オリンパス、フォーサーズシステム採用デジタル一眼レフカメラ「E-1」発表

オリンパス光学工業は、新たな光学設計とデジタル一眼レフカメラシステムの新規格「フォーサーズシステム(Four Thirds System)規格」を採用したレンズ交換式デジタル一眼レフカメラ「E-1」を発表した。プロフェッショナル向けを想定、専用設計のボディやレンズなどを用意して高画質と機動性の両立を目指した。10月上旬からの販売が予定され、価格はオープンプライス。実売は標準レンズと本体で30万円を切る程度となる見込みだ。

フォーサーズシステムを採用したデジタル一眼レフカメラ「E-1」

フォーサーズシステムは、昨年9月にオリンパスと米Eastman Kodakが発表した規格で、銀塩カメラをベースとするのではなく、デジタルカメラの特性を活かせるように、撮像素子サイズを4/3型にしたほか、レンズマウントも標準化した。E-1は、フォーサーズシステムに準拠した世界初の製品となる。同社では従来、「E-10/20」というレンズ固定のデジタル一眼レフカメラを提供してきたが、フォーサーズシステム準拠の製品を「Eシステム」と銘打ち、今回、レンズ交換式のデジタル一眼レフカメラ市場に参入する。

F-1グランプリのフェラーリへのスポンサーシップを開始したことから、最高画質を実現する「映像におけるF-1」の戦いを今後目指す
過去の同社デジタルカメラの歴史
画質を重視すると、フォーサーズシステムがベストと判断

撮像素子サイズの比較。ほぼAPSフィルムサイズとなる

E-1は、撮像素子に有効画素数500万画素の4/3型CCDを採用。一般的なデジタルカメラのインターライン型CCDではなく、同社としては初めてフルフレーム型CCDを用いており、より豊かな階調を実現したという。4/3型CCDは、サイズとしては17.4×13.1mmとなり、35mm判フィルムの半分、従来のデジタルカメラで利用されている2/3型CCDと比べるとほぼ倍のサイズとなっている。


撮像素子の比較(左から1/1.8型、2/3型、4/3型)

画像処理エンジンには3つのASICを搭載しており、画像処理、インタフェース、カメラ制御をそれぞれ別のASICで並列演算処理を行うことによって、高速処理が可能になっている。バッファメモリは128MB。

ズイコーデジタルレンズ

レンズはデジタルカメラのために専用設計されたもので、Eシステム専用レンズにすることで銀塩カメラ用レンズを流用しただけでは難しい画像周辺部の光量不足や色再現性の問題解決を図った。レンズは、銀塩カメラ用として定評のあったズイコーブランドを復活させた「ズイコーデジタル(ZUIKO DIGITAL)」レンズが提供され、E-1発売時には4本、今年中にさらに1本が用意される予定。

○ズイコーデジタルレンズ

レンズ価格発売日
ZUIKO DIGITAL14-54mm F2.8-3.575,000円10月上旬
ED 50mm F2.0 Macro81,000円10月上旬
ED 50-200mm F2.8-3.5125,000円10月上旬
ED 300mm F2.8875,000円10月上旬

フォーサーズシステムは、銀塩カメラ用レンズに対して、同じ画角を得るためにレンズの全長が半分で済むというメリットもあり、35mm判換算の焦点距離は全て2倍になるので、例えば「ZUIKO DIGITAL ED 300mm F2.8」レンズでは、35mm判換算の焦点距離が600mmとなる。

レンズは専用設計。非常に高精度の加工が施されており、磨きは資格を持つ4名のみが行う徹底ぶり
銀塩カメラ用の600mm望遠レンズ(後方)に比べ、全長が半分程度のズイコーデジタルレンズ(300mm、前方)

E-1は、プロカメラマンの使用に耐えうる仕様として、マグネシウム合金を採用した軽量・堅牢なボディや15万回の作動をクリアした耐久性の高いシャッターユニット、ボディ各所のシーリングによる高い防滴性・防塵性などを備える。また、CCD前部にフィルターを備え、それを超音波で振動させることで、レンズ交換時に付着しがちなゴミやホコリを払い落とす「スーパーソニックウェーブフィルター」(超音波防塵フィルター)などといったダストリダクションシステムも装備する。

