【CEATEC JAPAN 2003レポート】ユビキタス社会の実現を垣間見ることのできる展示が多数登場

      [2003/10/09]

    CEATEC JAPAN 2003は通信・情報・映像関連の展示会と銘打たれているだけあって、展示内容も非常に幅広く、会場も大きく「電子部品・デバイス&装置ステージ」と「デジタルネットワークステージ」の2つに分けられ、多種多様な展示が行われている。展示内容については市販化間近なものはもちろん、今年のテーマ「ユビキタス・コミュニティー、次へ始動!」に沿った、来るべきユビキタス社会を睨んだ実験的な展示も多く見られた。ここではその中から幾つか興味深いものをご紹介する。

    ○ロボット、静脈認証、指紋認証……目に見える形でユビキタスを提案する富士通

    富士通ブースでは、同社のプレゼンス(状態告知)サービス基盤「FLAIRINC(フレアリンク)」を用いたGPSサービスのほか、非接触型手のひら静脈認証システムや、携帯電話からインターネット経由でコントロール可能な家庭用ロボット「MARON-1」などの展示を行っていた。

    携帯電話からインターネット経由でコントロール可能な家庭用ロボット「MARON-1」
    非接触型手のひら静脈認証システム。なりすましなどの危険性を低く抑えることができる

    これらは全て発表済みのものであるが、ユビキタス社会においてプレゼンスを認識することは非常に重要なこと(同社)とのことで、FLAIRINCというミドルウェアと、個人認証システム(静脈認証や指紋認証)や家庭ロボット(MARON-1)などのアプリケーションを組み合わせることによって、「あまねくところに情報があり、それに自由にアクセスし、暮らしやすさの向上を図る」というユビキタス社会の実現を目指すとしている。FLAIRINCと携帯電話のGPS機能を組み合わせたシステムについては既に開発が完了しており、商談段階にあるという。

    FLAIRINCを基盤としたGPSサービス
    同社のヒューマノイドロボット「HOAP-2」

    ○FOMAでAIBOをコントロール、年末を目処に市販化へ

    年末には市販化が予定されているFOMAによるAIBOコントロールキットの稼働例

    NECのブースで展示されていたのは「ロボット遠隔操作システム」と題されたもの。題名からするとやや堅苦しいものを想像してしまうが、実はFOMA端末でAIBOをコントロールし、留守番をさせてしまおうというもの。

    遠隔操作システムはカメラを接続したPCとFOMA端末からの信号を受けるゲートウェイで構成されており、PCと接続されたカメラの画像をFOMA端末で確認しつつ、[4]で左、[8]で前進、[2]で後退、[6]で右などAIBOをコントロールすることもできる。また、AIBOに搭載されたカメラの映像をFOMA端末で確認することも可能となっており、PCと接続されたカメラからではわからない情報についても、AIBOを使って確認することが出来るなど、まさに「留守番ロボット」だ。

    なお、このシステムは12月に市販される予定。現時点ではFOMA端末のからの信号を受信する為にゲートウェイを接続する形となっているが、コスト的な問題から、市販時にはFOMAカードを用意し、ゲートウェイとして利用する計画もあるそうだ。

    ○iVDR、まもなく離陸。来年前半には製品が登場

    日立製作所は、従来から存在する2.5インチや1.8インチHDDをリムーバブル化して使用するHDD規格「iVDR」の製品展示を行っていた。耐衝撃性、iVDR用コネクタ、ATAに準じる電気仕様などの特徴を持ち、PCのみならず、HDDレコーダのリムーバブルメディアとしての利用も視野に入れたものだ。

    左が1.8インチ、右が2.5インチHDDを利用したiVDRドライブ
    会場にはI・Oデータ機器製のiVDRドライブも展示されていた

    展示されていたのは2.5インチ及び1.8インチHDDを使用したiVDRカートリッジで、内蔵型ドライブを使用し、HDDレコーダのリムーバブルメディアとして利用するものや、同社PCに組み込んだもの、また、I・Oデータ機器製のUSB 2.0インタフェース利用型なども展示されていた。価格などの詳細については未定だが、2004年第1四半期もしくは第2四半期には市場へ投入される見込みであるという。

    iVDRを使用したHDDレコーダ
    カートリッジのインタフェース部分

    ○シャープ、画面から音の出る小型液晶

    展示品のサイズは4インチで、基本的にはモバイル機器などでの利用を見込むという

    シャープのブースでは、CGシリコンを利用し、オーディオ回路をガラス基板上に集積したオーディオ内蔵のシステム液晶を展示、来場者の関心を集めていた。展示されていたのはLCDパネル自体から音が出るタイプと、ステレオスピーカーを外付けするタイプ。ステレオスピーカーを外付けするタイプではパネル上に集積されたオーディオ回路が直接外部の圧電スピーカーを駆動、出力を行うことが出来る。

    出力については「携帯電話程度」とのことで、大出力は期待できないようだが、ガラス材自体は従来からの液晶と変わりなく、2004年中には量産出荷が開始される予定であるとのこと。同社では、PDAや電子ブック、カード型デジタルカメラ、モバイル放送端末などでの利用を見込むとしている。

    ○男の夢実現!? 合体分離型ケータイを三菱が展示

    三菱電機は、機能モジュールによる機能拡張が可能な次世代携帯電話を参考展示していた。この携帯電話は基本となる通話ユニットにカメラユニット、デジタルテレビチューナー、GPS、ゲームコンソールなどを脱着することで様々な機能拡張に対応しようというもの。きょう体を横にするスタイルにも対応し、各種の情報ブラウザとしても高い使い勝手を実現するように意図されている。

    三菱電機の展示していたモジュール式携帯電話
    ビデオ撮影モジュールを搭載した例
    コンセプト図
    カメラモジュールを搭載した例

    全ての機能をひとつの端末に搭載するのではなく、モジュール交換によって機能を分担させようというコンセプトはPDAなどでは見られるものだが、携帯電話にこのコンセプトを持ち込んだものはauのPashaPa(パシャパ)などのみで、実用化された例は少ない。興味深い試みだけに、実用化を期待したいものだ。

    (渡邊宏)

    富士通とPFU、ネット対応のホームロボット「MARON-1」を限定発売
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/03/13/34.html

    40GBを持ち歩ける新しいHDD規格 iVDRが策定へ
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/03/06/07.html

    【CEATEC JAPAN 2003レポート】日本のエレクトロニクスを激励する出井・坂村両氏
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/07/21.html

    CEATEC JAPAN 2003が開幕、PSXの詳細も明らかに
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/07/19.html

    富士通
    http://jp.fujitsu.com/

    NEC
    http://www.nec.co.jp/

    日立製作所
    http://www.hitachi.co.jp/

    シャープ
    http://www.sharp.co.jp/

    三菱電機
    http://www.mitsubishielectric.co.jp/

    CEATEC JAPAN 2003
    http://www.ceatec.com/

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