昨年12月、大々的に発表されたNTTドコモの「FOMA 900iシリーズ」。従来FOMA端末の弱点とされてきたデザイン、重さ、連続待受時間を大幅に向上させ、「次世代FOMA」とも呼ばれており、2月以降とされる発売が期待されている。iモード事業本部iモード企画部長の夏野剛氏が「世界最強の携帯電話」と語るほどのスペックを備えた。12月の発表時点ではスペックはすべて暫定のものであり、発売も今年2月以降としか明らかにされなかったが、今回、一部端末をのぞいてほぼ仕様が固まり、各端末の詳細が紹介された。
○第1弾と見られるF900i
もっとも開発が進んでいると見られるのはF900i(富士通製)。F505iと同様、本体下部に指紋センサーを装備しているが、新たにスリップ方式を採用。滑らすように指紋を認識させることで、指紋を認識しやすくなっているという。精度向上は個人差によるが、「ユーザーの使い勝手は向上している」(富士通)。
指紋認証はF505iと同様、暗証番号の代わりとして端末ロックやダイヤル発信制限などが可能で、端末内のデータを保護できる。ちなみにFOMAでは8けたまで暗証番号を設定可能になって安全性が向上しており、指紋によって簡単に暗証番号が解除できる、という利便性が高まったといえるだろう。
TV電話機能をはじめとして、動画関連の機能が充実。富士通製の「FMV-DESKPOWER/BIBLO」の一部モデルに付属するソフトウェア「MediaStage SE」を用い、テレビ録画した番組をASF形式に変換、miniSDカードに保存してF900i上で再生することができる。miniSDカード内に保存できるムービーサイズは、「現在は1分あたり1MB程度」(富士通)だというが、発売までにさらにチューンナップを行うため、最終的な数値は未定だ。
開発は順調なようで、発売は2月上旬になる見込みだ。他メーカーの話も総合すると、これが900iシリーズの第1弾製品となる模様だ
| 機種 | F900i |
|---|---|
| 大きさ※1 | 106×50×26mm |
| 重さ | 120g |
| 連続待受時間 | 360時間(移動時) |
| 480時間(静止時) | |
| 連続通話時間 | 160分(音声通話時) |
| 100分(テレビ電話時) | |
| メイン液晶 | 2.2型TFT 26万2144色 |
| サブ液晶 | 1.0型有機EL |
| 外部メモリ | miniSD |
| カメラ有効画素 | 128万画素CCD/11万画素CMOS |
| 本体カラー | ライムグリーン/シルバー/ネイビー |
○曲線を描く高度なデザインのN900i
50xシリーズと比べて大きくデザインを変更してきたN900i(NEC製)。「刀の刃と峰」をイメージしたというスリムな人目を引くデザインに仕上がっている。スーパーCCDハニカムによる有効画素数100万画素・記録画素数200万画素という高画素撮影に対応する。
新しい機能としては「チャンスキャプチャ」機能があげられる。基本的に携帯電話の動画撮影機能は短時間しか撮影できないため、撮影チャンスを逃しやすかった。チャンスキャプチャ機能では、たとえば記録時間15秒のムービーを撮影する場合、設定した記録秒数に関係なくムービー撮影を行い続け、撮影を止めた瞬間から15秒間さかのぼって記録する、という機能。記録バッファとして800KBが用意されているという。
また、「ランダムメロディ」という新機能も追加されている。これは複数の着信メロディをまとめたフォルダを、アドレス帳に登録された電話番号の指定着信音として設定、その電話番号から着信があると、フォルダの中からランダムで着信メロディを鳴らす、という機能だ。
そのほか、NEC製FOMA端末ではおなじみの「ニューロポインター」も進化、より使いやすくなったという。また、大幅にパワーアップしたiアプリのコンテンツとして、大型RPG「ドラゴンクエスト」がプリインストールされている。発売は2月中旬から下旬の見込み。
| 機種 | N900i |
|---|---|
| 大きさ※1 | 102×48×26mm |
| 重さ | 115g |
| 連続待受時間 | 350時間(移動時) |
| 430時間(静止時) | |
| 連続通話時間 | 140分(音声通話時) |
| 90分(テレビ電話時) | |
| メイン液晶 | 2.2型TFT 65536色 |
| サブ液晶 | 0.96型STN 4096色 |
| 外部メモリ | miniSD |
| カメラ有効画素 | 100万画素スーパーCCDハニカム・記録画素200万画素/11万画素CCD |
| 本体カラー | オレンジ/シルバー/ブラック |
○着せ替えとAFのP900i
N900iと同じく、2月中旬から下旬にかけて発売されると見られるP900i(パナソニックモバイルコミュニケーションズ製)は、表面プレートを交換できる「カスタムジャケット」が特徴だ。現在は「スタンダード」と「カスタマイズ」あわせて10種類が用意される予定。
オートフォーカス(AF)機能の搭載も特徴で、AFボタンを軽く押して画面中央の枠が緑色に変わったらピントがあったことになる。使ってみた感じはなかなか精度が高く、期待できるできだった。
音声通話中にカメラを起動、静止画を撮影して通話相手に送信できる「えチャット」機能も搭載されている。
| 機種 | P900i |
|---|---|
| 大きさ※1 | 104×50×24mm |
| 重さ | 124g |
| 連続待受時間 | 350時間(移動時) |
| 500時間(静止時) | |
| 連続通話時間 | 150分(音声通話時) |
| 90分(テレビ電話時) | |
| メイン液晶 | 2.4型TFT 65536色 |
| サブ液晶 | 1.0型STN 4096色 |
