携帯がポイントカードやチケット代わりに - NECから「LightHolder」発表

      [2003/09/09]

    NECは、携帯電話の赤外線通信機能を利用し、携帯電話をチケットやクーポン券、会員証などの電子チケットとして利用することのできるサービスの基盤ソフトウェア「LightHolder」を発表した。同社では、秋葉原の電気街を中心とした商用化実験を、NTTコミュニケーションズと共同で2004年1月から開始する予定。30日から出荷が開始され、提供価格は店舗設置端末100台の場合120万円となる。

    LightHolderの仕組み

    「LightHolder」は、携帯電話のiアプリとして動作し、定義されたサービスを実行する。サービス定義のインストールや更新は赤外線を通じて自動的に行なわれる。サービスの利用時は赤外線通信でPOSレジなどの店舗端末との通信を行なう。NECは、端末へのiアプリ、バックエンドサーバへのポイント管理システムなどの実装をするためのコンポーネントを提供する。

    消費者から見たこのサービスのメリットは、クーポンチケットなどを携帯電話に集約して持ち歩くことができること。常に持ち歩く携帯電話にデータとして格納しておくことで忘れることが少なくなり、財布などの中もスッキリする。「LightHolder」は、「たくさんのカードを軽く(Light)持ち歩くことができるもの(Holder)」が名前の由来。また、店舗に行けば、インストールされた対応サービスが自動的に立ち上がるので、利用するサービスを選んで起動するなどの手間がかからないというメリットもある。赤外線通信を利用するので、パケット料金がかからず、気軽に利用できることも特徴。

    事業者側には、常に最新のサービスや情報を顧客に提供したり、サービスと同時に広告なども消費者にプッシュしたりできるなど、新しい事業機会を得ることができるメリットがある。

    実際のサービスモデルとしては、スポーツや演劇のチケットサービス、販売店でのクーポンサービスやポイントサービス、飲食店でのオーダーサービスなどのモデル、もしくは、これらを組み合わせたサービスモデルが考えられるという。

    NECでの活用事例のシステムイメージ

    NECでは、1日よりグループ会社社員を対象とした電子チケットサービスとして「LightHolder」を導入。13日開幕の「ジャパンラグビートップリーグ」NECラグビーフットボール部の試合や、12月に開幕される「第10回Vリーグ」NECバレーボール部の試合のチケットを抽選で提供しているという。ユーザは社内イントラネットを使ってチケットを申し込む。当選すると携帯電話にメールで通知され、メール文中のリンクをたどってチケットをデータとして得ることができる。このチケットを使って会場で認証を受けることで試合の観戦ができる。

    上の例では対象が限定されているため、イントラネットでのサービス提供となっているが、実際にはインターネットを利用することにより、消費者はWebを通じていつでもどこでもチケットの入手が可能。チケット販売経路の簡素化や発行コストの低減が図れるという。また、顧客情報をダイレクトに入手できるので、これを利用したポイントの付加やクーポンの発行などOne to Oneのビジネスの展開も容易になるとする。

    現在対応端末は、赤外線通信機能とiアプリを使うため、NTTドコモの504i、504iS、505iシリーズとFOMAの一部機種となるが、今後は他キャリアへの対応や、Bluetooth、非接触ICなど他の通信方式への対応も考えているという。

    商用化実験でパートナーとなるNTTコミュニケーションズでは、8月に携帯電話の赤外線通信を利用したクレジット決済サービスを発表しているが、今回の「LightHolder」の商用化実験ではクレジット決済の機能は含まれず、クレジット決済サービスとの連携機構もないという。これらについては今後の動向を見て考えていくとした。

    また、携帯電話端末の紛失、機種変更、また、誤ってチケットを消してしまったときなどのリカバリなどについては、今回はあくまでサービスモデルと開発基盤を提供するものなので、事業者側の実装次第になるという。

    NECインターネットソフトウェア事業部長 米田潔氏

    いままで数多くの赤外線通信を利用したサービスが提供されたが、ユーザに根付いたものは多いとは言えない。この点についてサービス普及のブレイクスルーに必要なものは何かをNECインターネットソフトウェア事業部長 米田潔氏に伺ったところ、「販売店がサービスの存在に気付いてくれることが大事。できるだけ大口の事業者に採用してもらって後につなげていきたい」とし、事業者に「LightHolder」の存在を広報していくことが、サービスの普及に必要であるとの認識を示した。同社では、営業活動やイベントへの出展を通して広報活動を展開していきたいという。

    【デジタル家電フォーラム2003レポート】モバイルコマースを目指すNTTドコモ - ケータイを多機能財布に
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/09/04/06.html

    携帯電話の赤外線通信を利用したクレジット決済サービスが商品化実験へ
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/08/11/38.html

    NTTコミュニケーションズ
    http://www.ntt.com/

    NEC
    http://www.nec.co.jp/

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