ハッブル宇宙望遠鏡にロボットが挑む! 究極のミッションをNASAが計画

    湯木進悟  [2004/06/02]

    米航空宇宙局(NASA)は、老朽化が進むハッブル宇宙望遠鏡のメンテナンス作業にロボットを用いる新計画を発表した。具体的なミッションの詳細は定まっておらず、現在は多方面より実用案を募集する段階へと進んでいる。

    新計画は、NASAのSean O'Keefe長官が自ら、米国コロラド州デンバーで開催中のアメリカ天文学会(AAS: American Astronomical Society)の年次総会にて明らかにしたもので、2007年末までに、地上から遠隔操作できるロボットを活用したミッションを遂行して、ハッブル宇宙望遠鏡のバッテリやジャイロスコープの交換など、補修作業を実施する必要性を説いた。大幅な改良を進めて、より性能を向上させたハッブル宇宙望遠鏡で観測を続けていきたいとの期待も表明されている。

    O'Keefe長官は、今回の発表に当たり、ハッブル宇宙望遠鏡の存続に多大な努力を傾ける意義を、これまでの成果を例に挙げつつ強調した。ブラックホールの存在やクエーサーの実態、星が誕生する瞬間や死を迎えた星の姿などが、観測結果を通じて明らかになったとされており、宇宙誕生より現在までの経過年数や、常に拡大を続ける宇宙の様子などの解明に大きく貢献したとされる。

    ハッブル宇宙望遠鏡の修理メンテナンス作業には、スペースシャトルに搭乗した宇宙飛行士が臨んでおり、過去に4度のミッションが遂行されてきたという。すでに5度目のミッションが予定されていたものの、スペースシャトル「コロンビア号」の事故によって、当初の計画は大きな変更を余儀なくされたようだ。危険を伴う宇宙飛行士の船外活動によるミッションは中止が決定しており、O'Keefe長官は、にわかに登場したロボットによるハッブル宇宙望遠鏡の補修計画は、2007年末の期限が迫っているため時間との闘いになるとの考えを明らかにしている。

    現在、NASAのハッブル宇宙望遠鏡プロジェクトチームおよび宇宙望遠鏡科学研究所(STScI: Space Telescope Science Institute)が一丸となって、新たなミッションの準備を進めているという。また、スペースシャトルから最後のメンテナンス作業に携わったJohn Grunsfeld博士も、プロジェクトに尽力していることが発表された。

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