"Kissキラー"となるか、実売12万円のデジタル一眼レフカメラ「D70」発表

      [2004/01/28]

    ニコンD70(レンズキット)

    ニコンは、本体のみで15万円と低価格なデジタル一眼レフカメラ「ニコンD70」を3月19日に発売すると発表した。キヤノンの低価格デジタル一眼レフ「EOS Kiss Digital」への対抗となる製品で、本格的なデジタル一眼レフの市場を拡大させる戦略的製品とされる。レンズキットも用意されており、こちらの価格は20万6,000円。

    現在の一眼レフカメラ市場は、銀塩カメラが減少傾向にあるのと比べると対照的に、デジタルカメラが急速に伸びており、ニコンの予測では、2006年度には銀塩一眼レフカメラの最盛期の出荷台数を超え、600万台という規模になると見込まれている。


    デジタルカメラの市場は伸び続け、2006年度には8,000万台突破が予想される

    デジタル一眼レフカメラの市場規模も右肩上がり。2006年度には500万台が出荷される予測

    ニコンの映像関連製品の売上高推移。一眼レフカメラ(Film SLR)は減少しているが、デジタル一眼レフカメラ(Digital SLR)は上昇している

    ニコンのデジタルカメラ出荷台数とシェア。シェアは2002年度から03年度にかけて横ばい

    デジタル一眼レフカメラの普及は、昨年、実売12万円(ボディのみ)で登場したキヤノンのEOS Kiss Digitalが先鞭をつけたといえる。今回のD70は、発表会で「Kissキラー」という言葉が聞かれるほど、それに真っ向から対抗する製品となっている。実売価格は12万円前後(本体のみ)になると見られており、ちょうどKiss Digitalと同価格帯になる。レンズキットの価格は、Kiss Digitalの実売14万円前後に比べるとやや高めの価格設定になっている。

    ポップアップ式のストロボを内蔵

    レンズキットに同梱されるAF-S DX ズームニッコール ED 18~70mm F3.5~4.5G(IF)

    撮像素子はDXフォーマットの有効画素数610万画素CCD(23.7×15.6mm)を採用。ソニーとの共同開発による新しいCCDで、さらに画像信号処理エンジンも新規開発した。これにより広いダイナミックレンジ、高精細な画像の生成、なめらかな階調表現などが可能になったという。

    撮像素子は有効画素数610万画素CCD

    本体背面

    新画像処理エンジンによって、画像処理・JPEG処理、カードアクセス処理を高速化、起動時間は約0.2秒で、3コマ/秒・144コマまでという高速連写、D100比約3倍のカード書き込み/読みだし速度、同約20倍のノイズリダクション処理、同約200倍のRAW画像のロスレス圧縮、といった高速レスポンスも実現した。また、アルゴリズムも新開発しており、一般ユーザーが好ましいと感じる鮮やかで高解像感の色再現を可能にした。

    本体上部

    シャッターボタン付近

    表示パネルはライトを点灯させることもできる

    きょう体は約140(W)×111(H)×78(D)mm、約595gと、Kiss Digitalと同程度の小型軽量ボディとなっており、D100などと同様の操作体系を継承。高い操作性を実現しているという。

    操作性はD100などを継承。大きさの違いがよく分かる

    各部位にも使いやすさへのこだわりがある

    ボタンや文字も大きめ

    撮影機能としては、新たに「デジタルイメージプログラム」を搭載。通常のシーンモードとは異なり、シャッタースピードまたは絞り値、ホワイトバランス、カラーバランス、トーンコントロール、エッジの強弱、スピードライトなどの設定をカメラが最適にコントロールしてくれる。たとえば「ポートレートモード」を選択した場合、「肌色再現を重視」「軟調なガンマカーブ」「弱めのエッジ強調」といった設定をカメラが自動的に行ってくれる。これらの設定をユーザーが自分で決める「仕上がり設定」機能も搭載されており、カメラ任せだけでない撮影も可能だ。プログラムモードはほかに「オート」「風景」「クローズアップ」「スポーツ」「夜景」「夜景ポートレート」が用意されている。

