AppleStore, Ginza、30日のグランドオープンに先だって内覧会を開催

      [2003/11/28]

    アップルコンピュータは、米国以外では初となる直営店「アップルストア 銀座」のオープンを発表した。30日のグランドオープン先立って内覧会が行われ、米Apple Computer CEO Steve Jobs氏も来日して、同店舗に関する説明などが行われた。

    ○直営店の意義

    Apple Computer CEO Steve Jobs氏

    Steve Jobs氏は「PC業界が3年前からスランプに陥っている中で利益を上げている企業が2つある。1つは"Volume Leader"のDELL、もう1つが"Innovation Leader"のAppleだ」とし、Appleの革新性が市場に受け入れられていることを述べ、「Appleはハードウェアからソフトウェアまでを提供しており、ユーザエクスペリエンス全体に対して責任を持ち、商品を提供できる」と同社の優位性を強調した。さらに「Ginza Storeのオープンによって、これに加えて購入体験までを提供できる」と、アップルがユーザに触れる機会を増やすことができ、より広範囲にわたってメリットを提供できると直営店の意義を語った。

    Apple Computer ワールドワイド直営店担当上級副社長Ron Johnson氏

    次いで同社ワールドワイド直営店担当上級副社長Ron Johnson氏が登場、米国では2001年5月に最初のアップル直営店をオープンして以来、すでに72店舗がオープンしており、来店者数ものべ2,400万人を超えていると紹介した。また、「店を訪れる人の97%が友人からの紹介を受けて来店している」と述べ、来店者がまた来たくなる・友達に紹介したくなるような良い評価を受けているとする。さらに、50%は既存のMacユーザではないと、直営店がWindowsなどからの"Switch"に役立っていることも述べた。

    ○The Ultimate Store Is Here

    Ron Johnson氏は、「The Ultimate Store Is Here ;究極のストアをどうぞ」と「アップルストア 銀座」が既存のアップルストアと比べても「究極」であるとし、その理由・究極たる条件を12に分けて説明した。

    左は"Kids Space"右は"Internet Cafe"。子供からお年寄りまで対応する。「インターネットを始めてみたい80歳のおじいさんが来店するなんて大歓迎だね」(Ron Johnson氏)

    1, A store for everyone - これは、既存のMacユーザ、Windowsから移行してきたユーザ、アップル製品はiPodしか持っていないユーザなど訪れる様々な人全員が満足できるストアであるということ。スタッフの80%はWindowsについての理解があり、ユーザに対応できるという。

    2, Every Apple Product - 文字通り、全てのアップル製品が揃っており、購入することができるということ。また、「在庫切れなどが出来るだけないよう細心の注意を払う。Apple Storeに来たのにAppleの製品が買えないなどということは、お客様の期待を裏切ってしまう」(同店Mac Genius)

     1Fにはアップル製品がずらりと並ぶ
    home/proと購買層別に左右にディスプレイされている

    3, Software and accessories - アップル製品だけでなくソフトウェア、アクセサリーなどの周辺機器までを含め、必要なものを揃えることができるということ。「お客様にトータルソリューションをご提供してきたい」(同Mac Genius)

    プリンタインクなどサプライ品までそろえる
    モバイルバッグなども
    ジーニアスバーと呼ばれるカウンターに待機する「Mac Genius」達。様々な質問に答えてくれるプロフェッショナルだ

    4, Expert Advice - 購入に際して、また、購入してからの製品の使い方などでエキスパートのアドバイスを受けることができるということ。全てのフロアには中国語(北京官話)、広東語、タイ語、韓国語、イタリア語、フランス語、スペイン語、ポルトガル語、英語の10カ国語を話す「Macスペシャリスト」たちが待機し、質問や相談などを受け付けている。さらに、2階には「Mac Genius」と呼ばれるスタッフが待機、Macに関わることはもちろん、Windows PCとの連携なども含めてあらゆる質問に対応する。

    2階にはDVやデジタルカメラなどがMacとともに備えられ、自由に試すことができる。ただし、写真の持ち帰りは「原則禁止」とはいえ、プリントしたものを持ち帰りたいといった要望には柔軟に対応するという。「柔軟な対応」ということは同店の大きなポイントだ