| 外部メモリ | miniSD |
| カメラ有効画素 | 128万画素CCD/10万画素CMOS |
| 本体カラー | ブラック×クリアホワイト/シルバー×ストライプレッド/シルバー×ドットブラック |
○Microsoft Officeデータも閲覧できるSH900i
今までの3機種はスペックがほぼ確定としていたが、残るSH900iとD900iはまだスペック変更もありえるそうで、発売も3月にずれ込む可能性がある。
SH900i(シャープ製)は、シャープらしい2.4型の美しいシステム液晶に、有効画素数202万画素CCDカメラ、AF、25連写などといった充実した機能を備えている。特に新しい機能といえるのが「ドキュメントビューア」で、Word/Excel/PowerPoint/PDF/JPEG/PNG/GIF/TXT/BMPなど、PCで使われるさまざまなファイルを携帯電話の画面上で閲覧できる。編集はできないが、スケーラブルに拡大・縮小したり、縦横回転表示したり、必要な部分を画像ファイルとしてキャプチャしてメール添付したりできる。
少しの時間触れただけではあるが、表示速度もストレスのないレベルであり、表示も美しく非常に完成度の高い機能に見えた。今後は、ユーザーの要望によっては編集機能を追加することも目指す、という。
シャープの液晶TV「AQUOS」で録画したASF形式のテレビ番組をminiSDカード経由で再生する機能や、PCで保存したMP4形式の動画ファイルを再生することも行える。そのほか、SH505iSでも搭載されていた、受信メールのコピーでスケジュール登録ができる「簡単スケジュール管理」、通話中などにほかの機能が操作できる「アシスタントビュー」など、使い勝手に高い機能も備えている。
| 機種 | SH900i |
|---|---|
| 大きさ※1 | 105×51×25mm(検討中) |
| 重さ | 130g(検討中) |
| 連続待受時間 | 300時間以上(移動時) |
| 400時間以上(静止時) | |
| 連続通話時間 | 140分以上(音声通話時) |
| 90分以上(テレビ電話時) | |
| メイン液晶 | 2.4型CGS 26万2144色 |
| サブ液晶 | 1.2型TFT 65536色 |
| 外部メモリ | miniSD |
| カメラ有効画素 | 202万画素CCD/11万画素CMOS |
| 本体カラー | シルバー/レッド/ブルー |
○ムービーをTV出力して楽しめるD900i
D900i(三菱電機製)もまだスペックに未確定のものがある。D505i/iSとほぼ同一の使い勝手を実現、回転式カメラ(SPIN EYE)も採用しており、D505i/iSユーザーは違和感なく使いこなせるだろう。
ムービーの取り扱いを得意としており、5種類のムービー撮影モードを搭載する。特に、サイズはQCIF(176×144)ながら24fps、ビットレート256kbpsというなめらかなムービーの撮影にも対応しているほか、QVGAサイズ(320×240)・15fps・ビットレート384kbpsという大画面での撮影も可能だ。
NTSC出力コネクタを内蔵しており、付属のTV出力ケーブルをつなげばTVの大画面で静止画やムービーを再生できる。オーサリングツールの「MOTION SMOOTHY」が同梱されており、AVI/MOV/WMV/MPEGの各動画ファイルを編集、MP4形式・QVGAサイズ・最大24fpsのムービーに出力できる。音声コーデックはAAC/AMRの2種類から選ぶことが可能。出力されたデータはメモリースティックDuo(PROにも対応)に保存して携帯電話上で再生できる。
| 機種 | D900i |
|---|---|
| 大きさ※1 | 106×49×27mm |
| 重さ | 124g |
| 連続待受時間 | 350時間(移動時) |
| 450時間(静止時) | |
| 連続通話時間 | 140分(音声通話時) |
| メイン液晶 | 2.2型TFD 26万2144色 |
| サブ液晶 | 1.1型TFD 65536色 |
| 外部メモリ | メモリースティックDuo |
| カメラ有効画素 | 100万画素スーパーCCDハニカム・記録画素192万画素 |
| 本体カラー | ピンク/シルバー |
○900iシリーズの料金はどうなる?
900iシリーズの登場で気になる点の1つにパケット料金があげられるだろう。500KBになったiアプリ容量、100KBのFlashなど、少々使っただけでパケット料金が非常にかさんでしまう事態も想定される。
ドコモでは現在、900iシリーズ登場を期に、というわけではないにしろ、新たな料金プランの検討に入っているようだ。無料通話分の拡大やパケット料金の低減、パケット定額制など、さまざまな可能性が考えられるが、詳細については明らかにされていない。
しかし、ユーザーに支払ってもらうパケット料金が限界にきていることも、PDCからFOMAへの移行を促す理由の一つになっていることから、何らかの措置が今後出てくることは間違いないだろう。
なお、FOMAは今週中に200万加入を突破する見込みで、今年度中とされていた目標をあっさりと達成することになる。ドコモ側は、900iシリーズ登場までの買い控えは特にない、としているが、来年度500万台の販売を目指す900iシリーズがどれだけ市場をにぎわすか、興味深いところだ。
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FOMA 900iシリーズは「究極のケータイ」 その新機能とは? [2003/12/18] |
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