カリフォルニア州ロサンゼルスで、Microsoftの開発者向けコンファレンス「Professional Developers Conference(PDC)」が始まった。
PDCは同社の製品サイクルに合わせて開催されるイベントである。92年は32-bit、96年はインターネット、そして前回2000年のPDCはXMLとウエブサービスへと向かう方向性がテーマとなった。そして、今回はというと「Longhorn PDC」である。ウエブサービスを取り込む劇的な変化、それに伴うビジネスチャンスへの期待は高く、PDCとしては初めて開催の一週間前に参加申し込みが満席になったそうだ。
その一方で、Longhornのリリース時期の予想がどんどん先延ばしにされ、最近では2006年と言われるようになるなど、不透明感が不安材料になりつつある。そのいやな雰囲気を払拭できるかも、というのが今回の注目点の1つとなっている。
オープニング基調講演では、Bill Gates会長兼CSAとJim Allchinプラットフォーム部門担当グループバイスプレジデントが登場し、早速Longhornのデモを披露しながら、開発者向けに次世代のWindowsプラットフォーム技術の概要を説明した。
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Longhornは、今日のコンピューティングの問題を解決するOSの基本機能の上に、「Avalon」「WinFS」「Indigo」などの技術が存在する形となっている。
Avalonは、グラフィックスのサブシステムである。ユーザーインタフェースだけではなく、ドキュメントやメディアを表示するための統一アーキテクチャとして、Longhornシェルに組み込まれている。WinFSは、XMLの特性を応用した次世代のデータストレージ技術だ。情報の検索や関連づけの幅を広げるストレージ・サブシステムとして存在する。Indigoは、ウエブサービスにおいてセキュアで信頼できるコミュニケーションを実現する。これらのサブシステムについては、それぞれのセッションが用意されているので、そちらのレポートで詳しく紹介しようと思う。
これらのサブシステムの土台となるOSサービスには、堅固なセキュリティ、安定したデプロイメント、パフォーマンス、接続性、スケーラビリティの提供という厳しい課題が与えられている。ソリューションとして、アプリケーションの起動を迅速にする「SuperFetch」、アプリケーションのデプロイメントを簡素化する「ClickOnce」インストレーション、ハードウエアとソフトウエアのメリットを活用したセキュリティ技術「NGSCB」、GPUの活用などの取り組みが紹介された。
さて、Longhornのデモでは、まず最初に最新のデスクトップが披露されたが、それほど大きな変化はない。右側にサイドバーが配置されており、情報やコミュニケーション機能のタイルを柔軟に配置できるようになっている。
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次にWinFSの特徴を生かした検索機能が紹介された。システム全体で1,095個のファイルが存在する状態から"Longhorn"と入力すると、瞬時にLonghorn関連のファイル30個にしぼり込まれた。スキーマをベースにファイルをスタックという状態でまとめることもできる。スタックは情報によるグループ分けであり、イメージとしてはデジタル音楽プレイヤーのプレイリストに近い。この機能を利用すれば、プロジェクト別、クライアント別というような項目でファイルを絞り込むような機能を、開発者がアプリケーションに組み込むことできる。
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| 情報を武器にするWinFS。人別に情報を整理して、ワンクリックでこれまでのコミュニケーション・ヒストリを表示 |
また、Avalonは、これらの検索においてユーザーの操作を手助けする視覚効果を提供するだけではなく、それ自体もスキーマをサポートする。例えば、WinFSによってスタックにしぼり込んだアイテムの関係を視覚的に表示するというような利用が可能になる。
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講演の最後には、Amazon.comがAvalonとWinFSを利用したウエブサービスのデモを披露した。Amazon.comのリリーススケジュールとユーザーのカレンダーの同期、サイドバーでの注文のトラッキング、多彩な商品検索、Avalonベースのユーザーインタフェースなど、ユーザーとAmazon.comというパブリックなサービスがLonghornによって結びつけられている。
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| Windowsクライアントのロードマップ。AMDの64-bit CPU向けWindows XPが2004年下半期に。同時期にLonghornのベータがリリース予定だが、製品スケジュールには触れられなかった |
基調講演後、Microsoftは開発者向けにLonghornの配布を開始した。システムの最低条件はPentium III 800MHz以上、256MB RAM、DirectX 7をサポートするGPUとなっているが、Allchin氏はハイエンド機での利用を勧めていた。また、まだ初期段階であるため方向性を理解できる程度の状態であり、動作も安定していないそうだ。このような段階でプログラムを配布するのは同社にとって初めての試みになるそうだが、「少しでも早くLonghornに触れて、その活用法を考える機会を提供したかった」とAllchin氏は説明した。
(Yoichi Yamashita)
Longhornの正式出荷が2006年になる可能性が浮上
Longhorn、12月上旬に日本初上陸へ
米MS、Longhorn情報サイト「Longhorn Developer Center」を10月27日に開設
Professional Developers Conference(PDC)
Microsoft
http://www.microsoft.com/
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