あのAllen氏が巨額出資する350台の望遠鏡群が始動へ - 宇宙人の探索強化に

      [2004/03/22]

    設置されたATAのプロトタイプ

    米SETI Instituteおよび米国カリフォルニア大学バークレー校(UC Berkeley)は、多数の電波望遠鏡を結んで世界最高レベルの観測性能を実現する「Allen Telescope Array(ATA)」建設プロジェクトの最新計画を発表した。資金面でPaul G. Allen氏より多額のサポートを受けることも明らかにされている。

    1975年にBill Gates氏と共同でMicrosoftを設立したことで知られるAllen氏は、Allen Foundationなどを通じて、数々の革新的な技術開発に取り組む民間企業団体へ出資する形で援助の手を差し伸べており、これまでにUS1,150万ドルの資金がATA研究開発をサポートするために提供されたという。SETI InstituteとUC BerkeleyのRadio Astronomy Laboratory(RAL)が進めてきた過去3年に及ぶ共同研究の成果として、すでに初期の開発段階は終了したことが発表されており、今後は実際の建設プロジェクトが始動していくようだ。

    ATAは、巨大なアンテナを搭載する電波望遠鏡を建設して観測性能を高めるのではなく、350台の小型アンテナ(直径6.1メートル)を装備した電波望遠鏡を光ファイバーで結んで「ATA-350」の完成を目指し、世界でもトップクラスの優れた電波望遠鏡をユニークなアイデアで実現するとされている。まずは第1段階として、32台の小型アンテナを結ぶ「ATA-32」の建設プロジェクトが、米国カリフォルニア州サンフランシスコの北東290マイル(約470キロメートル)に位置するHat Creek天文台で進行し、年内に稼動予定。続いて第2段階として、さらに174台のアンテナを追加して全206台を連結させる「ATA-206」の完成が目標に定められている。

    Hat Creek天文台へとATAを搬入

    一般的な宇宙観測のみならず、地球外知的生命体の探索を主眼としたATA-350は、SETI Instituteが実施する探査性能を最大300倍は向上させることになるとも期待されており、Allen氏は「宇宙の起源に関する理解を深めることにつながる成果を出せるかもしれない」と語っている。同氏はATA-350によって、将来的に新たな望遠鏡の建設コンセプトが築かれることも視野に入れつつ、ATA-206の完成までに、さらにUS1,600万ドルを出資する意向を明らかにしたという。

    なお、ATA-350に向けては今後もスポンサーが求められており、総額US6,200万ドルの資金提供を呼びかける「The Quest」キャンペーンがアナウンスされている。出資者に対しては、ATA-350の建設プロジェクトおよび完成後の観測活動などに参加する道が開かれ、SETI InstituteのCEOであるTom Pierson氏は、国際的に広くスポンサーを募集していきたいと考えているようだ。

    関連記事

    関連サイト

    新着記事

    特設サイトの情報

      人気記事

      一覧

        イチオシ記事

        新着記事

        特別企画

        マイナビニュースマガジン