【インタビュー】AMD PCSグループ(2) - Geode/Alchemy/Duronの共存

Photo04:Geode GX2。さすがに刻印をAMDに変えるのは全然間に合ってない。まぁ変える必要もないのだが。

--昨年、AMDはSchool PCのデモを行いましたよね? こうしたシンクライアントのマーケットに、Alchemyは良いソリューションになる訳ですが、今回Geodeシリーズ、特にGeode GX2はこれまたシンクライアントに向いたソリューションです。これはつまり、PCSの2つの製品が競合することになりませんか?

S:確かに価格面では近いものになるでしょう。ただ、マーケットという点ではやや異なると認識しています。Alchemyは超低電力にフォーカスします。例えばOpenPDAのサンプルの様なマーケットですね。こうしたマーケットでは、x86との互換性が問題になる事は殆どない。で、x86の互換性が必要とか、より高速な処理性能が必要な場合、Geodeのラインナップが向いているという事になります。

--競合メーカーはMIPS系のソリューションを使う事が多いわけですが、彼らはMIPS32コアのCPUと周辺チップ、ソフトウェアなどを組み合わせて、セットトップボックスなどのソリューションを提供しています。現在はMIPS32向けにOS/エンコーダ/デコーダなど多くのソフトウェアが提供されていますから、別にx86との互換性が問題になる事は無くなりつつあると思うのですが?

Photo05:Geodeを使ったIPベースのセットトップボックス製品の例。こうした製品を作るクライアントをAMDは手に入れたわけだ。

S:トラディッショナルなセットトップボックスはインターネットに繋がりませんし、MIPS系で十分でしょう。が、こうしたビジネスも次第にインターネットを抜きには考えられなくなってきています。こうしたケースではx86の互換性は非常に重要です。

--TCP/IPスタックを始め、ブラウザやメディアプレイヤーなど多くのものがMIPS32ベースで入手できますが?

P:セットトップボックスがx86ベースになると何が変わるかというと、エンドユーザーはセットトップボックスにPCの能力を求めるようになるという事です。確かにMIPSでもソフトウェア環境は揃うでしょうが、様々なx86でしか動かないアプリケーションの移植は大変だと思います。例えばブラウザのプラグインなどだ。こうしたものは殆どがx86に依存したものですから、他のプラットホームで実現するのは大変だと思います。

--x86ベースのセットトップボックスといえば、例えばVIAはEden Platformを使ってのソリューションを出していますし、Intelは先日のIDFでCeleronにIntel 815やIntel 835を組み合わせたソリューションを提示しました。これらの競合製品は何れもCPUパワーがGeodeに比べてパワフルですし、という事はより高いエンコード性能やより柔軟な構成を意味していると思えます。勿論これらはかなり発熱が多くなるでしょうが、パフォーマンスがあることは間違いありません。ちょっと大きめの箱と、恐らくアクティブファンを1つ追加すれば、発熱はそれほど大きくならないでしょう。これについてどう思われますか?

Photo06:スマートディスプレイを裏側から。Geodeを使った本体は液晶の裏の小さなふくらみの中に収まりきる。

P:顧客がそうしたソリューションを望んでいるのならば、我々にはDuronがあります。ハイパフォーマンス向けにはDuron、低消費電力向けにはGeodeを我々は提供できます。そして超低消費電力向けにはAlchemyというラインナップになります。1つのプロダクトで全てのラインナップをカバーするのは現実的ではありません。

S:私たちから見れば、IntelやVIAは(組み込みマーケットでは)ニューカマーです。我々は既に3~4年の実績があります。加えて言えば、我々には(ハードウェア)デコーダーがあります。非常に低コストのビデオデコーダーと組み合わせる事で、ハイクオリティのビデオデコーディングシステムを提供できます。

--Duronをこのマーケットに投入できると仰いましたが、その場合チップセットはどうなるのでしょう?

P:チップセットベンダーと密接な関係を保って、しっかりと供給してゆきます。

--COMPUTEXの会期中、SiS/ULi/VIAという3つのベンダーと既に話をしましたが、どのベンダーもK7向けチップセットは供給を止める意向を示していますが? 彼らはいずれもK8向けチップセットのビジネスに移行することを望んでいます。組み込みマーケットでは長期の供給保証が極めて重要なわけですが、こうした事は台湾ベンダーに可能なのでしょうか?

P:これはビジネス上での判断です。我々は多くの独立した顧客を抱えていますし、従って長期間チップセットを供給する必要があります。そこで、我々は(チップセットベンダーと)協議の上、彼らに生産して貰ったチップセットを(我々が)ストックしておく事ができるのです。PCビジネスでは考えられないやり方ですが、組み込みマーケット向けには良くある話です。我々は長期供給に関するコミットメントを(顧客に)行っており、これはその(コミットメントの)一環だと考えて欲しいのです。

--なるほど。ではローエンドはGeode、ハイエンドはDuronで、それで足りなければAthlonなりAthlon XPなり(「Opteronだ」とPompa氏)があるわけで、これはわかりました。では、AMD ELANはどうなりますか?

P:あー、ELANか。うーん、なくなるだろうねぇ(笑)

--無くなっちゃうんですか? 性能的にはGeodeと競合できるいいCPUですが?

P:うーん、両方を比べた場合、Geodeの方がより高性能です。それにELANは相対的に高価ですから。プライス・パフォーマンスの観点ではGeodeの方が良いソリューションといえます。また機能的にも、GeodeはELANのスーパーセットにあたりますから、引き続きELANは販売を行っていきますが、新しいデザインのELANが出る事はないと思います。

--つまり、ELANを使っているユーザーに対しては、Geodeに乗り換えてゆくような働きかけをしてゆく訳ですね?

P:そうなれば嬉しいです。むやみに製品ラインを増やしても仕方が無い訳で、重複する製品は整理しなければいけないですから。

(大原雄介)

【インタビュー】AMD PCSグループ(3) - Geodeの搭載のノートPCは登場するか
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/08/13.html
に続きます

【インタビュー】AMD PCSグループ(1) - なぜAMDはGeodeを手に入れた?
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/10/08/11.html

COMPUTEX TAIPEI 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/09/23/01.html

AMD
http://www.amd.com/



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