    「1005分割RGBセンサー」と撮像用CCDからの情報による高い精度のホワイトバランスコントロールを実現。測距素子として「マルチCAM900オートフォーカスモジュール」を実装しており、5つのフォーカスエリアによる高速・高精度なAFが可能だという。

    そのほか、i-TTL調光内蔵のポップアップ式スピードライト、1/8000秒の高速シャッター(スピードライト同調は1/500秒)、ISO感度ISO200~1600、カメラの縦横位置を判別して画像を回転表示する姿勢センサーの搭載、PictBridge対応、などのスペックを備える。

    レンズマウントはニコンFマウントで、DXタイプAFニッコールレンズを始め、すべてのニッコールレンズを使用できる。撮影時の実画角はレンズ表記の約1.5倍の焦点距離のレンズに相当する。

    レンズキットには新規開発の「AF-S DX ズームニッコール ED 18~70mm F3.5~4.5G(IF)」を同梱。35mm判換算で27~105mmの画角をカバーする小型軽量のレンズとなっている。また、同梱のソフトウェアも刷新しており、カメラからPCへの画像転送から画像整理、編集、活用を1ソフトで行える「PictureProject」をバンドルする。

    同社代表取締役会長兼CEOの吉田庄一郎氏は、「(D70は)初心者から一般のカメラ愛好家を含めて満足できる製品と自負している。デジタル一眼レフカメラは(ニコンの)映像事業の大きな柱になっていく製品と位置づけており、今回のD70には大きな期待をしている」と、製品への自信と期待を述べる。また常務取締役の木村眞琴氏(上席執行役員 映像カンパニープレジデント)は、2003年度の市場シェアが横ばいとなることを明らかにした上で、「出荷台数は伸びたが、市場の伸びと同等だった。2004年度はデジタルカメラ全体で860万台の出荷を予定する。2003年度はバネを蓄える時期で、2004年度には飛躍したい」とし、2004年度は台数シェアで14%、金額シェアで19%を目指す。デジタル一眼レフカメラ市場ではシェア40%以上を獲得してトップシェアを狙う。

    トータルイメージングシステムと銘打たれたPictureProject

    新開発の外部スピードライトSB-600

    「D100よりもいいものができてしまったかもしれない」と富野直樹・開発統括部長が語るほど同社はD70に自信を見せており、Kiss Digitalの牙城をどれほど崩せるか、3月以降の動きが注目される。

    ○主な仕様

    モデルニコンD70
    撮像素子23.7×15.6mm CCD
    有効画素数610万画素
    レンズマウントニコンFマウント
    AF方式TTL位相差検出方式、マルチCAM900AFモジュール※1
    連続撮影約3コマ/秒・最大144コマまで
    ISO感度ISO200~1600
    ホワイトバランスオート/プリセット/マニュアル
    シャッター速度1/8000秒~30秒、バルブ、タイム
    ファインダーアイレベル式・視野率95%/倍率0.75倍
    液晶モニタ1.8型低温ポリシリコンTFT液晶 13万画素
    内蔵スピードライトi-TTL調光 ガイドナンバー15(ISO200・m)
    記録媒体CFカード TypeI/II、マイクロドライブ(1/2/4GB)
    電源EN-EL3、CR2型リチウム電池×3
    本体サイズ140(W)×111(H)×78(D)mm
    質量595g(本体のみ)
    ※ マルチCAM900オートフォーカスモジュール

    ○他製品との比較

    モデルD70EOS Kiss Digital
    メーカーニコンキヤノン
    撮像素子23.7×15.6mm CCD22.7×15.1mm CMOS
    有効画素数610万画素630万画素
    レンズマウントFマウントEFマウント
    AF方式TTL位相差検出方式TTL-CT-SIR方式
    連続撮影約3コマ/秒・144枚まで約2.5コマ/秒・4枚まで
    ISO感度ISO200~1600ISO100~1600
    シャッター速度1/8000秒~30秒/バルブ/タイム1/4000秒~30秒/バルブ
    サイズ(W×H×Dmm)140×111×78142×99×72.4
    質量(本体のみ)595g560g

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