電気街をIT拠点にする「秋葉原クロスフィールド」が2006年春完成へ

    大川淳  [2004/04/20]

    秋葉原クロスフィールドの完成予想図

    秋葉原にIT産業の拠点を構築、秋葉原の街の再開発を目指す計画を進めているNTT都市開発、ダイビル、鹿島は、2つの超高層ビルで構成される、この構想の中核となる施設の名称を「秋葉原クロスフィールド」と決定した。「秋葉原ダイビル」が2005年5月に、「秋葉原UDX」が2006年3月に竣工する予定で、世界有数の電気街を活かした、新たな街づくりが本格的に動き出す。

    「秋葉原クロスフィールド」では、これら2棟のビルが「産官学連携機能」「情報ネットワーク」「集客等」の3つを備え、IT産業振興を支える拠点と位置づけられる。秋葉原ダイビルは地上31階、地下2階で、2003年5月に着工している。中低層階に「産官学連携機能」を担わせ、大学、企業などの協力を得て研究、教育ができる場や情報交流センターを設けるほか、ベンチャー企業を育成する事業者を集める。また、データセンターを置き、ギガビット級の大容量ネットワークに対応することを検討している。

    「秋葉原UDX」は地上22階、地下3階で、2003年8月に着工している。1-4階の低層部を「IT&集客機能スペース」とし、飲食店街、ショールーム、イベントスペース、子供向けにIT関連機器の体験などができるデジタルワークショップなどを設置する。2つのビルはいずれも高層階はテナントオフィスとして利用、事業所などが入る。また両ビルは、JR秋葉原駅電気街口駅前とデッキでつなぎ、人の流れを円滑化することを図る。

    この事業は、2001年に東京都が打ち出した「秋葉原地区まちづくりガイドライン」に準拠している。ガイドラインでは「電気街の魅力や高い知名度に支えられた集客力を活用し、IT関連産業の世界的拠点を形成していく」としており、これに基づいた秋葉原駅前の都有地売却の公募が実施され、NTT都市開発、ダイビル、鹿島で構成するグループが落札、開発を進めてきた。

    秋葉原は家電、パソコンなどを販売する国内の商店街としては、まさに王者として君臨してきたが、近年、大手量販店、パソコン専門店が、この街を取り囲むように各ターミナル駅や繁華街に巨大な店舗を開設、さらには郊外にも大型店を配置するなど、かつての地位が揺らぎ、地盤沈下との声もささやかれている。この再開発計画は、秋葉原復権への起死回生の一打となるのか。

    ある関係者は「最近、品川や汐留で進行している再開発と比べ、秋葉原の場合、まったく新しく街をつくるのではなく、すでに成熟している既成市街地での街づくりであり、知名度、類まれな立地条件、街のもつ潜在力を取り込み、相乗効果が期待できる。他地区にはない魅力をもった街にできる」と話す。

    「クロスフィールド」の名は、JR線、地下鉄、さらには2005年開業のつくばエクスプレスを含めれば6本の鉄道が「クロス」することと、さまざまな情報が「クロス」して次世代の産業を育成する、との意味を込めているという。いわば老舗の集合体とITを基盤とした新発想の「クロス」は、この街をどのような方向に導くだろうか。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン