【IDF Fall 2003レポート】Product Showcase初日 - PCI Express対応VGA/PT880/i835など

既に山下氏のレポートにもある通り、今回のIDFではPrescottやDothanなど「直近」の製品の話は殆どなし。90nmプロセスの(リーク電流の多さに起因すると思われる)TDPの高さや、それに伴う発熱の多さの話なども、まるで緘口令が敷かれているがごとく一切なし。その分、「LaGrande Technology」とか「VanderPool Technology」といった「先の話」がメインテーマとなっている様で、いまいち面白くない。個別の詳細はこの後追って詳細をまとめるとして、とりあえず初日にProduct Showcaseで展示された製品の中から面白そうなものをいくつかPickupしてレポートしたい。

○PCI Express対応グラフィックカード

ATI Technologyは、PCI Express 16xに対応したグラフィックカードを展示した。それもメカニカルサンプルではなく、ちゃんと動作デモが行われていた。チップ自体は「これはあくまでもPCI Expressの評価用のもので、製品ではない」との事で、既存のRV350あたりの改造版の可能性が高い。

チップ表面はファンに隠れていて見えないが(Photo01)、コネクタ形状の違いに目を向けなければ、既存のAGPカードと殆ど区別がつかない。裏面もほぼ同様である(Photo02)。ちなみに搭載されているメモリはSAMSUNGのDDR-SDRAMだった。動作の方はというと、Dual CPUマザー上で実際に稼動させるデモが行われていた(Photo04)。

一方NVIDIAの方は? というと、初日はなんとこの看板「だけ」(Photo05)。明日以降で変化があればまたレポートしたい。

(Photo01)電源部がそれほど大きくないあたり、R350ベースというよりはRV350ベースと考えたほうがよさそうだ
(Photo02)裏面はこんな感じ。それほどパスコンも多くなく、PCI Expressへの信号対策がそれほど難しくないことを伺わせる。もっとも、まだフルスピードで動いているかどうかは謎だが
(Photo03)搭載しているのは、16MB/32bitのDDR-SDRAM。これが8つ搭載だから、128MBということになる。アクセスタイム速度は350MHzなので、スペック的にはRADEON 9600 Pro相当だろうか?
(Photo04)PCI Express x16コネクタに接続されている様子。本当はマザーボード全体ごと撮りたかったのだが、マザーボード自体がまだ未公開製品だけに撮らせてもらえなかった
(Photo05)んで、実物は?

○SCSIカード2種

AdaptecとLSI Logicは、どちらもPCI Express 4xに対応したSCSIカードをサンプル展示していた。Adaptecの方はというと、Ultra320 SCSIを2チャンネル装備したRAIDコントローラで(Photo06)、IntelのPCI Express Bus Bridge(Photo07)にAdaptecのRAID Controller(Photo08)を組み合わせた素直な構成。LSI Logicのサンプルボードもほぼ同様の構成だった(Photo09)。4xのPCI Expressでは、帯域が800MB/secにも及ぶから、Ultra320のデュアルでも十分間に合う計算になる。こうした構成のボードは今後増えてきそうだ。

(Photo06)かなり長めに仕上がったボードだが、「これはあくまで試作品で、今後幅を詰めてゆく」そうである
(Photo07)本邦初公開の、IntelのPCI Express Bus Bridge。おそらくPCI-XとのBus Bridgeだと思われる。ただ、Photo09と見比べると分かるが、パッケージ形状が結構異なっており、まだ試作のレベルなのかもしれない
(Photo08)こちらはUltra320 SCSIのRAID Controller。このコントローラ自体は「既存の製品と同じもの」だそうである
(Photo09)Adaptecのものに比べると小さく仕上がっているが、基本的な構成はまったく同じ。コントローラは黒い放熱板が乗っているため、内部は確認できなかった

