ついに民間機で初の宇宙飛行へ! 無事帰還後に記念フォトセッションもOK

    湯木進悟  [2004/06/03]

    米Scaled Compositesは、これまで同社が独自に開発を進めてきた「SpaceShipOne」により、初の宇宙飛行に挑戦する計画を発表した。今月21日にフライトが予定されており、高度100キロメートルの上空を目指すことになる。

    上空を飛ぶSpaceShipOne

    同社を率いるBurt Rutan氏は、その設計飛行機「Voyager」によって、1986年に無着陸で世界一周飛行に成功したことで知られており、近年は民間企業による宇宙旅行の実現を目標とする、SpaceShipOne関連のプロジェクトで世間を賑わせてきたと言えるだろう。今回の発表を前に、先月13日には最終段階のテスト飛行が行われており、SpaceShipOneは高度211,400フィート(約64.4キロメートル)の上空へと到達する仕上がりを見せたとされている。

    SpaceShipOneを載せて飛ぶWhite Knight

    最終的な離陸時刻は天候などの影響を考慮しつつ決定されるものの、今月21日の早朝6時30分に、打上げで使用する特殊設計機「White Knight」が、米国カリフォルニア州のMojave Civilian Aerospace Test Centerより、SpaceShipOneを載せて上空へと飛び立つ予定。高度約50,000フィート(約15.2キロメートル)に達した時点で、SpaceShipOneはWhite Knightから切り離され、ロケットエンジンに点火が行われるという。約80秒間のロケットエンジン噴射により、SpaceShipOneはマッハ3のスピードを得て、目標とされている高度100キロメートルの宇宙空間まで到達する見込みになっているようだ。この時、SpaceShipOneのパイロットには、3~4Gの重力がかかることになるという。その後、パイロットは機体の姿勢を整えて地上への帰還を目指し、午前8時頃にはMojave Civilian Aerospace Test Centerの滑走路に着陸する予定になっている。

    高度約30キロメートルをロケットエンジンで飛行するSpaceShipOne

    「1961年のユーリ・ガガーリンの時代より、これまでに実施されてきた全宇宙計画は、政府の主導するプロジェクトになるものばかりだった」と語るRutan氏は、SpaceShipOneによって、民間企業の手になる宇宙飛行が実現し、より宇宙が人々の身近なものとなっていくことへの期待を表明している。同社に資金面で多額の援助をしているとされる、米VulcanのPaul G. Allen氏は、今回のフライトが「航空業界および宇宙飛行の歴史において、最も興奮を誘う出来事に数えられる」と評した。

    これまで非公開で行われてきたSpaceShipOneのテスト飛行とは大きく異なり、今回のフライトは一般公開イベントとして広くアナウンスされているという。無事に帰還した後は、現地に足を運んだ人々の前に、SpaceShipOneを披露する計画も立てられており、自由な写真撮影も許可されるようだ。当日はパイロットへのインタビューなども行われるとされ、同社は、可能なら親子で一緒に現地を訪れ、この歴史的な宇宙飛行の成功の瞬間を見るようにとの招待を差し伸べている。

    なお、SpaceShipOneの定員は3名となっており、今回のフライトが成功すれば、いよいよ同社はUS1,000万ドルの賞金がかかった「Ansari X Prize」コンテストの優勝チームとなるべく、3人を乗せた宇宙旅行計画に進むことになるようだ。同コンテストでは、「RLV(Reusable Launch Vehicle)」と呼ばれる飛行機の開発が条件となっており、宇宙旅行から無事に帰還したなら、同一の機体を用いて、2週間以内に再度飛行することが求められているという。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン