【インタビュー】Ajay Bhatt氏、PCI Expressを語る(4) サーバー関連の話題

○サーバー関連

--ところであれは2001年だったか2002年だったか、Richard Baek(PCI-SIGのExective Director)と話し合ったとき、最初はノートブック、次にデスクトップ、最後にサーバーとなるという話でした。というのは、サーバーマーケットでは既に多くのベンダーがPCI-Xに向けて投資をしている最中だから、急激にPCI Expressに移行する事は好まないだろうという理由だったのですが、ただ前回のIDFではサーバー向けのロードマップが最初に公表され、次にデスクトップであり、モバイル向けにはまだロードマップも出ていません。この逆転の理由は何故でしょう?

Intelは、サーバー、デスクトップ、モバイルの全てについて、2004年に同時にPCI Expressに移行させる。デスクトップにはグラフィックとGbE用として、モバイルにはBTO/CTO向けのグラフィックスやGbE、ドッキングステーション、NEWCARD用に、サーバー向けにはチップtoチップのコネクションやGbE/10GbE/RAIDコントローラ/PCI-Xブリッジ/InfiniBandブリッジなどにそれぞれ利用する。サーバーに関しては、日立がアナウンスしたほか、Mike Fister(上級副社長兼エンタープライズ・プラットフォーム事業本部長)は、他にもNEC、富士通などが採用するという話も公開した。一部のサーバーベンダーは非常に早く移行を決めている。チップtoチップの接続、というのは最低限のレベルで、既存のI/Fとのブリッジをその先につけて利用する事になる。ただ将来、大規模サーバーは更に積極的にPCI Expressを使う事になると思う。

--ところで素朴な疑問ですが、なぜサーバーにPCI Expressが必要なのでしょう? 勿論1Pや2Pで、サイズも1Uとか2Uサイズのサーバーならば省スペースのメリットは大きいのが判りますが、4Pとかもっと大規模のサーバーであれば、そもそもボードサイズがかなり大きくなるからそれほど小面積のメリットは無い様に思えますし、こうした製品だとコストよりも信頼性が重視されますから、無理にPCI Expressを使わなくても既存のHubLinkでも問題ないように思えますが。

何故大規模サーバーにPCI Expressが向いているかというと、例えばPCI-Xバスの場合、64bit幅でしかも信号の速度が高速だから、配線を最小にする事が求められる。こうしたケースでは、PCI Expressのディファレンシャル方式は非常に有効だからだ。

--でもそれはPCI-Xブリッジをスロットのそばに置き、間をHubLink2で接続すれば良い話ではないのですか

Intelとしては、このHubLink2をPCI Expressに置き換えたいのだ。それは、より柔軟性が増すからだ。実際の製品では、ブリッジを使いたい場合もあればPCI Expressを使いたい場合もあるわけで、こうしたケースに柔軟に対応できるからだ。しかも、PCI-XブリッジからHubLink2経由でMCHにアクセスする代わりに、PCI Expressで直接接続する事でメモリアクセスへのレイテンシが少なくできる。大体レイテンシは50%程度削減できる筈だ。また、配線が長くなる場合でもPCI Expressでは柔軟に対応できるが、既存のバスを使う場合はかなり特別な注意が必要になる。レイテンシ、コスト、消費電力、柔軟性、全ての点でPCI Expressの方が優れている。これは大きなボードでより一層顕著になる。

--Mike Fisterは「Low Cost」を強調していましたが、これは単にローエンド向けという意味ではなく、全ての点でより優れていると解釈すべきなんですね?

その通りだ。例えば信頼性についても、ホットプラグの機能は標準でPCI Expressに備わっている。だから高信頼性サーバーでRAS機能を搭載する場合にも、PCI Expressを使えば簡単に構築できる。これこそが、日立がItanium 2システムにPCI Expressを採用する理由だと私は思うよ。

--これに関してもうひとつ。高信頼性システムの中には、冗長性を高めて、完全にモジュールの交換が出来るようなものがあります。例えば今回の例でいえば、MCHを2重化し、ホットスワップが出来るような機能が求められるわけですが、こうしたシステムはPCI Expressで構築する事は出来るのでしょうか?

勿論MCHもホットプラグが可能だ。MCHもPCI Expressデバイスの1つだし、だから当然ホットプラグは標準で出来る事になる。

--それは、現在のバージョンのPCI Expressで可能なのでしょうか?

標準化は今後ということになるが、しかしこれはインプリメントの問題だからね。PCI Express自体は現在のものでも可能だ。というのは、例えばMCHを2重化するとデバイスへのバス幅は2倍になるわけだが、今でも1x/2x/4x…と32xまでバス幅を倍に増やす事はできるからね。その際の合計転送速度はデバイスとのネゴシエーションで決まるから、問題はない。

○終わりに

重箱の隅を突付くような質問に対し、大変丁寧にお答えいただいたBhatt氏にまずは感謝の意を表したい。以前の記事では色々と問題を呈したが、殆どの問題は既に考慮されており、かなり完成度が高いスペックになっている事が伺えた。まだ実際の製品にそのまま繋がる訳ではないが、今年秋のIDFには輪郭が見えそうだし、具体的な製品スペックも来年春のIDFには見えてきそうだ。その頃には、PCI Expressを利用するカードもいくつかお目見えしそうな予感を持ったインタビューだった。

(大原雄介)

【インタビュー】Ajay Bhatt氏、PCI Expressを語る(1) Graphicsに関して
http://pcweb.mycom.co.jp/news/2003/04/14/22.html

IDF-J Spring 2003レポート
http://pcweb.mycom.co.jp/news/special/2003/04/09/01.html

Intel
http://www.intel.com/



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