○PCI Express Controller

PCI ExpressのBus InterfaceはATI(やおそらくNVIDIA)の様に、チップ内部に統合したケースと、Adaptec/LSI Logicの様にブリッジチップを使ったケースの2つが現状殆どであったが、NEC AmericaはPCI Express 4xまでに対応したコントローラとサンプルボードを出展した(Photo10,11)。既に物理層とプロトコルのテストには利用できる程度になっているそうで、これを使うことで独自のボードを作ることも可能になっている。

とはいえ、現実問題としてこれを使ったボードが出てくるまでにはまだだいぶ時間が掛かりそうだ。というのは、当初はブリッジチップを使ったアプローチの方が簡単だからで、製品価格は上がるが、開発費はそれほど掛からないからだ。当初はPCI Express製品はどうしてもプレミアがついた価格になるだろうし、そうであれば既存の製品にBridge Chipを載せてリリースしてもそれほど問題はない。従ってNECのこのコントローラが利用されるようになってくるのは、来年後半以降になるのかもしれない。

(Photo10)IntelのPCI Express評価用ボードのPCI Express 16xコネクタに装着した図
(Photo11)コントローラとコネクタ。コントローラから出る4対のPCI Expressの信号ラインが良く分かる

○VIA PT880

今月24日に台北で行われるVTF(VIA Technology Forum)で正式発表される「VIA PT880」サンプルボードが、PreviewということでIDFで展示されていた(Photo12,13)。800MHz FSBに対応し、DDR400のデュアルチャネルメモリをサポートした、Intel 875Pとほぼ同スペックの構造。ただ、メモリはDDR400以外にQBMにも対応し、またサウスブリッジのVT8237は、SATA150を4チャネル装備し、デフォルトでRAID0+1を構成することが出来るのをウリにしていた。また動作デモも同時に行われており、ノースブリッジにヒートシンクを装着しなくても動作する(つまりそれだけ発熱が少ない)事をアピールしていた。

ちなみに説明員によれば、PT880の1st PriorityはDDR400のサポートで、QBMは2nd Priorityになるとか。また、これに続き登場すると言われていたPT890(DDR IIとPCI Expressをサポートした製品)に関しては「VTFでアナウンスするかどうか分からない。登場は早くても今年第4四半期、というか今年のかなり末になると思う」との事だった。

(Photo12)PT880のサンプル。評価ボードとあってか、サイズはATXより一回り大きかった
(Photo13)ヒートシンクもつけずに動いていたPT880。ちなみに左上の樹脂は、単に説明用に目立たせるためにつけているだけで、それ以上の意味はないそうな

○Intel 835

最後に、自作にはちょっと関係ない話題を1つ。Digital Homeの中で、セットトップボックスなど向けにIntel 815ベースの製品のほか、Intel 835がリリースされるという話が出ていたが、「このIntel 835とは何ぞや?」ということになる。これについて聞いたところ、「Intel 830シリーズを基本としているが、モバイル向けではないので、省電力に関するフィーチャーははずしてある。また、Intel 830シリーズはIntel Extreme Graphicsを搭載しているが、835ではこれの代わりにDigital Video Graphicsを搭載している」という返事が返ってきた。

(Photo14)Intel 815ベースだとICH2を接続することになるが、Intel 835ではICH4を接続して使える。また、メディアコプロセッサが横についていることからも分かる通り、表示のメインとなるのはメディアコプロセッサの方で、Intel 835のグラフィックは、あくまでソースの1つを提供するだけということになるようだ
例えばセットトップボックスでは、複数のTV映像を表示したり、チャネル表示などのキャプションとか、いろいろなものを「重ね合わせて表示」することが求められており、その一方で3Dのグラフィックアクセラレーションなどはまったく不要である。そこで、ピクセル単位でアルファブレンディングを行える、まったく別のグラフィックコアと入れ替えたのがIntel 835という事になるそうだ(Photo14)。


(大原雄介)

IDF Fall 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/09/17/01.html

Intel Developer Forum
http://www.intel.com/idf/us/fall2003/



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