【COMPUTEX TAIPEI 2003レポート】ULiインタビュー(1) - 分社化で改めてチップセットマーケットを狙う

インタビュー場所となったCOMPUTEX会場のALiのブースでは、ALiのロゴの付いたグリーンのウェアを着た人間と、ULiのロゴのついたブルーのウェアを着た人間が入り乱れていた。実は、「いつのまにか」ALiはチップセット部門をULi Electronics Inc.(宇力電子)という名前で分社化しており、本体であるALiはDVDのコントロールチップセットなどマルチメディア部門に特化する方針を打ち出していた。なんで「いつのまにか」なのかと言うと、現時点ではALiのWebサイトにもULiのWebサイトにも、これに関する情報がない(というか、ULiのWebサイトはアクセスすら出来ない)からである。過去のプレスリリースを見てみると、今年6月30日に出された、M1683に関するもの(ALi and ULi Co-announce Newest Intel P4 Chipset)で、"its official subsidiary ULi Electronics Inc. (ULi)"として言及している程度で、お恥ずかしながら筆者は全くこれに気が付かなかった。

さてそのULiの今後の動向を、A.V.P. Sales & Marketing Dept.のBruce Tai氏とCEO & PresidentのAlex Kuo氏に伺ったので、ロードマップの紹介を交えつつご報告したい。

インタビューに応じてくださったA.V.P. Sales &Marketing Dept.のBruce Tai氏
途中から参入されたCEO & PresidentのAlex Kuo氏

○概括ロードマップ

まず、ULiの今後のロードマップをまとめてみたい。

○Intel Platform

Discrete
投入予想時期 2003年H1 2003年H2 2004年H1 2004年H2
製品名 M1681 M1683 M1685 M1691
対応CPU Pentium4 Pentium4
/PentiumM
Pentium4
/Prescott
/PentiumM
Pentium4
/Prescott
/PentiumM
対応FSB 400/533MHz 400/533
/800MHz
400/533/800
/800+MHz
400/533/800
/800+MHz
対応メモリ DDR400 DDR400 DDR400
/DDRⅡ667
DDR400/
DDRⅡ800×2
グラフィック
インタフェース
AGP 8X AGP 8X PCI Express x16 PCI Express x16
チップセット
インタフェース
HyperTransport HyperTransport HyperTransport PCI Express x4
対応サウス M1563/M1563M M1563/M1563M M1573 M1575
出荷時期 量産中 量産中 ES:Q1/2004 ES:Q2/2004

Integrate
投入予想時期 2003年H1 2003年H2 2004年H1 2004年H2
製品名 M1672/72B -- M1685 --
対応CPU Pentium4
/PentiumM
-- Pentium4
/PentiumM
--
対応FSB 400/533MHz -- 400/533/800
/800+MHz
--
対応メモリ DDR266 -- DDR400 --
グラフィック
Trident XP4 -- ATI Graphics --
チップセット
インタフェース
PCI -- HyperTransport --
対応サウス M1553/M1553M -- M1573 --
出荷時期 量産中 -- ES:Q1/2004 --

現在は3種類のチップセットが量産中である。既にアナウンスのあったM1681と、これとピン互換で800MHz FSBとPentium Mのサポートを追加したM1683、そして旧来のM1672/1672Bである。1672と1672Bの違いは、Pentium Mのサポートがあるかどうか、でしかない。またグラフィックチップは、TridentのXP4コアである。サウスブリッジとの接続は、依然としてPCIバスだ(M1681/1683はHyperTransport Linkを利用する)

さて、これに引き続き来年Q1にはM1685が登場する。NorthwoodとPrescott、Pentium Mまですべてのチップをまとめてカバーする。また、800+MHzという表現が微妙ではあるが、要するにPrescottのLLC775ソケットで利用される1067MHzへの対応も出来ているという意味だ。メモリもDDR 200~DDR 400のほか、いち早くDDR II 400~DDR II 667までカバーする。また、グラフィックインタフェースはPCI Express x16に変更される。

同時期に登場するM1682は、このM1685にATIのグラフィックコアを統合した形のものになる。ただしDDR IIへの対応は延期だそうだ。このチップもまた、1067MHz FSBへの対応がなされている。