    5, "Test drive" before I buy - 実際に製品を操作し自分のやりたいことが出来るか試してみることが出来るということ。同店2階にはDVやデジタルカメラ、プリンタといった周辺機器がphoto/music/video/etcに分けて備えられ、実際にMacと組み合わせて試用することが出来る。もちろん、ここでもスタッフのサポートを受けることが出来る。

    6, Great price - 価格面でも納得でき、出来るだけ安価で求めることが出来るということ。

    7, Customize for me - 製品のカスタマイズが可能で、カスタマイズのための相談なども行えるということ。カスタマイズの受付はMac Geniusのほか、1階のフロアスタッフも受け付ける。

     

    8, Take it home today - 製品がその場で購入でき、(もちろん郵送も可能だが)その製品を持って店を出ることが出来るということ。これは、カスタマイズ製品についても当てはまり、Mac Geniusが組み立てを行い、可能な限り当日渡しを可能にするという。

    9, "Hands-On" training - 3Fは映画館のようなスクリーンを備えたフロアとなっており、ここでは同社の製品などについてのプレゼンテーションやワークショップを行う。これらは無料となっており、来店者が気軽にトレーニングなどを受けることが出来るようになっている。もちろん、同社ウェブサイトなどで予約受付を行うイベントもある。また、スタジオトレーニングセンターも備えており、こちらでは有料の実践型のトレーニングを行うという。対象者やテーマ、試用ソフトウェア別に様々な講座が用意されており、初心者からプロフェッショナルユーザまで様々なトレーニングを受けることが出来る。

     

    10, Face-to-Face support - 対面でのサポートを受けることが出来るといういうこと。「対面での安心感・確実感は既存の販売店や電話越しのサポートでは得難い」(同店Mac Genius)

    11, Rapid repair - 素早い修理。同店は同じ建物内に修理工房を設けており、たいていの修理には対応できるという。また、上記対面サポートと併せて症状を確実に伝えることが出来る安心感・確実感は大きなメリットだ。基本的には同日中、Air Macカードの装着など簡単なものならその場で、複雑なものでも48時間以内に修理を完了し受け渡すことが出来る。ただし、同店内での修理を行ったものについては、郵送での受け渡しは出来ないという。ただ、アップルの修理センターに対する取り次ぎは行っており、こちらを利用すれば郵送にて受け取ることが出来る。こういった症状の把握・修理受付もMac Geniusが行う。

    12, A place to belong - そこにいて心地がいいということ。洗練された外観・内装を持つ建物、技術面・接客面でのトレーニングを受けたスタッフなどにより不自由を感じることがない店舗を目指しているという。また、販売ノルマ・インセンティブのようなものももうけられておらず、来店者に「押し売り」的な販売を行うのではなく、親身になって相談・販売を出来るような体制となっているという。

     建物側面の壁には写真のようなディスプレイがあり、iMacに取り付けられたiSightが通行人の様子をとらえる。そばを通る人々は興味津々のようだった
    2階を望むことができる吹き抜け。高さのある天井と併せて同店の開放的な雰囲気に一役買っている

    米国のApple Storeに比べての優位点としては、たとえば「ノート・デスクトップ製品すべての修理を行うことができる」(Ron Johnson氏)と、修理施設・体制の充実をあげる。こういった優位点は今後米国側でも取り入れられる必要があるという。逆に、現在米国で行われていながら、日本では行われていないことについては必要ならば取り入れていくとする。

    ○Appleとアップル?

    "Thumbs Up !!"中央はストアマネージャのSteve Cano氏。以前はSOHO店などにいたのだとか。同氏はスタッフ達を指して「Dream Team」と

    同社は「アップルは日本、アメリカなどと分けた考え方をしておらず、あくまでグローバルに展開している。(この店舗についても)これと同じようなもの」と、アップルストア 銀座が日本・アメリカの双方の共同で成り立つものとする。日本法人は直営店の経験を持っておらず、この点では米国がノウハウを提供し、また、日本での流通など日本法人が得意とするところは日本法人がそのノウハウを提供するというような双方の得意とするところを持ち寄って運営し、本国仕込みのハイクォリティなサービス・知識を日本流にカスタマイズしてという方針だ。販売スタッフなど従業員も米Appleに所属するもの、日本アップルに所属するものなど様々なのだという。