ダストリダクションシステムによりゴミやホコリに強い。写真中央はCCD前面に付着したホコリ。写真右ではスーパーソニックウェーブフィルターによってホコリが振り落とされた

マグネシウム合金を採用した軽量・堅牢なボディ
防滴性・防塵性も高い。事前にE-1を撮影に利用した写真家・岩合光昭氏は、「あらゆる天候に対応してくれた」と賞賛

撮影機能としては、新開発のTTL位相差検出センサーにより、0EVから19EV(ISO100時)という幅広い範囲で高速・高精度に機能するオートフォーカス、動体予測機能を搭載したコンティニュアスAFモード、±5EVの露出補正、オート露出ブラケティング、3種類(ESP測光・中央重点平均測光、スポット測光)の測光方式、オート/ISO100/200/400/800に加え、拡張モードにより1600/3200も設定できるISO感度、CCDと光源検出センサーのデュアル方式による高精度なオートホワイトバランス、オートホワイトバランスブラケティング、ノイズリダクションとアドバンストノイズフィルター機能、広角レンズなどで画像周辺部が暗くなる現象を軽減させるシェーディング補正機能、sRGBとAdobe RGBの2種類の色空間、RAWとJPEGの同時書き込み、などの多彩な機能を備える。

本体上部
本体側面
モードダイヤル付近

インタフェースはUSB2.0とIEEE1394の2種類で、撮影画像を高速に転送できる。また、添付ソフトウェアには新開発の「OLYMPUS Studio 1.0」(体験版)が同梱されており、高速なRAWデータ処理を実現。ライトボックスでフィルムを確認するような感覚で作業が行える。

同梱される「OLYMPUS Studio 1.0」(体験版)

○主な仕様

モデルE-1
撮像素子フルフレームトランスファー型4/3型原色CCD
有効画素数500万画素
レンズマウントフォーサーズシステム
レンズズイコーデジタル、フォーサーズシステムレンズ
ファインダ視野率約100%、アイレベル一眼レフ方式
液晶モニタ視野率100%、1.8型TFTカラー液晶(13.4万画素)
フォーカスシングルAF/コンティニュアスAF/マニュアルフォーカス
測距点3点
測光方式TTL開放測光
ISO感度オート/ISO100/200/400/800、拡張時ISO1600/3200可
露出制御プログラムAE/シャッター優先AE/絞り優先AE/マニュアル
ホワイトバランスプリセット12種
シャッター速度2~1/4000秒、60~1/4000秒、バルブ:最長8分
連続撮影3コマ/秒、12コマまで
電源専用Li-Ion電池「BLM-1」「BLL-1」
メディアCF TypeI/II、マイクロドライブ
サイズ141(W)×104(H)×81(D)mm
質量約660g(本体のみ)

今後は、来年にはさらにレンズ4本を提供するなど、レンズ群を拡充していくほか、ハイアマチュア層向けの超小型モデル・さらなる高画質モデルの2製品を準備する。

今後の展開
デジタル一眼レフカメラは今後急成長すると予測される

E-1を持つ菊川社長。まだE-1で撮影したことはない、というが、カメラの出来には大きな自信を示す

同社の菊川剛・代表取締役社長は、「プロの、プロによる、プロのためのデジタル一眼レフシステム」と徹底してプロユースを追求したことを強調した上で、Eシステムの今後の展開について、「本気などと言う生やさしいものではなく、オリンパスは気が狂ったのかと思われるほどの決意を持って、プロの期待に応える」と述べる。

また、100人を超える開発陣、半導体製造並みのクリーンさを備えた専用工場の建造、全世界でサポートが受けられるようなサポート専門組織の立ち上げなど、様々な施策を実施し、ニコン、キヤノンが強いデジタル一眼レフカメラ市場でのシェア確保を目指す。同社は、デジタル一眼レフカメラ市場が今後高い伸び率を示すと見ており、「新規獲得ユーザを中心に来年にはシェア20%」(菊川社長)を目指す。

デジタル一眼の新規格「フォー・サーズ・システム」採用カメラが参考出品
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/03/03/21.html

オリンパスと米Kodak、デジタル一眼レフカメラのレンズ互換性を図る新規格
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/09/25/25.html

オリンパス光学工業
http://www.olympus.co.jp/



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