○増え続ける中古パソコン市場の実態
パソコンを購入する際に、中古パソコンを選択肢のひとつに挙げるユーザーが増えていくことになりそうだ。
以前は中古パソコンというと、マニア向け、ジャンク品のようなイメージが先行し、一般ユーザーには手が出しづらいという印象が強かったが、実際には、初心者が安くパソコンを手に入れる方法のひとつとして注目を集めようとしている。
例えば、中古パソコンの取り扱いで国内最大規模を誇るソフマップによれば、ソフマップ有楽町店での中古デジタルカメラの購入者のうち、約6割が女性という驚くべきデータも出ているほどだ。それだけ、パソコン分野における中古製品は浸透しはじめているのだ。
NECや日本アイ・ビー・エムといった大手パソコンメーカーは、メーカー認定の中古パソコンを用意。安心して中古パソコンを購入できる環境が整ってきている。さらに、販売店の保証期間も長期化しており、これも安心して中古パソコンを購入できる土壌づくりに大きく影響しているのだ。
では、中古パソコンの市場規模は、いったいどの程度のものなのだろうか。
電子情報技術産業協会(JEITA)によると、最新データとなる2001年度の実績では、国内の中古パソコン市場を通じて2次ユーザーに渡った中古パソコンの台数は112万台と想定されている。新品のパソコンの年間出荷台数が1,000万台前後であることを考えると、10台に1台は中古パソコンという規模に達していることがわかる。
この市場規模は年を追うごとに2桁増の伸び率を示しているともいわれ、2003年度は150万台を超える市場規模にも達するのではないかとの見方も出ている。いまや見逃すことができない市場規模へと成長しているのだ。
中古パソコンの購入形態としては、いくつかの傾向がある。
ひとつは、企業において、企業情報システムのクライアントPCとして中古を活用する場合だ。とくに情報システムのクライアントPCで、PC-9800シリーズや、OS/2搭載パソコンといったすでに生産中止となっているパソコンを使っている例などでは、その補充分を中古パソコン市場からの調達に頼よらざるを得ないということになる。こうした企業は意外にも多く、中古パソコン市場の下支えとなっている。
2つめは、パソコンを低価格で購入したいという個人ユーザーだ。大手中古パソコンショップの担当者も、自らの事例として「自分は最新のパソコンを買うが、子供には中古パソコンを与えるというように、家族でひとり1台を実現するには中古パソコンを利用するのがコストを低く抑えるという点で最適な手段」ということを明かしてくれた。これからは、パソコンを低価格で手に入れる手法のひとつとして、中古パソコンを利用するといったユーザーも増えてくるだろう。
そして3つめは、2台目のパソコンに中古パソコンを利用するというユーザーだ。最近はブロードバンドの浸透によって、ネットを利用するためのセカンドマシンとして中古を利用する例が増えてきたという。
かつては、スタンドアロン型のアプリケーションを利用することから、CPUの処理能力やメモリーの容量など、パソコンの仕様に大きく依存する使い方が多かったが、ブロードバンドの世界では、パソコンの処理能力よりもネットの帯域幅が重視されるようになったことで、1~2年前のパソコンでも十分に活用できるという環境が整っている。これも複数台のパソコンを利用する際に、中古パソコンが選択肢のひとつに入ってきた要因のひとつだといえるだろう。
一方、不要になったパソコンを売るという点でも、中古パソコンショップの利用価値は高まってきている。今年10月からスタートした個人向けパソコンのリサイクル制度に伴って、リサイクル費用の支払い負担を敬遠して、中古パソコン市場に売りに出すというケースが増加している。
リサイクル制度では、一般的に10月1日以前に発売されたパソコンは、パソコン本体で3,000円、CRTモニターで4,000円、液晶モニターで3,000円の支払いが必要。CRTモニター付きのデスクトップパソコンならば、7,000円もの料金を支払うことになる。しかし中古パソコン店に買い取ってもらえば、支払うどころか、逆に売却した分が利益として手に入ることになる。古いパソコンの場合、数百円しか買い取り価格がつかない場合もあるが、それでも、輸送料金を含めてもリサイクル費用より中古パソコン店に買い取ってもらった方がお得というのは明らか。そのため、中古パソコンショップへ売却するユーザーが増加している。
ところで、中古パソコン店に高く買い取ってもらうにはどうしたらいいだろうか。これにはいつかのコツがある。
基本的には、買った時と同じ状態であることが一番だが、買い取りの際には外箱は必要ないという中古販売店が多いことを知らないユーザーは意外に多い。そのかわり、WindowsやOfficeなどの使用許諾契約書、リカバリCD、マニュアル、プロダクトIDなどは必ずそろえておいた方がいい。これが欠けているだけで数万円の減額ということもあるからだ。この点には注意しておくべきだ。
次に、メーカーの中古パソコン分野への取り組みを見てみよう。
【レポート】PC再生の現場(2) - 個人ユーザーからの買い取りに注力するNEC
へ続きます
(大河原克行)
NEC、個人向け初の使用済みPCの買い取りサービスと中古PCの販売を開始
日本アイ・ビー・エム、中古品販売を強化、「IBM Refreshed PC」を市場投入
ソフマップ
http://www.sofmap.com/
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