【東京ゲームショウ 2003 レポート】基調講演(1) - ファミコン登場から20年、成長モデルの限界

 

今回で13回目を迎える「東京ゲームショウ」が幕張メッセにて開催された。今年は「遊び心が世界を変える」をテーマに、9月28日まで開催される。今回の出展社数はゲームソフトメーカー、ツール開発メーカー、専門学校など111社で、1996年の第1回開催以来、最多となっている。

初日の26日には、任天堂代表取締役社長の岩田聡氏から「ファミコンから20年:ゲーム産業の今とこれから」と題した基調講演が行われた。講演では1983年のファミリーコンピュータ(以下 ファミコン)発売から20年を迎え、成熟期を迎えたゲーム産業の現状を岩田氏が分析、同社のこれからのビジョンについても語られた。

○ファミコン登場から20年

岩田氏はまず、今年がファミコン発売から20年という節目の年であることから、ゲーム機の歴史について振り返った。

ファミコン登場当時は2~3人のチームでソフトの開発が行われており、その開発期間も数カ月であった。当時はビデオゲーム自体がまだ珍しいこともあり、10万本以上売れるのが当たり前、100万本以上売れることも珍しくなかったという。ファミコンが登場した頃のカートリッジ容量は64Kbitで、開発者はいかに容量と折り合いをつけながらたくさんの要素を詰め込めるかに腐心していた。

ゲームの容量はその後も増加し続け、ファミコン誕生から10年足らずで1,000倍近くに増大した(1996年に発売されたNINTENDO 64のカートリッジは64Mbit)。これは「もっと豊かなサウンド・グラフィックを」「もっとたくさんのギミックを」というユーザーと開発者のニーズに応えたものであったが、それに応じて、開発期間とコストは増大していった。しかし、当時はゲームの市場そのものは拡大の一途をたどっており、ゲームソフトの単価が上昇してもそれは受け入れられた。

1990年にはスーパーファミコンが登場し、このころには開発チームは50人以上、開発期間が1年以上という大作も登場し始めた。しかしながら、ソフトの価格も1万円以上のものが登場し始め、売れるソフトと売れないソフトの差が明確になり始めた。このころから複雑な内容のソフトも登場し始め、遊ぶ為の時間が必要とされるようになってきた。

2000~01年には高品位な3Dグラフィックスを扱えるゲーム機が登場、一気に3D化が進んだ

そして、1994年から1996年にかけては3Dグラフィックスが扱えることを目玉としたゲーム機が登場した。1994年登場のPlayStation、同じく1994年登場のSEGA Saturn、1996年登場のNINTENDO 64である。これらのマシンによって、ファミコンから見れば夢のような3Dグラフィックスが家庭で楽しめるようになったが、開発に必要な時間とリソースは更に増大した。岩田氏は「"3Dでなければ時代遅れである"といった風潮を生み出してしまったことも事実」と当時を振り返る。また、これらのゲーム機ではメディアとして光ディスクを利用したものが多く、ソフト自体が低価格化されたのも特徴だという。

2000年以降には、PlayStation 2、NINTENDO GAMECUBE、Xboxといった高度な3D表現の可能なコンソールが登場し、リアルタイムに高品位の映像が合成可能になった。ここに至って開発自体はますますハイリスクになり、「もともと枯れた技術の応用としてのビデゲーム産業は、気がつけば最先端の技術を使うビジネスになってしまった」と岩田氏は現在のゲーム産業が「重厚長大路線」ともいうべきところに入り込んでしまったと述べた。

ゲームビジネス縮小の原因のひとつに「これまでの成功法則が通用しない」ことを岩田氏は挙げる

○これまでの成長モデルの限界 - 大容量・複雑化の手法は行き詰まる

「"最近はゲームソフトが売れない"と感じていない人はいないでしょう」。岩田氏はCESAの資料から国内のソフト出荷額が低下傾向にあることを示しながらこう述べ、その原因として、「"ゲームの大容量化・複雑化でゲームユーザーを満足させる"というこれまでの成功法則が限界に達した」「あらゆる娯楽はユーザーの限られた時間を奪い合う競争の中にいる」という2点を挙げた。

そこで、業界全体で取り組むべき課題として掲げたのが「間口が広くて奥が深い」商品の提供であるという。それによって、既存ゲームファンの期待に応えつつ新しいユーザーを獲得し、なんらかの事情でゲームから離れてしまったユーザーを呼び戻すことが必要だと訴えた。

日本製ソフトが海外市場で以前ほど受け入れられなくなってきているという

一方、海外におけるゲームビジネスは現在好調であり、北米地域ではひとつのタイトルが長期間にわたって売れ続ける、制作側にとっては極めて好ましい傾向を示しているが、このまま成長が持続する可能性は低いと岩田氏は分析する。今後はより地域や文化に合わせた細かな表現が求められることや、"映画のような見た目" "スポーツ中継のようなリアルなスポーツゲーム"という驚きは長時間、持続しないことを挙げ、これまでのような成長は容易には見込めないとした。

しかし、例外もあるして岩田氏が挙げたのが同社の「ポケットモンスター」シリーズだ。「ポケットモンスター ルビー」「同 サファイヤ」は日本で479万本、アメリカで316万本、ヨーロッパで211万本と全世界で1,000万本以上を出荷しており、「重厚長大だけが答えではないことを証明した」という。

【東京ゲームショウ 2003 レポート】基調講演(2) - ゲームの次のトレンドは? 新型機で中国市場へ参入する任天堂
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/26/13.html
に続きます

任天堂
http://www.nintendo.co.jp/

東京ゲームショウ
http://tgs.cesa.or.jp/



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