ISSCC 2004開催概要を発表 - 各社が次世代回路技術について論文発表

 12日開催のISSCC2004 東京プレスカンファレンス。10日には既に韓国・ソウルでプレスカンファレンスが開催された。

都内にて12日、2004年2月15日(現地時間)から開催されるInternational Solid-State Circuit Conference(ISSCC:国際固体回路会議) 2004の開催概要記者会見が開催された。ISSCC Far Eastプログラム委員長の荻原良昭氏の挨拶に続いて、ISSCC実行委員長のTimothy Tredwell氏、ISSCC広報委員長のKenneth C. Smith氏、ISSCCテクニカルプログラム委員長の加沼安喜良氏が挨拶し、その後、各分野の担当者から今回のISSCCの概要が紹介された。

まずはじめに、今回のISSCCへの投稿論文数と、採択論文数が示された。投稿論文数は461本、採択論文数は204本と、いずれもこれまでで最高の論文数を示した。日本を含む極東地区のISSCCへのコミットメントについての比較では、論文数に関しては、ほぼ参加メンバー数に応じた貢献をしているものの、スペシャルセッションやチュートリアルといった教育関係のプログラムに対する貢献が著しく低いというデータが示された。これは、地域別の産学論文数比較にも示されており、北米は企業研究者の論文が多いものの、大学の研究者の論文も比較的多く、企業研究者の論文数にある程度比肩している。一方で極東地区では、企業研究者の発表論文が大学研究者の発表論文数の2.5倍に達しており、上述の傾向を裏付けている。

 投稿論文数と採択論文数の比較と推移
 ISSCCの各プログラムにおける地域別の貢献度

地域別の採択論文数の比較では、北米が42%、極東が33%、欧州が25%となり、北米が前年より3%ほど率を減らす一方で、欧州が3%率を増やした。国別の採択論文数比較では、米国が82本で1位であることに続いて、日本は44本で2位につけており、日本は研究開発の分野で引き続き競争力を維持していることがわかる。3位は韓国で17本となっている。

 ISSCC組織構成
 ISSCCの参加者と論文数の推移

極東地域で得意とする研究分野は何だろうか。分野別の採択論文の中に占める極東地域の発表論文の割合を見てみると、不揮発性メモリ、撮像素子、回路とデジタルシステム、DRAM、高速デジタルとマルチギガビットI/O、新規技術と回路、民生用信号処理、SRAMといった分野では、その分野の採択論文にしめる極東地域の研究者の発表論文数の割合が50%を超えており、極東地域の得意分野と見ることができる。

 ISSCC2004地域別の採択論文数
 ISSCC2004地域別産学論文数比較
 ISSCC2004国別採択論文数

組織別の採択論文数は以下のようになっている。

○組織別採択論文数(4本以上)

順位 組織名 論文数
1 IBM 10
2 Intel 9
3 Infineon 7
3 Samsung 7
5 ADI 6
5 NEC 6
5 Philips 6
5 TI 6
9 Fujitsu 5
9 Renesas 5
11 ETH Zurich 4
11 Hitach 4
11 KAIST 4
11 Sony 4
11 Stanford Univ 4
11 UCB 4

例年の事ながら、IBM、Intelが圧倒的な論文数を誇る。極東では韓国のSamsung ElectronicsがInfineon Technologies AGと並んで3位となっており、日本ではNECの5位を筆頭に、富士通、ルネサステクノロジ、日立製作所、SONYがランクインしている。

ISSCCでは各分野で注目されるトピックスが発表されるが、いくつか興味深い講演をご紹介しよう。

IBMは「Design and Implementation of the POWER5 Microprocessor」という講演で、130nmプロセスを採用し、2億7600万トランジスタを集積し、1.5GHz以上で駆動するPOWER5プロセッサの設計について発表する。また、「PowerPC 970 in 130nm and 90nm Technologies」という講演で、90nm SOIテクノロジを導入したPowerPC 970について発表する。

