次期Windows「Longhorn」見参! - 注目はウィンドウの3D対応とサイドバー

    ワタリヒカル  [2003/05/07]

    米Microsoftは、米ニューオーリンズで開催中のWindowsハードウェア技術者向け会議「WinHEC(Windows Hardware Engineering Conference)」において、コードネーム「Longhorn」と呼ばれる次期Windowsの姿を初公開した。

    これまで、"Longhorn"というキーワードそのものは、米Microsoft自身も同社主催のカンファレンスなどにおいて、Windowsロードマップの現状や新しいテクノロジーを説明する際に使用してきたが、Longhornの実体そのものが公式の場で明かされるのは初めてとなる。

    これがLonghornの姿。スタートボタンやスタートメニューがあるところはWindows XPと同じだが、右端に時計やスライドショーを起動できるダッシュボード「Sidebar」が追加されている。Sidebarは、ユーザーの任意に応じて表示可能で、タスクバーに格納しておくことができる
    LonghornのWindowsバージョン情報。バージョンは「Version 6.0(ビルド4015)」となっている

    披露されたLonghornは、「Longhorn M5(Milestone 5)」と呼ばれるもので、ビルドは「4015」。同社では「製品版の完成までに仕様および機能は大幅に変更される可能性がある」とした上で、今回、Longhornの実体を明らかにした。

    Longhornは、すでに同社が公表しているものだけでも新ファイルシステム「Windows Future Storage Services」、新インデックスシステム「Windows Storage Full-Text Index」、高速セットアップ「Windows Preinstallation Environment」、次世代セキュリティ技術「the next-generation secure computing base for Windows(旧称Palladium)」などの新機能が搭載される予定になっている。さらに、DVD+R/RW、DRM、PCI Express、Serial ATA、Bluetooth、Soft Wi-Fi、IPv6、UPnP V2、SPOT、DirectX 10、Audio Mixer、Microsoft TV Technologiesなどの新しいテクノロジーも積極的にサポートされる。また、Windows Messenger、Internet Explorer、Windows Media Playerなどのミドルウェアの新バージョンも搭載される。

    しかしながら、まだLonghorn M5はα版の段階ということもあり、それらをすべてサポートするまでには至っていない。

    ○タスクバーを拡張する「Sidebar」

    今回のデモンストレーションでは、WinHEC本番前のプレショウということあり、新しいユーザーインタフェースを中心に、新しいグラフィックス機能が披露された。

    (左)Longhorn M5で用意されているタイル(その1)。上から順に「Quick Launch(クイック起動バー)」「Most Frequent Apps(最近使ったプログラム)」「Tray Icons(通知領域)」「User(ユーザー情報)」となっている

    (右) Longhorn M5で用意されているタイル(その2)。上から順に「Windows Media Player」「Synchronize(ファイルの同期)」「Basket(バスケット)」「Slide Show(スライドショー)」「Clock(アナログ時計)」「Search(検索)」となっている。

    Longhornでは、まず操作の基点となるデスクトップが刷新される。新しいタスクバー「New Taskbar」と新しいVisual Styles「Plex」が採用され、デスクトップ右端には「Sidebar」と呼ばれるダッシュボードが追加される。

    Plexは、Windows XPのユーザーインタフェースデザインをベースに、淡い青を基調とした配色を採用、コーポレートタッチな平面的なデザインになっている。

    Sidebarを無効にすると、Windows XPに近いユーザーインタフェースに変わる。通知領域なども復活する

    MSN8のダッシュボードにも似たSidebarは、タスクバーの機能を拡張し、あらゆる情報を一元管理する。すでにスライドショー、最近使ったプログラム、ユーザー情報、通知領域、クイック起動バー、時計などが実際に動作しており、ほかにもデスクトップマネージャー、スライドショー、メディアプレイヤー、各種Webサービス(検索、メール、インスタントメッセージ、ニュース、地図)などが用意される予定だ。

    "New Taskbar"と呼ばれる新しいタスクバーは、Sidebarと密接に統合できるようにユーザーインタフェースが改良されている。スタートメニューこそ従来のままとなっているが、従来のタスクバーの機能(クイック起動バーや通知領域など)は廃止され、すべてSidebarに移行する。さらに、Sidebarをタスクバーに格納したり、格納時に登録されているタイルをアイコン表示できるようになっている。

    各タイルのアイコン(もしくはタイトル)をクリックすると、そのタイルの内容が別ウィンドウで表示される。たとえば、Slide Showの場合なら、画像が拡大表示される
    「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」を開くと、[Notification area(通知領域)]欄に、Sidebarの有効/無効を設定するオプション[Enable the Sidebar]が追加されていることが確認できる。

    「タスクバーと[スタート]メニューのプロパティ」を開くと、[Notification area(通知領域)]欄に、Sidebarの有効/無効を設定するオプション[Enable the Sidebar]が追加されていることが確認できる。
    デスクトップの右端にあるツールバーが「Sidebar」。バーは、上下左右の各端に移動したり、任意の大きさにサイズ変更することができる。

    ○3D対応になるウィンドウシステム

    3Dといっても、ウィンドウが立体表示されるわけではない。ウィンドウの描画に、3Dレンダリングテクノロジーが投入される。

    具体的には、従来のWindowsは単一のデスクトップサーフィス上に(簡単に言うとデスクトップの表示画面を保存する場所)すべてのウィンドウ(壁紙を含む)を描画していたが、Longhornではウィンドウごとに専用のデスクトップサーフィスが用意される。

    つまり、各ウィンドウは、ほかのウィンドウとは完全に独立した専用のデスクトップ表示画面で描画を行う。これにより、従来のWindowsではユーザーの目に見える部分しかウィンドウ描画しなかったのが、あるウィンドウがほかのウィンドウに隠れてユーザーの目からは確認できない状態だったとしても、現在開いているすべてのウィンドウが1秒間に複数回(ハードウェアスペックによる)という速さで同時にレンダリングを実行する。

    この3D機能を利用するにはDirectX 9.0対応相当のハードウェア環境が必要になる。それ以下では、一部の3D機能しか利用できないか、もしくはソフトウエアレンダリングによる対応になる(ソフトウェアレンダリングの場合、十分なCPUとメモリを搭載していない限り、かなり描画速度が遅くなり、Windowsの動作が重いと感じるだろう)。

    ちなみに、米Microsoftでは、最新のPCはどれも3Dビデオカードを標準搭載しているので問題ないとしている。

    ○今後も目が離せないLonghorn

    Longhornのリリースは、今のところ2004年後半から2005年初頭になる見通しだ。

    米Microsoftは2004年第4四半期に目標設定しているLonghornのロードマップを崩していないが、今年に入ってから製品の開発が当初予定していた計画よりも1年以上も遅れる可能性が出てきており、実際には2005年前半頃になると予想されている。もしかしたら、今回のWinHEC開催中に新しいロードマップが公開されるかもしれない。

    とりあえず、現在のLonghornは新機能となる新しいテクノロジーの搭載率が低いこともあり、まだすべての実力を発揮するまでには至っていない。Longhornの本当の凄さを実感できるのは、きっとこれからになるだろう。今回のWinHECも含め、今後のLonghornの動向には要チェックだ。

    (ワタリヒカル)

    【WinHEC 2003レポート】何色にでも染まるのがPCの武器、ゲイツ氏が基調講演で「Athens」を披露
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/05/07/17.html

    Longhornのリリース計画が大幅改訂 - 製品出荷は2005年に
    http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/03/26/15.html

    Microsoft
    http://www.microsoft.com

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