    ○既存の販売店との違い・関係

    アップルは同社製品の日本での販売を同社のウェブサイトを通じたオンラインストアで行うほか、量販店・専門店などリセラーを通しても行っている。これらのリセラーとの関係についても述べられた。「Apple Storeは今まで日本にあったどのストアよりも大きい。また、トレーニングを受けることもできる」(Ron Johnson氏)と直営店のメリットを語り、逆に「このストアだけでは全ての人をカバーすることは出来ない。出来るだけ多くの人にApple製品を体験してもらいたたいとい考えており、他のリセラーも必要だ」(Steve Jobs氏)と、直営店・リセラー双方にメリット・デメリットがあり、ともに必要で競合するものとは考えていないようだ。

    また、同店Mac Geniusは「たとえばCPUアップグレードカードなど、直営店ではその性質上扱いにくいものもある。このようなものをお求めのお客様には積極的にリセラーをご案内する」と品揃えの違いも指摘。さらに、直営店での在庫切れなどは極力なくす必要があるが、だからといって「量販店分の在庫を直営店に回すようなことはしない。また、直営店の方が(新製品の)入荷が早いということもない」(同Mac Genius)と、直営店を「えこひいき」するような在庫管理体制にはならないとし、あくまで対面での販売・サポートによる安心感や、カスタマイズ製品を可能な限り当日渡しにするといった利便性をメリットとして強調してきたい考え。

    ○銀座の次は?

    2004年秋には大阪に進出。東京とは違う雰囲気の店になるのだろうか?

    Ron Johnson氏は「We're Just Getting Started in Japan」と日本での将来の直営店展開にも触れ、2004年秋に大阪で日本2店目となる店舗の開設をアナウンスした。その先の展開については具体的語られなかったが、東京・その他の地域を含めて展開していきたいとしていた。

    ○バランス

    ようこそ!!

    Steve Jobs氏は「トラフィックの多い銀座の通りに面し、通行客を捕まえる(Capture)ことができる」と銀座という立地条件の有利さを再び強調する。「"さぁ、アップルストアに行こう"なんて気構えて出かける人なんて少ないだろ?」と、ふらっと立ち寄る客を引き込むことが出来る同店舗の外観・立地条件、そしてふらっと立ち寄ったPCに関する知識が少ない人に対しても適切な説明を行うことの出来る販売スタッフなどに自信を示していた。「(来店者は)ただの店に入っていくのではなく、アップル空間に入っていくんだ」(同氏)

    エレベータ内の操作パネル。"Emergency Call"ボタンは車いすの方のために低い位置にも備えられている

    同氏は内覧会の最後で「今唯一心配しているのはエレベータがうまく機能するかなんだけど、どう思う?」とも漏らしていた。同店のエレベータはアップルらしく"Emergency Call"ボタンのみを持つ「1ボタン」なのだ。店に入ると、ガラスで作られ奥にはアップルマークが透けて見える特徴的なエレベータが客を出迎え運んでくれる。2機のエレベータが各階止まりで上り・下りをバランスをとりながら運行するのだが、この店舗自身、既存の販売ルートと直営店・熟練ユーザと新規ユーザの満足度・日本とアメリカそれぞれの文化といった様々な面でのバランスをとりながら作られたであろうことを思うと感慨深い。グランドオープンは30日の午前10時。是非1度"Ultimate Store"に足を運んでみてはいかがだろうか?

     

     エントランス右のショーウィンドウ。すっかりクリスマス気分だ
    「今年はノートブックの年」(Steve Jobs氏)

    アップル、直営店「アップルストア銀座店」を11月30日オープン
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/11/05/50.html

    アップル、Mac OS X 10.3 Pantherを発売 - イベントには石井竜也さんも登場
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/27/14.html

    アップル、iTunes Music Store/Win版iTunesの説明会を開催
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/17/15.html

    アップルコンピュータ
    http://www.apple.co.jp/

    Apple Computer
    http://www.apple.com/

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