ビジネスにPCの利用は欠かせないものの、ハードウェアやソフトウェアの購入、システムの維持管理には、多額の出費が求められてくることも事実である。少しでもIT予算、支出額を減らしつつ、快適にPCを利用できる環境が整えられるなら、企業にとってこれほど望ましいことはない。
こうした状況にあって、オープンソースであるがゆえに、低コストで導入できることがアピールされる、Linuxの採用を進める動きが広まっている。例えば、Linuxの特性を活かした「LindowsOS」が日本でも発表され、LindowsOSを搭載した低価格のPC販売へ期待も高まりつつある。すでにPCサーバ市場では、かなりLinuxの普及も進んでおり、今後は一般家庭ユーザーに向けた格安PCという分野において、どれほどLinuxが選択されるかが1つの課題になるとも目されている。
しかしながら、いざ企業内のPCに、デスクトップOSとして本格的にLinuxを採用できるかどうかを検討するとなれば、幾らか不安を感じてしまうビジネスユーザーが多いことも認めねばならないだろう。安いのはいいことだが、本当に仕事に支障をきたさないのか? MicrosoftのWindowsおよびOffice製品を抜きにして、ビジネスは成り立たないような状況が現に存在しており、Linuxを利用して、どれほど信頼性の高いビジネスを展開していけるのか、納得できる態勢が確立されなければ、なかなかLinuxへの移行にも踏み切り難い。
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| SuSE Linux Desktop: Courtesy of SuSE Linux AG. Unauthorized use is not permitted. |
この挑戦に、正面から取り組んでいる会社がある。企業ユーザーをメインターゲットにしたLinuxソフトウェア「SuSE Linux Desktop」を販売するSuSEである。SuSE Linux Desktopは、ビジネスに安心して利用できる完成度を備えたデスクトップOSとして紹介されている。今回は、同社のCorporate Communications部門で副社長を務めるJoseph Eckert氏へのインタビューから、Linuxの今後の可能性を垣間見てみたい。
○ビジネスにLinuxの使用感をテスト調査
Eckert氏は、PCのデスクトップOSとして、MicrosoftのWindowsは「clearly the market leader」と語っており、圧倒的に市場をリードしている存在であると認めている。しかしながら、こうした状況下でLinuxを選択肢として推すのは、Windowsで行う仕事の9割はLinuxでもスムーズに実行可能で、なおかつ大幅なコスト削減になることを、最大の理由に挙げている。
Linuxを企業内PCのデスクトップOSに採用すると、日常の業務にはどんな影響が及ぶのだろうか? その判断材料となる興味深い調査レポート「Linux Usability Study Report 1.0」が、relevantive AGというドイツの企業から公表されている。今夏、ベルリンで実施された同調査より、まずはLinuxの使用感(ユーザビリティ)を検証してみたい。
調査は、Microsoft Windows XP ProfessionalとSuSE Professional 8.2を用い、それぞれ過去に同デスクトップOSを使用した経験がないPCユーザーに、実際に指定タスクをこなしてもらって、使用感をテストしてみる方法で実施された。テストユーザーには、日頃からビジネスにPCを利用している会社員の中から、25-55歳までの男女が選び出されている。
SuSE Professional 8.2をテストしたのは60名。レポートによればユーザビリティ調査は通常10-20名のモニターによるテストが一般的であるといい、それを考えると、今回のテストはかなり大規模で、より正確な実態の把握が期待できそうである。ドイツではHPにより、OSにLinuxを標準搭載したモデルのPCが販売されており、今回の調査でも同機が使用された。
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デスクトップ環境はドイツ語版のKDE 3.1.2に設定され、基本ソフトウェアも全てインストール済み。ワープロソフトには「OpenOffice.org Writer」、ファイルマネージャーには「Konqueror」、電子メールソフトには「KMail」、PIMソフトには「KOrganizer」、音楽CDプレイヤーには「KsCD」、CD-R/RWへの書き込みソフトには「K3b」が、すぐに使用可能な状態でセットアップされた。
一方、Windows XP Professionalには、「Microsoft Office 2000 Small Business」および「Microsoft Word 2002」がセットアップされ、20名のモニターによるテスト調査が行われた。全てWindows 98/Me/2000など、過去のWindowsバージョンの利用者であるものの、Windows XPは一度も使ったことがないユーザーが選出されている。
検証タスクとしては、10種類の課題が指定された。ワープロソフトによるドキュメント作成/印刷/保存、電子メールの送信、インターネットの利用から、スクリーンセーバーの設定、音楽CDの再生、ファイル検索やフォルダ作成に至るまで、実に多岐にわたる作業を、初めて使用するOSで行ってみるように指示され、その使用感が問われている。
調査の結果を概観すると、全体的なタスク完了までに要する時間は、Linux環境がWindows環境を上回ってしまい、Windowsを超える快適な使用感をLinuxで実現するのは難しいまでも、その差はかなり小さくなっている。relevantive AGにて、今回の調査プロジェクトを率いたJutta Horstmann氏も、企業へのLinux導入にかなりポジティブなコメントを残している。
(湯木進悟)
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へ続きます
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relevantive AG
SuSE
http://www.suse.com/
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