Sun Microsystemsは、「A Dual-Core 64b UltraSPARC Microprocessor For Dence Server Applications」という講演で、高密度サーバ向けのデュアルコアプロセッサを紹介する。130nm 銅配線プロセスを用い、1MBの統合L2キャッシュを持ち、Negative Bias Temperature Instability(NBTI)と呼ばれる技術についても紹介される。また、「A 4MB On-Chip L2 Cache for a 90nm 1.6GHz 64b SPARC Microprocessor」という講演で、次世代のハイエンドサーバ向け1.6GHz駆動CPUについて発表する。これは、90nm 8層メタルのCMOSプロセスで製造され、ダイサイズは234平方ミリメートル、L2キャッシュは4MBを搭載し、トランジスタ数は3億1500万に達する。

Intelは、「A Scalable X86 CPU Design for 90nm Process」という講演で、第三世代Pentium 4と90nmプロセスへの適応手法について議論する。特に、自動設計技術についても紹介する予定だ。また、「Ultra-Low Voltage Circuits and Processor in 180nm to 90nm Technologies with a Swapped-Body Biasing Technique」という講演も行い、低電圧スワップド基板バイアス技術について紹介する。PMOSの基板端子を接地し、NMOSの基板端子をVccに接続、この技術を使わない場合に比較してVcc=0.5Vで2.6倍以上の周波数の向上が示されたという。他には、「A 4GHz 300mW 64b Integer Execution ALU with Dual Supply Voltages in 90nm CMOS」という講演で、4GHzで動作する90nm Dual-Vt CMOSプロセスで製造された0.073平方ミリメートルの64bit ALUについて紹介される。また、「A 0.13μm Triple-Vt 9MB Third Level On-Die Cache for the Itanium2 Processor」という講演で、5億3000万のトランジスタを使い、その90%がキャッシュで占められるというItanium2を紹介する。54Gb/sのリード・ライトのバンド幅を持ち、安定性の向上とスレッショルドリークの低減のため、高いVt値のトランジスタも採用している。

この他、基板バイアス技術については、松下電器産業が「Mixed Body-Bias Techniques with Fixed Vt and Ids Generation Circuits」という講演を行う。また、ソニーは「Dynamic Voltage and Frequency Management for a Low-Power Embedded Microprocessor」という講演で、同社の省電力技術について発表する。なお、同社の"Cell"については、今回のISSCCでは発表されないとのこと。NECは、「Parallel Clocking:A Multi-Phase Clock-Network for 10GHz SoC」という講演で、2.5GHz 4相パラレルクロッキングを使って10GHzで回路を動作させた研究を発表する。IMECは、「3D Interconnection and Packaging:3D-SiP, 3D-SoC or 3D-IC」という発表で、現在2次元平面上に実装されている内部配線を3次元的に拡張する技術について発表する。Sonyは、「A 160Gb/s Interface Design Configration for Multichip LSI」という講演で、123MHz駆動のCPUと、64Mbのメモリをパッケージングし、マイクロバンプにより1300の信号線で接続、160Gb/sのバンド幅を実現した研究を発表する。

変わったところでは、セイコーエプソンが「All-Polymer Thin Film Transistor Fabricated by High-Resolution Inkjet Printing」という講演で、同社の持つインクジェット印刷技術を使って、有機トランジスタを製造する研究について発表する。また、東京大学も有機トランジスタに関する研究成果を発表する。

 生物へのマイクロシステムの応用 - バイオマイクロシステム
 メモリの3大テーマは大容量/高速/低電力
 今回のISSCCのトレンドを示すテクノロジーディレクション

今回のISSCC 2004は過去を含めても最大規模に近い3478人の参加者を見込む。開催は米サンフランシスコ・マリオットホテルにて2004年2月15日~2月19日である。

ISSCC 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/02/08/01.html

ISSCC
http://www.isscc.org/isscc/



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