通信産業の業界団体、情報通信技術委員会(TTC)は、DSL専門委員会のスペクトル管理サブワーキンググループ(SWG)の第7回会合を開催した。前回の会合では、ADSLの上り高速化技術について、長野県協同電算などから「下りの速度が低下する」ことを理由に、強い異論が提出され、審議が紛糾、SWGの会合とは別の事業者間協議での交渉に結論を委ねていたが、その協議、第7回会合のいずれも決着せず、再度、事業者間協議が実施されることになった。
前回会合は12月で、今回までの6週間の間に、3回の事業者間協議が行われた。その結果、各社の意向は、以下のような3つの見解に集約された。
(3)の「1.5km制限」には、技術面についてNTT東日本が反論、長野県協同電算の実験値だけで1.5kmという境界を定めることに疑問符がつけられた。しかし、同社は譲歩せず、議論は白熱化、合意には至らなかった。
一方、ソフトバンク、アッカ・ネットワークスは、TTCでの基準が決まらないために、1月に開始する予定であった上り帯域3Mbpsのサービスに着手できないことから「1.5km以内に限り、暫定的にサービスを開始し、今後の対応については、さらに協議を続けたい。これ以上サービスを遅らせることはできない。経営にも影響を受ける」(ソフトバンク)との意向を示したが、NTT東日本は「技術的根拠が弱い」として反対した。
結局、各社が最終的に一致することはなく、この議論はもう一度、事業者間協議に差し戻すこととなった。上り高速化技術は、昨年10月の会合で端緒が開かれたかにみえたが、3カ月経過しても、技術仕様決定、サービス実現への道筋はまったくめどが立っていない。一部事業者からは「すでに3回の協議があったが、合意を形成できる空気はなかった」として、事業者間協議の先行きを懸念する声さえ出ており、「上り最大3Mbps」サービスが現実のものとなるにはさらに時間がかかりそうだ。
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