、広告収入を収益源としつつ、ユーザーニーズを測りながら、機能を追加した有償サービスへの展開も検討されている。当初1年間で100万人のユーザー獲得を目指しており、この数は国内Blogサービスでは最大級になるそうだ。なお現在米Microsoftは、Blogサービス単体での提供を行っていないが、今回のサービスを海外でも開始することについては現時点では未定、としている。

ティー・オー・エス代表取締役の谷井玲氏

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