【レポート】ICANN報告会開催 - 一段落したICANN改革、国際化ドメイン、ENUMも話題に

 

ゴールデンウィークの最中の4月30日に、JPNIC(日本ネットワークインフォメーションセンター)が主催する「第6回ICANN報告会」が開かれた。この報告会は、元々ICANN(Internet Corporation for Assigned Names and Numbers)の活動に関する情報を国内向けに提供することを主な目的としており、今回は今年3月にリオデジャネイロで開かれたICANNの全体会議の模様の報告がメインとなった。

○ICANN改革は一段落、具体的な組織を整備する段階へ

ICANNといえば、昨年Internet業界を騒がせた「ICANN改革」の話題を思い浮かべる方も多いだろう。同改革については、既に昨年12月にアムステルダムで行われた総会において改革案が了承されたことにより、正式に新組織への移行が決定している。そして改革の旗振り役であったStuart Lynn CEOがこの3月で退任、後任にICANNでGAC(政府諮問委員会)の議長も務めたPaul Twomey氏が就任し、いよいよ具体的な組織整備の段階に入っていることが今回報告された。

加藤幹之氏

今回説明に立った現ICANN理事の加藤幹之氏によると、6月に予定されているモントリオールでの全体会議において新しい理事会を発足させるべく、理事の選出権を持つ指名委員会と3つの支持組織が現在それぞれ理事の選出作業を行っているところだという。まず指名委員会については4月5日より理事候補者の募集を開始しており、5月5日までに応募された候補者の中から委員会内部で選考を行った後、6月上旬には8名の理事を選出するというスケジュールになっているとのこと。また各2名の理事枠を持つ3つの支持組織(GNSO・ccNSO・ASO)についても、既にGNSO枠の1名が決定しているほか、選出作業を個々に進めているそうだ。

また今回の改革で新たに設置される、一般会員制度(At-Large)の今後のあり方について議論する「暫定At-Large諮問委員会」などの組織についても委員の選出作業などが現在行われているほか、各組織が取り扱う分野でまだ未決定の部分について次回の会議で決定すべく検討作業が進められているそうで、モントリオールでの会議でいよいよ新ICANNの全貌がはっきりと形を現すことになりそうだ。

新しい理事会の現状
指名委員会の現在の活動状況

○国際化ドメインは運用ルールを巡り調整中

ICANNで組織改革の話題と並んでここのところ継続して話題に上っているのが、いわゆる国際化ドメイン(IDN)に関する話題だ。IDNに関しては2月にドメインプレフィックスとして「xn--」を使うことが決定したほか、3月にはIDNに関連するRFC(RFC3490~3492)が発行されるなど技術面での問題がクリアされてきたことから、いよいよ本格的な運用に向けたルール作りに関する議論が本格化している。

加藤氏によれば、ICANNとドメイン登録管理を行う各レジストリとの間の契約においては、ICANNが「IDNの登録業務を行っても良い」という許可を出さない限りIDNを各レジストリの管理するDNSに登録してはいけない、という条項が存在するのだそうだ。既に実験的にIDNの登録を受け付けているVeriSignやJPRSを含め、今後各レジストリがIDNによる登録業務を正式に始めるためには、必然的に「各レジストリにIDNの登録業務を認めるための基準」を明確化しなければならないため、現在その基準作りの真っ最中なのだとか。

具体的には「前述のRFCなどの技術基準に従うこと」「いわゆる『外字』による登録を認めないこと」など4つの必須項目と「ドメインラベルは一つの言語のみに限定すること(例えば日本語と韓国語の文字が混在するドメインは登録できない)」「登録を受け付ける全ての言語で顧客サービスを提供すること(日本語ドメインの登録を受け付けるのに英語でしかサポートしない、といったことはできない)」の2つの要望事項(必須ではない)から成るガイドラインを定めたほか、各レジストリがガイドラインに適合しているかどうかを確認する手順を現在検討中だということで、いよいよIDNの本格運用が間近に迫ってきたことが伺える。

また、以前筆者の連載でも取り上げたことのある、異体字にまつわる運用に関する問題についても、現在日・中・台・韓の技術者で構成されるJET(Joint Engineering Team)において管理ガイドライン作りが進められており、日本語については「ドメインに使用できる字体をあらかじめ制限する」方式、中国語については「異体字テーブルを用意して登録時に変換を行う」方式で運用を行うなど、言語ごとに運用ルールの検討が進められているとのこと。ただ、アジア圏においては以前からこの問題が認識・検討されていたものの、欧米圏では最近になってこの問題が認識され始めたことから、今後同様の問題の発生が予想されるギリシャ語やスラブ文字圏などにおける運用ルール作りが急務である、と加藤氏は述べた。

○レジストラ変更の問題やENUMに関する話題も

3月のリオデジャネイロ会議ではこれ以外にも、ドメイン登録を受け付けるレジストラの変更に関するトラブルを防ぐため、レジストラ変更の手続きを変更する案が検討されたほか、Whois情報(ドメイン登録者や技術担当者情報)の正確性を確保するための仕組みづくり(最低でも年1回Whois情報のupdateを促す、バルクアクセスによるWhois情報のマーケティング利用を禁止するなど)などが議論の対象に上ったとのこと。

特に昨今の世界的なVoIPブームに関連してか、IP電話同士の相互接続や加入電話→IP電話への着信のための技術として現在検討が進められている「ENUM」に関するワークショップが開かれた、というのは注目だ。内容的にはIETFやITUなどにおける現在の状況説明やトライアルデモがメインだということで、何か目新しい話があったわけではないようだが、ENUMは基本的にDNSをベースとした技術のためICANNとしても密接な関係を持たざるを得ない分野であり、今後ICANNがENUMにどう関わっていくのかは気になるところだ。

(佐藤晃洋)

【コラム】ハイテクウォーカー 第52回 執筆=佐藤晃洋 国際化ドメインに残された波乱要素
http://pcweb.mycom.co.jp/column/hitech/hitech052.html

【レポート】国際化ドメインプレフィックス確定の持つ意味
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/02/17/14.html

【レポート】組織改革で揺れるICANNの現状が報告 - 国際化ドメインも間近
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2002/11/22/22.html

【コラム】ハイテクウォーカー 第35回 執筆=佐藤晃洋 ICANN改革の行方
http://pcweb.mycom.co.jp/column/hitech/hitech035.html

【コラム】東京バイツ 第77回 執筆=福冨忠和 いま、インターネットでクーデターが起こっている
http://pcweb.mycom.co.jp/column/bytes/bytes077.html

ICANN
http://www.icann.org/

JPNIC
http://www.nic.ad.jp/



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