これらに引き続き登場するM1691は、チップ間インタフェースにPCI Express x4を使い、またメモリインターフェースが2チャンネルになったものである。スペック的にはGrandsdaleなどと同等になるもので、2004年Q2からサンプル出荷が開始される。

グラフィック統合のM1682だが、こちらはなんとATIのGraphicsコアを統合するという。時期的に言えばM10かM11か、というあたりだが、そのあたりの詳細は教えてもらえなかった。

○AMD Platform

Discrete
投入予想時期 2003年H1 2003年H2 2004年H1 2004年H2
製品名 M1687 M1689 -- M1697
対応CPU K8 K8 -- K8
チップセット
インタフェース
HyperTransport None -- None
グラフィック
インタフェース
AGP 8X AGP 8X -- PCI Express x16
対応サウス M1563/1565 None -- None
その他機能 -- PCI×6、USB 1.1/2.0×8、10/100BASE-T、SATA×2、PATA133×2、RAID 0/1、AC'97 -- PCI×6、USB 1.1/2.0×8、10/100BASE-T、GbE、SATA×4、PATA133×2、RAID 0/1/0+1、
AC'97/UAA
出荷時期 量産 ES:Q3/04
MP:Q4/04
-- ES:Q1/04 MP:Q2/04

Integrate
投入予想時期 2003年H1 2003年H2 2004年H1 2004年H2
製品名 -- -- -- M1688
対応CPU -- -- -- K8
チップセット
インタフェース
-- -- -- HyperTransport
グラフィック -- -- -- Trident XP4
対応サウス -- -- -- M1563M/1565
出荷時期 -- -- -- ES:Q4/04 MP:Q1/04

ULiのブースには、デュアルチップ構成のM1687とシングルチップ構成のM1689が展示されていた。本命としてはM1687の模様で、こちらを本格的に売りたいようだ。これに続くものとして、今年末にEngineeringSampleを開始するM1688が控えている。こちらはグラフィックコア(Trident XP4)を統合したもので、ダイ面積が増えたためか2チップ構成。サウスブリッジにはM1563M、もしくはM1565が利用される。

さて、来年にはM1697が登場する。こちらはグラフィックバスにPCI Express x16を使うシングルチップソリューション。他にPCI Express x1を4本やSATA×4本、GbE MACなどを装備し、CPUインタフェース以外はほぼM1685+M1575の構成と同じスペックである。なお、ロードマップには示されていないが、当然この後にはグラフィック統合のソリューションが出て来るはずで、その際には2チップ構成となるだろう。

○サウスブリッジ

投入予想時期
2003年
2004年
製品名 M1563/1563M M1565 M1573 M1675
チップセット
インタフェース
HyperTransport HyperTransport PCI Express x4 PCI Express x4
拡張バス PCI×6 PCI×6 PCI×6 PCI×6
4 PCI Express x1
USB USB 1.1/2.0×6 USB 1.1/2.0×8 USB 1.1/2.0×8 USB 1.1/2.0×8
ネットワーク 10/100BASE-T 10/100BASE-T 10/100BASE-T 10/100BASE-T
GbE
その他機能 PowerSpeedⅡ PowerSpeed、Security PowerSpeedⅡ、Security PowerSpeedⅡ、Security
出荷時期 量産 ES:Q3/04
MP:10月
ES:Q4/04 ES:Q2/04

最後にサウスブリッジの紹介もしておこう。現行はM1563/M1563M(最後のMはモバイル対応を指す)だが、これに続きSATAとSecurity Featureを内蔵したM1565のサンプル出荷が現在始まっている。実はHyperTransport Linkを使う世代はこれで終わりで、これに続く世代はPCI Expressを使うことになる。その第1世代にあたるM1573は、機能的にはSATAを4ポートに増やし、RAID 0+1を追加した程度のもの。この世代では、PCI Express x1はNorth Bridgeから出るので、サウスブリッジ側にはPCI Express Switchの機能は入らない。これが入るのは来年Q2にサンプル出荷の始まるM1675である。M1675ではまたGbEのMACも統合されることになっている。

【COMPUTEX TAIPEI 2003レポート】ULiインタビュー(2) - 10月末には新チップ搭載マザーが登場
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/28/10.html
に続きます

(大原雄介)

COMPUTEX TAIPEI 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/09/23/01.html

ALi
http://www.ali.com.tw



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