WebアクセシビリティのJIS規格が公開

    石田優子  [2004/06/21]

    6月21日、Webアクセシビリティを規定した日本工業規格(JIS)が交付された。正式名称は「JIS X 8341-3 高齢者・障害者等配慮設計指針 - 情報通信における機器、ソフトウェア及びサービス - 第3部:ウェブコンテンツ」となっており、5月20日に先に交付された「第1部:共通指針」「第2部:情報処理装置」との3部構成になっている。WebコンテンツのJISでは、高齢者や障害者がWebコンテンツの情報アクセシビリティを確保、向上させるために、規格、設計、開発、保守および運用のすべての工程において配慮すべき事項を規定している。

    Webコンテンツとはインターネットやイントラネットで閲覧されるWebサイト以外にもCD-ROMなどの記録媒体を介して配布される電子文書なども含まれる。基本方針としては、Webコンテンツを企画、制作するときに、可能な限り高齢者・障害者が操作、または利用できるようにすることを目的としている。

    基本的要件としてはWebコンテンツについて、(1)視覚による情報入手が不自由な状態であっても操作、または利用できる(2)聴覚による情報入手が不自由な状態であっても操作、または利用できる(3)特定の身体部位だけを想定した入力方法に限定しないで、多様な身体部位で操作、または利用できる(4)身体の安全を害することなく操作、または利用できる--ことが挙げられている。

    また推奨要件で認知・記憶障害者への配慮が見られるほか、閲覧環境をできるだけ限定しないことや、情報通信機器に不慣れな利用者でもWebコンテンツを操作、または利用できることが挙げられている。

    このJIS規格はWebアクセシビリティガイドラインの世界標準であるW3CのWCAG(Web Content Accessibility Guidelines)1.0にほぼ対応しているが、HTMLやXMLなどのマークアップ言語に依存しない一般的な指針となっている。それに対して「参考」「例」あるいは付属書中で、具体的なアクセシビリティ向上の技術について述べられており、デザイナーや制作者がアクセシビリティを実装する時の参考となる。

    これまで日本ではWebアクセシビリティについて明確な指針がなかったが、このJIS規格の登場によって、政府や自治体など公共性の高いWebサイトのアクセシビリティ向上が期待される。また企業においても自社サイトのアクセシビリティの見直しの機運が高まっており、日本におけるWebアクセシビリティの発展の大きな原動力となる規格と言える。

    なお、今回のJIS規格は、日本規格協会のWebサイトから購入が可能だ。

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